朝、新聞受けにこんな金ピカの封書が入っていました。おじいちゃんたちの通販シ
ョッピング会社からのカタログかなぁ?と手にして見ると、それは亡き姉の卒業し
た学校からの封書でした。宛名には学生時代の当然ながら姉の旧姓名が書かれてい
ます。「それにしても悪趣味な色合いやね。シンプル好きな○○(姉の名)の
趣味にはあわへんね。」と、先月27日が命日だったのでなんか偶然かしら?と
思ったのでした。姉は商業美術が得意で、京都の成安女子短期大学の意匠科という
分野にすすみましたが、それを職に出来るような仕事場は田舎にはなく、卒業後は
田辺の服飾専門学校に通い、今度は自分で服を縫ったり、小さな洋品店に勤めて
けっこう串本では女子高生の人気のお姉さんでした。
姉が他界してからも年に一度、短大から同窓会報のようなものが送られてきてい
たので、毎年母親が「こんなの送られてきてもなぁ」というので、二度ほど付いて
いるハガキの近況報告欄に死亡連絡を書いたのですが、事務局が業者に届けないの
か以後も送られてきます。そうこうしているうちに短大は成安造形大学と名前を変
え、その通知も送られてきました。おばあちゃんたちには悪いけど、先に封を切っ
て中身を見ました。それくらいは姉もOKだろ~。
中身は案の定、入試要綱だ。まったく・・・ため息まじりに入っていた紙を読んで
「おいおい、見出しは成安造形短期大学卒業生 各位 ってなってる。○○、卒業
した短大名まで消去やで~。せめて旧短大名で書いて欲しいよねぇ。なんか成安女
子短大生だったことが無かったことみたいやなぁ」。内容は少子化が進んできたの
で、親族にお子様がおられましたらぜひとも当大学へ~みたいな、三親等までなら
試験検定料3万5千円は免除しまっせ・・・と書いていました。それにしっかりと
装丁された入試要綱、まるで教科書みたいです。姉が生きていたら大学受験の年頃
の子供がいるだろー的考えの勧誘です。それにしても 美術を専攻する大学がこの
封書・・・こんなのが都会では流行ってるの?
また封を閉じ、郵便受けに戻したらおばあちゃんが昼過ぎに持ってきて「これ
送ってきたけど。中身は大学受験の願書が入っていた。あの子の娘はもう働いてい
るし・・」「きにするこたぁないで、業者が名簿を学校から渡されて一斉に卒業生
に送ってるんやから。なんなら、おばあの受験はできんのか聞いてみたら?」と
茶化すと「ほんでも、×××(長女)も、△△△(ちのと)の学校も卒業して何十
年も経つのにこんなの(入学願書)は送られてきたことない」と言います。そうい
や私のは年に一度の会報だけだ。卒業生の子供まで取り込まないとやっていけない
のか!!この手のものは受取拒否とかもできるんだろうけど、これはクロネコの
メール便で郵便受けに入っていたからなぁ・・。おばあちゃんはまた、しばらく
この娘が通っていた学校からのなんともいえない贈り物に動揺するのか?
強く抗議でもすれば送られてもこないかもしれないけど、宛名を見て思ったのだ
親にしてみたらここに書かれている旧姓名、いろんな思いで見てんじゃないかな?
おばあちゃんも「この金色・・・」「それさぁ、板切れか何かに貼り合わせて、畑
の鳥オドシにしたら?ピカピカしてるでぇ」というと笑ってくれたけど。
午後、郵便受けに郵便が・・・。なんと私の卒業した学校から封書が。「この前、
会報が来てたのに。これも成安みたいな勧誘?」中身は来年春に学部が新設とか
のお知らせだ。昔は短大に家政科と英語科、四大に英米文学科、日本文学科だけだ
ったと思うけど、今はそれも全部名称が変わってしまっている。成安をコナシテい
る場合でなかったなぁ・・・こうなると 幽霊卒業生になるのかぁ~。