久々にWEBで脚延長術について調べてみた。
びっくりした。
私が娘の治療方針について調べた際に、突き止めた脚延長術の歴史やメリット、デメリットについて
まるで異なる情報や論文がまことしやかに、WEBに多数存在する。
まるで、美容整形の一環であるかのように。
恐ろしいなと思う。
長期の経過観察に目を背けて、考察を避け、短期の延長にだけ焦点を当てる評価方法。
疑問を感じざるを得ない。
私が、2005年当時に、当時の心身障害児総合療育センターにいらしたK医師や世界義肢装具士学会日本支部長のT氏より聞いたところによれば、
その当時、すでに長きにわたり、センターにて脚延長術を推進してきた結果、予後について芳しくなく、後から切断離断をする事例が多発したことから、方針転換して、2005年当時にはセンターではすでに脚延長術は行わない方針だと説明があったのを明確に記憶している。
当時、二人は日本でも一番経験値の高い、小児整形外科医と義肢装具士のペアであったことはいうまでもなく、その説明が嘘とは思えない。
だが、そうだとすると、いま検索すると出てくる脚延長術に関する論文はなんだろうか?
ある論文には、脚延長術の歴史はまだ15年しかなく、長期の評価は行えていないと締めくくられていた。
それは、流石にないのではないだろうか?
実は脚延長術について、患者さん家族から相談を受けた。
私も15年前に散々悩み、施術を検討するために大阪母子医療センターに何度か足を運んだし、医師と3時間以上にわたり話をして呆れられ、嫌がられた。
説明したがらない予後のこと、東京での状況なども話した。その先生は、ご存知だった。私が聞いたら、知っていると認めていた。
何かがおかしい。
脚延長術を推進することに、なんのメリットがあるんだろう。
どうして、もう少しリスクをきちんと開示するべきだという声が、学会から上がらないんだろう。
どうして、説明不足で問題にならないんだろう。
なんだか悲しくなった。
15年経ち、ブログで一生懸命に色々書いてきたけれど、力不足を痛感する。
伝えきれていない。
温存療法、脚延長術について
患者家族は、声を上げるべきだと思う。
きちんと、いいところもだめなところも。
当事者が声を上げないと、わからないから。
脚延長術を選択して、うまくいかなかった人が、その事実を書き記すのは、多分きつい。
でも、誰かがやらないと、第二第三の被害者が出る。
私がブログを続けるのも、それが理由。
私と同じような、死にそうになるくらいの悩みを、同じ立場に追い込まれたご両親に抱えて欲しくなくて。その一心。
ああ、また愚痴になる。
なんだかね。
医学会って、患者のこと、実はあんまり考えてないんだよね。本当にさ。