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渡辺努・著“世界インフレの謎(講談社現代新書)”を読んで

今週は渡辺努・著“世界インフレの謎(講談社現代新書)”を読んだので、紹介したい。今や、さすがの日本もインフレの波に洗われ始めている。何故、インフレになっているのか。これからどうなるのか。経済に興味ある身には当然、知っておくべきことだろう。 さて2年以上続いたパンデミックによって、世界の物流ネットワークが寸断され、需要より供給が細る効果が出た。さらに、パンデミックにより需要がレストランなどの外食産業のサービスより、外販のモノへ移った。しかも人材のサービス産業からモノ作り産業への移行が進まない。これらによって、供給が相対的に細り需要だけが増加する効果によってインフレが発生し始めた。日本には価格据え置きのノルム(習慣・規範)がはびこって、20年もデフレが続いたのだ。しかし低金利の中、貿易を通じて円安となり、それが食料品・エネルギー等の輸入品を通じて物価高となり、いよいよインフレの兆しとなってきている。 著者は次のように言う。“(パンデミックによる)行動変容を手掛かりとして、私たちの社会と経済をよりよいものに変えていく、そうした変革の原動力として活用すべきです。それはとりわけ日本にとって、慢性デフレからの脱却の契機になりうると私は考えています。” . . . 本文を読む
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