難治喘息に抗菌薬が有効、という興味ある記事を見つけました。
それも、医学論文雑誌の最高峰であるLancetです。
実は喘息に抗菌薬が有効であるという議論は過去にもありました。
今から25年くらい前でしょうか。
マクロライド系抗菌薬であるエリスロマイシンを併用すると喘息のコントロールが改善すると話題になったのです。
その後の解析で、当時の喘息治療の第一選択薬であったテオフィリン(テオドール®/テオロング®/スロービット®/ユニフィル®)の代謝を遅らせて血中濃度を上げるというカラクリが判明しました。
まだ吸入ステロイドが普及する前の時代の話です・・・。
さて紹介する論文は、アジスロマイシン500mgの併用が有効であったという内容です。
それも週3回、48週間と、日本での感染症に対する通常使用量「300mg×3日間かつひと月に1クール限定」と比較するとかなり多い量&長期間ですね。
■ コントロール不良の喘息にあの抗菌薬が有用?/Lancet
(ケアネット:2017/07/13)
中~高用量の吸入ステロイド+長時間作用型気管支拡張薬服用ではコントロール不良の喘息成人患者に対し、マクロライド系抗菌薬の経口アジスロマイシンの追加投与は、喘息増悪リスクを約4割減少し、喘息関連QOLも改善することが示された。オーストラリア・Hunter Medical Research InstituteのPeter G. Gibson氏らが、420例を対象に行った48週間にわたる無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果で、著者は「アジスロマイシンは喘息コントロールの追加療法として有用と思われる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年7月4日号掲載の報告。
◇ アジスロマイシン500mg、週3回48週間投与
研究グループは2009年6月12日~2015年1月31日にかけて、吸入ステロイドや長時間作用型気管支拡張薬の服用にもかかわらず喘息症状が認められる、18歳以上の患者420例を対象に、経口アジスロマイシンの追加で喘息増悪の頻度が減少可能かを調べる試験を行った。被験者は、聴覚障害や補正QT間隔延長が認められない場合を適格とした。
被験者を無作為に2群に分け、一方にはアジスロマイシン500mgを(213例)、もう一方にはプラセボを(207例)、それぞれ週3回48週間投与した。試験を行った医療センターと喫煙歴について、層別化も行った。
主要評価項目は、48週間の中等度~重度の喘息増悪の頻度、および喘息症状関連の生活の質(QOL)で、intention-to-treatにてデータを分析・評価した。
◇ 喘息増悪1回以上の発症率も減少
喘息増悪の発現頻度は、プラセボ群が1.86/人年だったのに対し、アジスロマイシン群は1.07/人年と、約4割低かった(罹患率比:0.59、95%信頼区間[CI]:0.47~0.74、p<0.0001)。
また、試験期間中に1回以上の増悪が発現した患者の割合も、アジスロマイシン群で有意に低率で、プラセボ群61%(207例中127例)だったのに対し、アジスロマイシン群は44%(213例中94例)だった(p<0.0001)。さらに、アジスロマイシン群はプラセボ群に比べ、喘息関連QOLも有意に改善し、喘息QOL質問票(AQLQ)スコアの補正後平均値格差は0.36(95%CI:0.21~0.52、p=0.001)だった。
なお、下痢の発症がプラセボ群19%に対し、アジスロマイシン群で34%と有意に高率に認められた(p=0.001)。
<原著論文>
・Gibson PG, et al. Lancet. 2017 Jul 4.
それも、医学論文雑誌の最高峰であるLancetです。
実は喘息に抗菌薬が有効であるという議論は過去にもありました。
今から25年くらい前でしょうか。
マクロライド系抗菌薬であるエリスロマイシンを併用すると喘息のコントロールが改善すると話題になったのです。
その後の解析で、当時の喘息治療の第一選択薬であったテオフィリン(テオドール®/テオロング®/スロービット®/ユニフィル®)の代謝を遅らせて血中濃度を上げるというカラクリが判明しました。
まだ吸入ステロイドが普及する前の時代の話です・・・。
さて紹介する論文は、アジスロマイシン500mgの併用が有効であったという内容です。
それも週3回、48週間と、日本での感染症に対する通常使用量「300mg×3日間かつひと月に1クール限定」と比較するとかなり多い量&長期間ですね。
■ コントロール不良の喘息にあの抗菌薬が有用?/Lancet
(ケアネット:2017/07/13)
中~高用量の吸入ステロイド+長時間作用型気管支拡張薬服用ではコントロール不良の喘息成人患者に対し、マクロライド系抗菌薬の経口アジスロマイシンの追加投与は、喘息増悪リスクを約4割減少し、喘息関連QOLも改善することが示された。オーストラリア・Hunter Medical Research InstituteのPeter G. Gibson氏らが、420例を対象に行った48週間にわたる無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果で、著者は「アジスロマイシンは喘息コントロールの追加療法として有用と思われる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年7月4日号掲載の報告。
◇ アジスロマイシン500mg、週3回48週間投与
研究グループは2009年6月12日~2015年1月31日にかけて、吸入ステロイドや長時間作用型気管支拡張薬の服用にもかかわらず喘息症状が認められる、18歳以上の患者420例を対象に、経口アジスロマイシンの追加で喘息増悪の頻度が減少可能かを調べる試験を行った。被験者は、聴覚障害や補正QT間隔延長が認められない場合を適格とした。
被験者を無作為に2群に分け、一方にはアジスロマイシン500mgを(213例)、もう一方にはプラセボを(207例)、それぞれ週3回48週間投与した。試験を行った医療センターと喫煙歴について、層別化も行った。
主要評価項目は、48週間の中等度~重度の喘息増悪の頻度、および喘息症状関連の生活の質(QOL)で、intention-to-treatにてデータを分析・評価した。
◇ 喘息増悪1回以上の発症率も減少
喘息増悪の発現頻度は、プラセボ群が1.86/人年だったのに対し、アジスロマイシン群は1.07/人年と、約4割低かった(罹患率比:0.59、95%信頼区間[CI]:0.47~0.74、p<0.0001)。
また、試験期間中に1回以上の増悪が発現した患者の割合も、アジスロマイシン群で有意に低率で、プラセボ群61%(207例中127例)だったのに対し、アジスロマイシン群は44%(213例中94例)だった(p<0.0001)。さらに、アジスロマイシン群はプラセボ群に比べ、喘息関連QOLも有意に改善し、喘息QOL質問票(AQLQ)スコアの補正後平均値格差は0.36(95%CI:0.21~0.52、p=0.001)だった。
なお、下痢の発症がプラセボ群19%に対し、アジスロマイシン群で34%と有意に高率に認められた(p=0.001)。
<原著論文>
・Gibson PG, et al. Lancet. 2017 Jul 4.