佐橋氏は「花粉 Learning」というHPを主催し、長年自分が現場に足を運んでスギ花粉の着き具合を調べる現場派の学者です。
気象庁やウェザーニュースなどの大手は、近年の飛散実績や前年夏の日照時間などから計算で花粉飛散予想を割り出しますが、やはり「スギが実際にどれだけ花粉を着けているか」という情報に勝るものはありません。
毎年私は彼の報告記事を待っています。
なかなか掲載されないと、御高齢のこともあり「健康に何か問題が起きたのかな?」などと心配してしまいます。
・・・今年もようやくメディカル・トリビューンに登場しました(元気そうで何より)。
関東地方のフィールドワークによると、「(千葉県)今年の花粉飛散は過去10年平均および昨年に比べやや多くなる見込み」「(関東地方)おおむねスギ・ヒノキ合算で6,000個の飛散が見込まれ、ところによっては前年の1.5倍程度に達する可能性もある」だそうです。
■ スギ花芽はほぼ全面的に着生-野外調査から
10年平均、昨年よりやや多い飛散か
(2018年01月25日:メディカル・トリビューン)
スギやヒノキの枝に着生した花芽の個数や大きさなどを観測する野外調査は、翌年の花粉飛散量を予測する上で大きな手がかりとなる。今年(2017年)11月24日、千葉県富里市において元東邦大学薬学部教授の佐橋紀男氏が実施した花芽の野外調査に同行した。
調査では、同氏が毎年定点観測しているスギ林の各エリアから40本をサンプルとして抽出し、花芽の着生状況によりA〜Dでランク付けをした(表)。
表. スギ花芽の着生状況
今回サンプルを抽出したエリアは2カ所で、1つ目のエリアでは着花量が非常に多いAランク12本、やや多いBランク19本、やや少ないCランク9本、着花がほぼ見られないDランク0本であった。
2つ目のエリアではAランク5本、Bランク21本、Cランク10本、Dランク4本であった。
観測したスギ林の全体的な傾向としては、枝に鈴なり状で花芽が密に着生しているような樹木はあまり見られなかったが、多数の花芽が全面的に着生している樹木は少なからず見られた。
また、花芽の大きさを計測したところ、最長でも直径6mm程度で,7mmを超える大粒の花芽は観測されなかった。 観測結果について、同氏は「Aランクのスギが少なからずあり、Bランクに関しては一定数確認できた。観測エリアの日射条件なども勘案すると、来年の花粉飛散は過去10年平均および昨年に比べやや多くなる見込みである」と解説した。なお、NPO花粉情報協会の調査によると、富里市に比較的近い船橋市における来年の花粉飛散予測は9月27日時点で6,401個/cm2/season(以下、個)である。
同氏は富里市だけでなく、多摩地区をはじめ関東地方の複数の地域で同様の観測を実施しており、それらの結果も勘案すると、同地方では来年、おおむねスギ・ヒノキ合算で6,000個の飛散が見込まれ、ところによっては前年の1.5倍程度に達する可能性もあるとした。
さらに、今年8月に関東地方で確認された記録的な長雨や日照時間の不足について、「花芽の成長に影響を及ぼしたことは確実で、5~10年に1度発生するような、花粉の大量飛散が予測されるほどの花芽の大きさや着生状況ではない」と補足した。
気象庁やウェザーニュースなどの大手は、近年の飛散実績や前年夏の日照時間などから計算で花粉飛散予想を割り出しますが、やはり「スギが実際にどれだけ花粉を着けているか」という情報に勝るものはありません。
毎年私は彼の報告記事を待っています。
なかなか掲載されないと、御高齢のこともあり「健康に何か問題が起きたのかな?」などと心配してしまいます。
・・・今年もようやくメディカル・トリビューンに登場しました(元気そうで何より)。
関東地方のフィールドワークによると、「(千葉県)今年の花粉飛散は過去10年平均および昨年に比べやや多くなる見込み」「(関東地方)おおむねスギ・ヒノキ合算で6,000個の飛散が見込まれ、ところによっては前年の1.5倍程度に達する可能性もある」だそうです。
■ スギ花芽はほぼ全面的に着生-野外調査から
10年平均、昨年よりやや多い飛散か
(2018年01月25日:メディカル・トリビューン)
スギやヒノキの枝に着生した花芽の個数や大きさなどを観測する野外調査は、翌年の花粉飛散量を予測する上で大きな手がかりとなる。今年(2017年)11月24日、千葉県富里市において元東邦大学薬学部教授の佐橋紀男氏が実施した花芽の野外調査に同行した。
調査では、同氏が毎年定点観測しているスギ林の各エリアから40本をサンプルとして抽出し、花芽の着生状況によりA〜Dでランク付けをした(表)。
表. スギ花芽の着生状況
今回サンプルを抽出したエリアは2カ所で、1つ目のエリアでは着花量が非常に多いAランク12本、やや多いBランク19本、やや少ないCランク9本、着花がほぼ見られないDランク0本であった。
2つ目のエリアではAランク5本、Bランク21本、Cランク10本、Dランク4本であった。
観測したスギ林の全体的な傾向としては、枝に鈴なり状で花芽が密に着生しているような樹木はあまり見られなかったが、多数の花芽が全面的に着生している樹木は少なからず見られた。
また、花芽の大きさを計測したところ、最長でも直径6mm程度で,7mmを超える大粒の花芽は観測されなかった。 観測結果について、同氏は「Aランクのスギが少なからずあり、Bランクに関しては一定数確認できた。観測エリアの日射条件なども勘案すると、来年の花粉飛散は過去10年平均および昨年に比べやや多くなる見込みである」と解説した。なお、NPO花粉情報協会の調査によると、富里市に比較的近い船橋市における来年の花粉飛散予測は9月27日時点で6,401個/cm2/season(以下、個)である。
同氏は富里市だけでなく、多摩地区をはじめ関東地方の複数の地域で同様の観測を実施しており、それらの結果も勘案すると、同地方では来年、おおむねスギ・ヒノキ合算で6,000個の飛散が見込まれ、ところによっては前年の1.5倍程度に達する可能性もあるとした。
さらに、今年8月に関東地方で確認された記録的な長雨や日照時間の不足について、「花芽の成長に影響を及ぼしたことは確実で、5~10年に1度発生するような、花粉の大量飛散が予測されるほどの花芽の大きさや着生状況ではない」と補足した。