小児アレルギー科医の視線

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血液検査で検出できない「遅延型アレルギー」

2018年01月05日 10時22分14秒 | アトピー性皮膚炎
 一般に、アレルギー反応は即時型と遅延型の2種類が存在するとされています。
 即時型はアレルゲンが体に入ってすぐ(30分〜2時間以内)に症状が出るタイプで蕁麻疹が代表ですね。
 遅延型はそれ以降数日中に症状が出るタイプで、代表的なのは“かぶれ”(接触皮膚炎)です。

 湿疹や蕁麻疹の原因はアレルギーではないかと心配して受診される患者さんは後を絶ちません。
 検査を希望されますが、実はこれ、単純ではありません。

 アレルギーの血液検査は、一般に「総IgE」と「特異的IgE抗体」を検査します。
 そしてこれらは「即時型」を検出する検査であり、「遅延型」は検出できません。

 では「遅延型」の検査はなんでしょうか?
 代表的なのは、皮膚検査の「パッチテスト」です。
 残念ながら、血液検査ではわからないのですね。

 かぶれ(接触皮膚炎)の患者さんはふつう小児科/内科ではなく皮膚科を受診されます。
 パッチテストにはいろいろ問題があり、まず試薬が手に入りにくい、感作誘導の可能性、さらにテクニック、ノウハウが必要な検査です。
 なので、小児科/内科でパッチテストを行っている開業医は少ないです(当院も例に漏れず)。

 その辺の事情を解説した記事を紹介します。日経メディカルから;

■ 接触皮膚炎診療にパネル検査薬がじわり浸透 〜感作を誘発するリスクや結果判定の難しさなどの課題も明らかに
2017/12/19 日経メディカル
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