湯たんぽが恋しい季節になりました。
湯たんぽは「良眠」に効果的だそうです。
最近はレンジでチンするお湯を使わない簡易タイプも登場しています。
しかし、便利グッズにありがちなことですが、万能ではありません。
糖尿病で感覚が鈍っている方、脳梗塞などで足の麻痺があり熱いと感じても自分で動かせない方には注意が必要です。
■ 「低温やけど」にご用心 エコな湯たんぽも注意
(2018年01月04日 朝日新聞デジタル)
冷え込みが厳しい日が続いています。湯たんぽやカイロは手軽で使いやすく、愛用している人も多いのではないでしょうか。湯たんぽは、エコブームもあり、この季節、店頭でもよく見かけます。ただし、使い方を間違えると、低温やけどを招くこともあるようです。どんな注意が必要なのか、専門家に聞きました。
「低温やけどは、若い人よりも高齢者や糖尿病などの持病がある人に起きてしまうことが多い」。国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)の磯貝善蔵・皮膚科医長は、こう話します。
健康ならば、熱いと感じれば体をずらして避けようとすることができます。でも、糖尿病の神経障害で感覚が低下していたり、脳梗塞(こうそく)や骨折などで体を動かしにくい状態だったりすると、熱くてもそこから体をずらすことが難しくなります。このため、長い時間、湯たんぽなどに皮膚が触れた状態になりがちです。
一般的に皮膚が損傷を受けるのは、
・60度であれば5秒ほど
・50度で2~3分
・44度で3~4時間
ーとされています。
低温やけどは、温度が低い分、皮膚が接する時間が長くなり、やけどがじわじわ進み、深いところまで達しやすい、という特徴があるそうです。
最初は皮膚の変化も目立たなかったり、痛みも弱かったりするため、自覚に乏しく、受診まで時間がかかることが多い、とのこと。でも、受診したときには、皮膚の深い部分までやけどしていて、皮下組織が壊れ、手術が必要になることもあるそうです。
少し古いですが、製品事故の調査をしている独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の調査データがあります。1996年4月~2009年10月に、湯たんぽなどやカイロ、電気毛布などによる低温やけどの事故は、77件ありました。月別にみると、1月が最多で19件、次いで12月と2月が各10件、3月も9件ありました。
また、消費者庁の発表によると、湯たんぽによるやけどの事故は、09年9月~今年10月に240件ありました。このうち、低温やけどは少なくとも67件。消費者庁は「心地よく感じる程度の温度でも、皮膚の同じ部分が長時間接触していれば、やけどになることがあります」と注意を呼びかけます。高齢者に加え、幼い子どもも皮膚が薄く重症化しやすいため、気を付けたほうがいいそうです。
それでは、具体的にはどんなことに注意すればいいのでしょうか。磯貝さんは大きく3点あげます。
(1)湯たんぽはあらかじめ布団に入れておき、寝るときは足から遠ざける
(2)カイロは、寝るときにははずす
(3)もしやけどになってしまったら、なるべく早く医療機関を受診
睡眠薬をのんでいたために熟睡し、気付かないうちに低温やけどになった、という報告があるそうです。認知症など要介護の程度が重ければ、自力で動くことも難しい。そんな状況もありえます。こうしたケースでは「周囲や家族が気を付けてあげる必要があります」と磯貝さんは話します。
湯たんぽは「良眠」に効果的だそうです。
最近はレンジでチンするお湯を使わない簡易タイプも登場しています。
しかし、便利グッズにありがちなことですが、万能ではありません。
糖尿病で感覚が鈍っている方、脳梗塞などで足の麻痺があり熱いと感じても自分で動かせない方には注意が必要です。
■ 「低温やけど」にご用心 エコな湯たんぽも注意
(2018年01月04日 朝日新聞デジタル)
冷え込みが厳しい日が続いています。湯たんぽやカイロは手軽で使いやすく、愛用している人も多いのではないでしょうか。湯たんぽは、エコブームもあり、この季節、店頭でもよく見かけます。ただし、使い方を間違えると、低温やけどを招くこともあるようです。どんな注意が必要なのか、専門家に聞きました。
「低温やけどは、若い人よりも高齢者や糖尿病などの持病がある人に起きてしまうことが多い」。国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)の磯貝善蔵・皮膚科医長は、こう話します。
健康ならば、熱いと感じれば体をずらして避けようとすることができます。でも、糖尿病の神経障害で感覚が低下していたり、脳梗塞(こうそく)や骨折などで体を動かしにくい状態だったりすると、熱くてもそこから体をずらすことが難しくなります。このため、長い時間、湯たんぽなどに皮膚が触れた状態になりがちです。
一般的に皮膚が損傷を受けるのは、
・60度であれば5秒ほど
・50度で2~3分
・44度で3~4時間
ーとされています。
低温やけどは、温度が低い分、皮膚が接する時間が長くなり、やけどがじわじわ進み、深いところまで達しやすい、という特徴があるそうです。
最初は皮膚の変化も目立たなかったり、痛みも弱かったりするため、自覚に乏しく、受診まで時間がかかることが多い、とのこと。でも、受診したときには、皮膚の深い部分までやけどしていて、皮下組織が壊れ、手術が必要になることもあるそうです。
少し古いですが、製品事故の調査をしている独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の調査データがあります。1996年4月~2009年10月に、湯たんぽなどやカイロ、電気毛布などによる低温やけどの事故は、77件ありました。月別にみると、1月が最多で19件、次いで12月と2月が各10件、3月も9件ありました。
また、消費者庁の発表によると、湯たんぽによるやけどの事故は、09年9月~今年10月に240件ありました。このうち、低温やけどは少なくとも67件。消費者庁は「心地よく感じる程度の温度でも、皮膚の同じ部分が長時間接触していれば、やけどになることがあります」と注意を呼びかけます。高齢者に加え、幼い子どもも皮膚が薄く重症化しやすいため、気を付けたほうがいいそうです。
それでは、具体的にはどんなことに注意すればいいのでしょうか。磯貝さんは大きく3点あげます。
(1)湯たんぽはあらかじめ布団に入れておき、寝るときは足から遠ざける
(2)カイロは、寝るときにははずす
(3)もしやけどになってしまったら、なるべく早く医療機関を受診
睡眠薬をのんでいたために熟睡し、気付かないうちに低温やけどになった、という報告があるそうです。認知症など要介護の程度が重ければ、自力で動くことも難しい。そんな状況もありえます。こうしたケースでは「周囲や家族が気を付けてあげる必要があります」と磯貝さんは話します。