かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

もったいない、というのは簡単ですが、それを何とかするのは結構大変です。

2007-02-07 23:11:43 | Weblog
 昨日は全然違う話題を日記に記しておこうと思っていたのですが、つい「金さん」にのめりこんで、予定の文字数に達してしまい、書きそびれてしまいました。というわけで、一日遅れですがせっかくなのでちゃんと記録しておこうと思います。それは何かというと、野菜の産地廃棄を見直す、という農水省の方針転換のニュースです。キャベツとか白菜が有名ですけど、要は豊作で野菜が値崩れするのを防ぐため、出来すぎたときは収穫せずにトラクターで畑にすきこんでしまい、その分の損失を農家の積立金と国の出資金でつくった基金から助成する、という制度です。これに対し、消費者から農水省に、電話や電子メールで「もったいない」とか「教育に悪い」などの苦情や意見が130件を越える数届いているそうです。まあ確かにもったいない話ですし、私も何とかならないか、とは見て思うこともあるのですが、農家にしてみれば、出荷経費だけで赤字になるようなものを収穫して出すわけにもいかないわけで、いわば断腸の思いでトラクターを操作なさっているのですから、むげに非難や反対をするわけにもいきません。ところが苦情を言う消費者というものは、どうも農業がそれを営む人が生活の糧を稼ぐために行なっている一産業である、という認識が薄く、あたかも農家が道楽やボランティアで農業に従事しているかのごとく見ているような気がします。たとえば農薬に対する過剰反応などもそうで、農薬が結構馬鹿にならない経費を喰らう資材であることを理解せず、農家が少しでも農産物を高く売るために、やたらと農薬をかけまくっているかのような誤解をされている向きが少なからずあるようです。もちろん道楽ではないので赤字になるほど農薬を使うわけが無いのですが、そのことがなかなか腑に落ちないみたいです。でも、少なくとも資本主義を奉じる社会に生きる以上は、農産物を生み出す農家の汗と苦労以外に、どれだけのお金がその農産物にかかっているのか、農家が生産を続けるためにはどれだけの収益がその農産物で得られなければならないか、というような点についてもしっかり理解せねばならないと思うのです。
 その上で農水省が見直す、というのなら、それはそれですばらしいことだと思います。そもそも独立国家としては絶望的なまでの食料自給率に甘んじているわが国にとって、あたら食べられるものを無駄にしてしまうのは誠に遺憾というべきなのですから。第三者で構成する検討委員会を設立する方針だそうですから、是非皆が納得するうまい方策を練っていただきたいものです。ちなみに私には、残念ながら今のところ妙案は浮かびません。なにをするにせよ保存の利くものではないし、経費を念頭におくとなると、出来そうなことは限られてしまう気がするのです。一番いいのは消費者がたくさん取れたときはたくさんそれを食べてくれたらいいのですが、いっそ豊作の時は国民皆がキャベツや白菜の消費を義務付けでもしない限り無理じゃないでしょうか。


コメント
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