かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

国籍アメリカだし研究もほとんどアメリカでしているのに、何故この方を「日本の」ノーベル物理学賞受賞者、と呼ぶのでしょうか?

2021-10-05 19:19:52 | Weblog
 今朝の奈良市の最低気温は20.4℃、最高気温は29.2℃、五條市の最低気温は16.6℃、最高気温は29.1℃でした。今日も引き続き良い天気でした。朝は快晴、昼はところどころにのどかな雲が浮いて徐々に流れていくという、なんとも牧歌的で、仕事がなければ、木陰でぼぅっと空を見上げていたかったような空模様でした。気温もそこそこ上がりましたが、なんとまだ職場近くの山林から、ツクツクボウシのちから一杯の鳴き声が聞こえてきました。まあ10月にしては異例な高気温の日中だとは思いますが、まだ蝉が鳴くのか、と驚いた次第。しかし、気象庁の長期予報によると、気温が高いのは10月までで、11月以降はいきなり平年を下回る低温に見舞われる模様。このところ季節の移り変わりがスイッチを切り替えるように突然変化するので目が回る思いがしますが、秋から冬もある日突然寒々と変化するのかもしれません。10月のうちに冬服を出して準備しておかないと、いきなり今日から厳寒です、なんてことになりかねません。

 さて、またノーベル賞の季節がやってきましたが、物理学賞にアメリカ・プリンストン大学上席研究員の真鍋淑郎氏が選ばれたそうです。御年90歳での受賞という、やっぱりノーベル賞は長生きしてなんぼだな、と思わされる受賞劇だったのはともかくとして、元は日本人であれ、現在は既にアメリカ国籍を持ち、その業績たる研究のほぼ全てをアメリカで行ってきたヒトを取り上げて、『日本の』ノーベル物理学賞の受賞者、というふうに祭り上げるのは正直どうなんでしょうか? せめて受賞した業績が日本での研究成果とかであればいいんですが、少なくとも私が見た報道内容にはそのようなことは触れられていませんでしたし、真鍋氏の経歴を見る限り、1958年から1997年までずっとアメリカで研究されていますから、一番研究者として脂の載った時代をアメリカで過ごしておられます。1997年から2001年までのわずか4年間、宇宙開発事業団・海洋科学技術センター地球温暖化予測研究領域長として日本で活動されていますが、今回の成果がその4年間の日本時代のものというわけではないでしょう。真鍋氏が優れた研究者であり、ノーベル賞を受賞するに足る業績を上げてこられたことは文字通り素晴らしいことだと思いますが、真鍋氏の研究拠点がその最初からアメリカであった事自体、少なくとも気象学という分野においては、既に半世紀も前から日本の研究環境の不味さや貧困さが露呈していたのではないかと疑わずにはおれません。そしてそれは今や科学分野全てに渡っていることは周知の事実で、のんびり愛媛県出身のアメリカ人がノーベル賞受賞した、と脳天気に喜んでいる場合ではないと私は思います。

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