この小品で、「麗しき、夢」シリーズもようやく完結いたしました。
私は、長編短編を問わず、その内容はは必ず読み切りにして、創作したキャラや設定は二度使いしない、というのを意識してやってきました。「麗夢」には原作が構築している世界があり、その世界を大切にして壊さないようにするためには、勝手にレギュラーキャラを増やして話を作らないようにする、というのが大事だと思っているからです。だからなのか、基本的に私は、別作品とのカップリングというのもあまり好きではありません。それぞれの作品にはそれぞれの世界観があり、それをごっちゃにして楽しむ、というやり方は、どうも私にはなじめないのです。ところが、この「麗しき、夢」だけはその考え方を少々捻じ曲げて、お話の都合上創作したサブキャラクターをそのまま使い続けるという形になりました。これは、原作における智盛と夢御前様の話があまりに短く、ある程度こちらで肉付けしないと話にならなかったという作品構成上の計算と、自分でも思っても見なかったほど、この連作にのめりこんでしまうという誤算との結果です。つくづく、自分は「夢隠 首無し武者伝説」がすきなのだな、と改めて感心してしまいますが、その一方で平家物語や歴史絵巻も好きなので、あまりにそれを無視した話作り、というのもできかねました。この最後の1篇は、原作にあった智盛東征伝説、そして部下背任説を、そんな歴史的背景に矛盾することなく、どう形にするか、という一点に絞ったまさにつめの一手だったと自分では思うのですが、エンターテイメントでそこまでこだわる自分の頑固さに、あきれつつもちょっと誇らしく思ったりもしないでもない、病膏肓にいることを証明したお話でもあります。だから、この一連の作品について、色々ありましたが総じて作者としては満足しています。
ただ、一点この「麗しき、夢」シリーズに作者として痛恨の極みだったのは、全体を通してどうにも暗いというか、悲劇が悲劇のまま最後まで行ってしまった、ということです。もともと平家物語自体が悲劇的なお話ですし、その背景で話を作ると、それは悲劇しか生み出せないでしょうが、同人としてならもっと何かやりようがなかったのか、と忸怩たる思いが禁じえないのです。悲劇がダメ、というわけではないのですが、やっぱり自分としては、自分が作るお話はハッピーエンドでケリをつけたい、と言う気持ちが強くでます。だからこそ、夢御前様と智盛卿のお話は、更にエンターテイメント性を高めた形で、全く新しいシリーズとして書くことが出来たら良いな、と昔から考えてました。絢爛たる平安絵巻のなかで、麗夢と智盛をもっともっと思い切りいちゃつかせて上げたいですし。このシリーズの設定をそのまま使い、延長線上に話を作るべきか、あるいは全く一から描き直すか、多分書き直したほうが何かと都合がいいように思うのですが、アルファ、ベータの代わりの伊呂波、仁保平や、築山公綱といったキャラはなかなか捨てがたい魅力がありますし、それらを活かしながらとにもかくにももう少し二人の幸せな時間を描き出すことが出来たら良いな、と今回読み返しながら思いました。
・・・まあいつ実現するか判りませんけど(苦笑)。
私は、長編短編を問わず、その内容はは必ず読み切りにして、創作したキャラや設定は二度使いしない、というのを意識してやってきました。「麗夢」には原作が構築している世界があり、その世界を大切にして壊さないようにするためには、勝手にレギュラーキャラを増やして話を作らないようにする、というのが大事だと思っているからです。だからなのか、基本的に私は、別作品とのカップリングというのもあまり好きではありません。それぞれの作品にはそれぞれの世界観があり、それをごっちゃにして楽しむ、というやり方は、どうも私にはなじめないのです。ところが、この「麗しき、夢」だけはその考え方を少々捻じ曲げて、お話の都合上創作したサブキャラクターをそのまま使い続けるという形になりました。これは、原作における智盛と夢御前様の話があまりに短く、ある程度こちらで肉付けしないと話にならなかったという作品構成上の計算と、自分でも思っても見なかったほど、この連作にのめりこんでしまうという誤算との結果です。つくづく、自分は「夢隠 首無し武者伝説」がすきなのだな、と改めて感心してしまいますが、その一方で平家物語や歴史絵巻も好きなので、あまりにそれを無視した話作り、というのもできかねました。この最後の1篇は、原作にあった智盛東征伝説、そして部下背任説を、そんな歴史的背景に矛盾することなく、どう形にするか、という一点に絞ったまさにつめの一手だったと自分では思うのですが、エンターテイメントでそこまでこだわる自分の頑固さに、あきれつつもちょっと誇らしく思ったりもしないでもない、病膏肓にいることを証明したお話でもあります。だから、この一連の作品について、色々ありましたが総じて作者としては満足しています。
ただ、一点この「麗しき、夢」シリーズに作者として痛恨の極みだったのは、全体を通してどうにも暗いというか、悲劇が悲劇のまま最後まで行ってしまった、ということです。もともと平家物語自体が悲劇的なお話ですし、その背景で話を作ると、それは悲劇しか生み出せないでしょうが、同人としてならもっと何かやりようがなかったのか、と忸怩たる思いが禁じえないのです。悲劇がダメ、というわけではないのですが、やっぱり自分としては、自分が作るお話はハッピーエンドでケリをつけたい、と言う気持ちが強くでます。だからこそ、夢御前様と智盛卿のお話は、更にエンターテイメント性を高めた形で、全く新しいシリーズとして書くことが出来たら良いな、と昔から考えてました。絢爛たる平安絵巻のなかで、麗夢と智盛をもっともっと思い切りいちゃつかせて上げたいですし。このシリーズの設定をそのまま使い、延長線上に話を作るべきか、あるいは全く一から描き直すか、多分書き直したほうが何かと都合がいいように思うのですが、アルファ、ベータの代わりの伊呂波、仁保平や、築山公綱といったキャラはなかなか捨てがたい魅力がありますし、それらを活かしながらとにもかくにももう少し二人の幸せな時間を描き出すことが出来たら良いな、と今回読み返しながら思いました。
・・・まあいつ実現するか判りませんけど(苦笑)。
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