前戦カタルーニャでオリベイラが優勝した折、KTMのピットではまるでテストライダーのペドロサが勝ったかのように
彼を称え、彼に割れんばかりの拍手を贈っていた。
優勝したオリベイラもクルーに迎えられる折、真っ先にペドロサの元に駆け寄り「ダニのお陰で勝てた」と礼を言う。
正直、今までこれほどテストライダーが注目されることも珍しいと思う。
そんな「侍」ダニ・ペドロサ。
ホンダから侍が去った2018年の翌年2019年に、その侍がホンダのV型4気筒RCV機と特性が良く似た
KTMのRC16機のテストライダーに就任した折、個人的には「コレってKTMもペドロサも本気だわ」と思ったと記憶する。
彼がRC16機に初めて乗った時の感想は厳しいものだったと聞く。その振動は酷く決して勝てるバイクではないと。
体格的には相当不利な状態でGPを戦ってきた彼が先ず目指したのは「〇〇に特化」したマシンではなく
全てにおいて優れたマシンを開発することらしい。
その「〇〇に特化」とは、マルケスにしか乗りこなせないRCV機のような「ライダー特化」であったり、
このサーキットだけは速いみたいな「コース特化」であったり、コーナーリングは速いだのストーレートは速いだの
そんな特化全てを否定し「全てにおいて万能なマシンを開発すること」らしい。
果たしてそんなマシンを造れるのか?と思うのが普通であるものの、彼なら出来るのでは?と思ってしまう不思議さ。
160センチにも満たない体で、車重160キロに300馬力ものエンジンを積み350キロものスピードで走る化け物を
史上最も美しいと言われたライディングフォームで、まるで教科書のような走りをみせる彼だけには出来るかもと。
一方のホンダ。その侍が去った後のホンダはというと「マルケスに特化」をし続けたツケが回ってきてこの有様です・・・。