下の写真は港で栄える地元TRGのその昔。
今も昔も、利権というものは「蔓延る」もので、さしずめ「海運」においても今でも、その名残がございます。
今回の主役は下の写真にも写る、1905年(明治38)築の「紐育(ニューヨーク)スタンダート石油倉庫
2棟続きの通称「赤レンガ倉庫」。
昭和に入り転売され、戦中は軍備倉庫として使われる。
その後、1951年(昭和26)、創業間もない地元海産物卸加工会社が購入。昆布の保管倉庫として使われる。
下の写真がその頃で、手前が「旧・敦賀税関」で奥にその倉庫が写る。
前記の通り、いつの世も利権はあり、ましてや地元TRGは原発の町。
計画の段階から既に利権が始まり、建設中まさにそれはピークに達する。案外、建ってしまうと
それは小さくもなるも、それでもそれは「蔓延る」。
その例たるものが、今回の主役「赤レンガ倉庫」。
因みに下の写真は現在の同じアングル写真。。。
※現在の港湾合同庁舎新築(昭和41年)に伴い、本来の歴史的価値のある建物は解体。
平成の時代になり建物の傷みも激しくなり、昆布貯蔵という特殊な倉庫故、維持管理費がかさむようになり
この、「海産物卸加工会社」は考える。。。歴史的価値があるのでは?市で買ってくれない?かと。
しかし、誰が観ても・・・って、建築士の端くれの私が観ても、地盤は不同沈下し構造体の
壁も一部落ち込み正直、こんなモノ?下手に買ったところで、後に掛かるであろうコストはとんでもない
金額になるのは見えみえ。。。普通、断ります。(一般常識のある者は)
そこで、又また考える「海産物卸加工会社」。
当時、商工会議所の会頭でもあった「海産物卸加工会社」代表。
「市で買ってくれないのであれば日本原電に買ってもらおう」(悪知恵ってのは、よくはたらくものです)
しかし、日本原電も考える。「こんなモノ?日本原電とは全く関係のないもの、そんなモノどうしようか・・・。」
そこで、又また考える。「あっ!市に寄付しよう」
そうすりゃ~、日本原電の点数も上がるし、後の維持管理費も心配しなくてよい。
ってなことで、2003年(平成15)先ずは「日本原電」が「海産物卸加工会社」から4億208万円で購入。
そして、地元TRGへ寄付。
この一連の売買から寄付、そして寄付を受けるという行為を一日でやってのける三者。
(商工会議所会頭の海産物卸加工会社&日本原電&TRG市)ある意味、凄い!法務局も含め(笑)
これで丸~く、納まりましたねぃ。海産物卸加工会社も大金が入ったし、日本原電も
地元との「共存共栄」の立場から点数も上がった。地元TRG市もタダで貰っちゃったし。
でも、ちょっと待ってください・・・。
さぁ~どうする、地元TRG市。こんなモノ?お荷物?を抱え込んで・・・。
そこで考えますTRG市。「何とか国の登録有形文化財に出来ないものか」
そうすれば、国や県からも税金を投入出来る筈・・・。
ハイっ、目出度く2009年(平成21)国の登録有形文化財に登録。(私が文化庁なら登録しませんがね、笑)
(良かったですねっ、民主党政権誕生前の原発立地様さまの自民党政権下の内で)
そんな「利権」によって生まれたプロジェクト「赤レンガ倉庫整備計画」。
2014年度、耐震工事及び鉄道と港のジオラマ展示やレストラン、市民ギャラリーへの改修工事費=約10億円。
その内、20%の2億円を地元TRG市が負担、残り8億円を国と県とが負担。
全て、我々の血税です。(地元市民に留まらず、県民、日本国民全ての)
こんな小さな、原発立地の港まちの商工会議所会頭の利権から始まり、市民どころか
県民、国民まで実は巻き込んでしまったプロジェクト。
果たして上手く行くもんなんですかねぃ・・・。
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