従姉妹たちと別れて向かったのは、安来市にある足立美術館。地元出身の実業家、足立全康(ぜんこう)氏が創設した山陰を代表する美術館で、120点にのぼる横山大観の作品を柱に、近代日本絵画の巨匠たちの作品や北大路魯山人の書・陶芸などを所蔵しています。
また特筆すべきは、海外のガーデン専門誌から世界一と評される日本庭園。「庭園もまた一幅の絵画」として観賞してほしいという創設者の思いを具現した5万坪に及ぶ大庭園です。
正面玄関から漆などの工芸品が展示された通路を抜けると、苔庭の隅で来館者を案内するかのように苔庭を指さす全康翁の銅像が出迎えてくれます。
杉苔を主体とした苔庭は、緩やかな曲線を描く苔と白砂のコントラストが見事です。
苔庭越しに見えるのは枯山水庭。
正面に枯山水庭を配したロビー。創設者の「庭もまた一幅の絵画である」という信念を具現化した空間です。
「枯山水」とは、水を用いないで自然の中の水の動き、すなわち山水を表現する日本庭園の様式のこと。足立美術館の枯山水庭は、中心に立石を配し、峻厳な山に見立てた石から流れ落ちる滝水が白砂の海へと流れ込む様子を表現しています。
庭園の背後の山々は借景。周囲の自然と調和したこの風景は、季節の移り変わりや光や陰の変化によって表情を変える生きた景色であり、「生の額絵」とも呼ばれます。
秋が深まると、山々の紅葉が彩りを添えます。(館内のポスターより)
足立美術館の庭園は、アメリカの専門誌『数寄屋リビングマガジン/ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング(Sukiya Living Magazine: The Journal of Japanese Gardening)』で、20年連続して日本一に選ばれています(ちなみに京都の桂離宮は第2位)。
遠くに目を凝らすと、一条の滝が岩肌を伝って流れ落ちています。「亀鶴の滝」と呼ばれる人工滝です。
それにしても、手入れの行き届いた庭木や岩々はもとより、芝生や苔にも白砂の上にも枯葉ひとつ落ちていない、見事なまでの美しさ。ただただ圧倒的されるばかりです。
地元安来市出身の彫刻家、冨田憲二作「雲」。
同じく冨田憲二の作品、「女と猫とヴィオロン弾き」。
床の間の壁をくり抜き、あたかも一枚の絵画が掛かっているかのように見せる「生の掛け軸」。
そんな仕掛けが随所にありました。
生の掛け軸の傍には、こぢんまりとした池庭。
たっぷり時間をかけて、20年ぶりの足立美術館を堪能しました。庭園だけしか写真は撮れませんでしたが、横山大観をはじめとする日本絵画の巨匠たちの作品、北大路魯山人らの書や陶芸のコレクションは素晴らしいものがあります。また、前回は見ることができなかった新館では、新進気鋭の画家による現代の日本画を数多く展示しており、こちらも見ごたえたっぷりでした。
また特筆すべきは、海外のガーデン専門誌から世界一と評される日本庭園。「庭園もまた一幅の絵画」として観賞してほしいという創設者の思いを具現した5万坪に及ぶ大庭園です。
正面玄関から漆などの工芸品が展示された通路を抜けると、苔庭の隅で来館者を案内するかのように苔庭を指さす全康翁の銅像が出迎えてくれます。
杉苔を主体とした苔庭は、緩やかな曲線を描く苔と白砂のコントラストが見事です。
苔庭越しに見えるのは枯山水庭。
正面に枯山水庭を配したロビー。創設者の「庭もまた一幅の絵画である」という信念を具現化した空間です。
「枯山水」とは、水を用いないで自然の中の水の動き、すなわち山水を表現する日本庭園の様式のこと。足立美術館の枯山水庭は、中心に立石を配し、峻厳な山に見立てた石から流れ落ちる滝水が白砂の海へと流れ込む様子を表現しています。
庭園の背後の山々は借景。周囲の自然と調和したこの風景は、季節の移り変わりや光や陰の変化によって表情を変える生きた景色であり、「生の額絵」とも呼ばれます。
秋が深まると、山々の紅葉が彩りを添えます。(館内のポスターより)
足立美術館の庭園は、アメリカの専門誌『数寄屋リビングマガジン/ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング(Sukiya Living Magazine: The Journal of Japanese Gardening)』で、20年連続して日本一に選ばれています(ちなみに京都の桂離宮は第2位)。
遠くに目を凝らすと、一条の滝が岩肌を伝って流れ落ちています。「亀鶴の滝」と呼ばれる人工滝です。
それにしても、手入れの行き届いた庭木や岩々はもとより、芝生や苔にも白砂の上にも枯葉ひとつ落ちていない、見事なまでの美しさ。ただただ圧倒的されるばかりです。
地元安来市出身の彫刻家、冨田憲二作「雲」。
同じく冨田憲二の作品、「女と猫とヴィオロン弾き」。
床の間の壁をくり抜き、あたかも一枚の絵画が掛かっているかのように見せる「生の掛け軸」。
そんな仕掛けが随所にありました。
生の掛け軸の傍には、こぢんまりとした池庭。
たっぷり時間をかけて、20年ぶりの足立美術館を堪能しました。庭園だけしか写真は撮れませんでしたが、横山大観をはじめとする日本絵画の巨匠たちの作品、北大路魯山人らの書や陶芸のコレクションは素晴らしいものがあります。また、前回は見ることができなかった新館では、新進気鋭の画家による現代の日本画を数多く展示しており、こちらも見ごたえたっぷりでした。