台湾二日目は、台中市内の観光地を巡った後、台湾西部を走る高速道をさらに南下するスケジュール。この日も長距離移動が続きます。
最初に訪ねたのは台中市内の寶覺禅寺(宝覚寺)。1927年(昭和2)、日本統治時代に建立されたお寺です。
元々の本堂は中央に見える木造部分。老朽化が進んだため、外側に大きな石造りの建物(大雄寶殿)が増築されました。立て替えないで外側を覆うという発想が何ともユニークです。
本堂の前には二体の白い象(お釈迦様の化身だそうです)。その外側には日本式の灯篭が置かれています。台湾の寺院なのに、どこか日本の古寺のような佇まいでした。
宝覚寺は、台湾仏教の寺院であると同時に、日本の臨済宗妙心寺派のお寺でもあるそうです。そんなところから、台湾と日本が融合したような雰囲気が感じられるのかもしれませんね。
本堂から右奥にすすむと、高さ30mと巨大な大仏様が鎮座しています。大仏とは言っても、奈良や鎌倉の大仏とはずいぶん趣が異なり、どう見ても七福神の「布袋様」。台湾では、「布袋様」は「弥勒仏」の化身というのが通説で、この大仏様も台湾では「弥勒仏像」と呼ばれているのだそうです。台座には「皆大歓喜」の文字。民を喜ばせるために建立されたものなんですね。なんともにこやかな笑顔で、見ていると幸せな気分になりました。
日本軍として太平洋戦争を戦った台湾人戦没者の慰霊塔。日本海軍軍人としてフィリピンで戦死された、李登輝元総統の兄上もここで慰霊されているとのことでした。
また、このすぐ横には日本統治時代に台湾で亡くなった日本人の慰霊碑があります。戦後、日本人共同墓地が廃棄されそうになった時、宝覚寺がここに移設し、今も毎年慰霊してくれているそうです。
その後、高速道路で台南へ。
台中と高雄の中間、台北からだと約300㎞南に位置する台南市は、17世紀にはオランダが台湾統治の拠点とした都市。その当時は北部の開発は進んでおらず、台湾と言えば台南を指していたそうです。
アジアの国々の例にもれず、バイクの数が半端なく多かったです。でも、15年前に見たベトナムほどの喧騒はなく、整然と走っていました。
台南市の延平郡王祠(えんぺいぐんおうし:イェンピンジュインワンツィー Koxinga Shrine)は、台湾の民衆から敬愛される鄭成功(てい せいこう)を讃える歴史的な祠堂。明朝の軍人だった鄭成功は、17世紀台湾を支配していたオランダを駆逐した英雄です。これにより、38年間に及んだオランダの台湾統治は終焉を迎えました。
鄭一族が台湾を統治したのは3代23年間という短い期間でしたが、辺境の地を開拓し、台湾の歴史と文化発展の礎を築いたとして「開山王」とか「開台聖王」と称えられています。ちなみに鄭成功は長崎県平戸生まれで、母親は日本人。7歳まで日本で過ごした彼は、その後大陸に渡り、明朝で頭角を現したのだそうです。
親愛の情を込めて台湾の人々に「開山王廟」と呼ばれる延平郡王祠。大勢の市民がスケッチブックを開く日常の風景にも、そんな市民の思いを感じました。
この日のランチは、台南市内の客家(はっか)料理の店「美濃客家菜」。「客家」は外来者とかよそ者を意味し、元々は華北(中国北方)に住んでいた漢民族が、戦禍を避けながら、長い年月をかけて華南やシンガポール、台湾に流れてきたことからそう呼ばれるようになったのだそうです。
そう聞くと歴史から取り残された民族のように感じますが、あにはからんや、鄧小平を始め中国革命の錚々たる元老たち、中華民国建国の父と慕われる孫文や妻の宋慶齢、元台湾総統の李登輝、シンガポール建国の父 リー・クワンユーなど、歴史に名を刻む人物を輩出してきました。団結心や進取の気性に富み、文化や伝統を守り、教育を重んじ、勤勉で政治への関心が高い、優れた民族性を今なお保つと言われています。
それはさておき、美濃客家菜でのランチは全般的に私たちの口に合うものが多く、ツアーの食事の中でもかなり高評価でした。
この店も台湾ビールですが、「クラシック」という銘柄があったのでそちらを注文。普通の台湾ビールよりもコクが感じらました。
また写真は撮り忘れましたが、最初に出されたメンマがことのほか美味しく、ビールにぴったりの先付けになりました。台湾中部はタケノコの産地で、メンマは名産品の一つなのだそうです。私も自分用に買って帰りました。
立ち上る湯気とともに運ばれてきた中華ちまき。
しっかり味が染みていて美味しいです。
胡麻豆腐とナス。豆腐の上に載っているのはピーナッツ……だったかな?
大きな饅頭の皮のようなものが出されました。
とろとろに煮込まれた豚のバラ肉。
このバラ肉と、一緒に運ばれた高菜漬けに似た「梅菜(メイツァイ)」を饅頭の皮に包んで食べます。「刮包」という代表的な客家料理だそうですが、日本の角煮まんにそっくり。
外はカリッと、中身はねっとりジューシーだった肉団子の揚げもの。見た目より数段美味しかったです。
魚のつみれや野菜のスープ。
ほろほろにやわらかい白身魚が豆腐の上に載った料理。
フルーツの後に出されたデザート。白と茶、どちらも真ん中あたりはカリッと固い食感でした。
台湾二日目の午後は、高雄市にある近代鉄道遺跡「旧鉄橋空中歩道」や蓮の花咲く蓮池譚、高雄市の少し南の古い町 屏東(ぴんどん)を訪ねました。それらについては、また日を改めてアップします。
最初に訪ねたのは台中市内の寶覺禅寺(宝覚寺)。1927年(昭和2)、日本統治時代に建立されたお寺です。
元々の本堂は中央に見える木造部分。老朽化が進んだため、外側に大きな石造りの建物(大雄寶殿)が増築されました。立て替えないで外側を覆うという発想が何ともユニークです。
本堂の前には二体の白い象(お釈迦様の化身だそうです)。その外側には日本式の灯篭が置かれています。台湾の寺院なのに、どこか日本の古寺のような佇まいでした。
宝覚寺は、台湾仏教の寺院であると同時に、日本の臨済宗妙心寺派のお寺でもあるそうです。そんなところから、台湾と日本が融合したような雰囲気が感じられるのかもしれませんね。
本堂から右奥にすすむと、高さ30mと巨大な大仏様が鎮座しています。大仏とは言っても、奈良や鎌倉の大仏とはずいぶん趣が異なり、どう見ても七福神の「布袋様」。台湾では、「布袋様」は「弥勒仏」の化身というのが通説で、この大仏様も台湾では「弥勒仏像」と呼ばれているのだそうです。台座には「皆大歓喜」の文字。民を喜ばせるために建立されたものなんですね。なんともにこやかな笑顔で、見ていると幸せな気分になりました。
日本軍として太平洋戦争を戦った台湾人戦没者の慰霊塔。日本海軍軍人としてフィリピンで戦死された、李登輝元総統の兄上もここで慰霊されているとのことでした。
また、このすぐ横には日本統治時代に台湾で亡くなった日本人の慰霊碑があります。戦後、日本人共同墓地が廃棄されそうになった時、宝覚寺がここに移設し、今も毎年慰霊してくれているそうです。
その後、高速道路で台南へ。
台中と高雄の中間、台北からだと約300㎞南に位置する台南市は、17世紀にはオランダが台湾統治の拠点とした都市。その当時は北部の開発は進んでおらず、台湾と言えば台南を指していたそうです。
アジアの国々の例にもれず、バイクの数が半端なく多かったです。でも、15年前に見たベトナムほどの喧騒はなく、整然と走っていました。
台南市の延平郡王祠(えんぺいぐんおうし:イェンピンジュインワンツィー Koxinga Shrine)は、台湾の民衆から敬愛される鄭成功(てい せいこう)を讃える歴史的な祠堂。明朝の軍人だった鄭成功は、17世紀台湾を支配していたオランダを駆逐した英雄です。これにより、38年間に及んだオランダの台湾統治は終焉を迎えました。
鄭一族が台湾を統治したのは3代23年間という短い期間でしたが、辺境の地を開拓し、台湾の歴史と文化発展の礎を築いたとして「開山王」とか「開台聖王」と称えられています。ちなみに鄭成功は長崎県平戸生まれで、母親は日本人。7歳まで日本で過ごした彼は、その後大陸に渡り、明朝で頭角を現したのだそうです。
親愛の情を込めて台湾の人々に「開山王廟」と呼ばれる延平郡王祠。大勢の市民がスケッチブックを開く日常の風景にも、そんな市民の思いを感じました。
この日のランチは、台南市内の客家(はっか)料理の店「美濃客家菜」。「客家」は外来者とかよそ者を意味し、元々は華北(中国北方)に住んでいた漢民族が、戦禍を避けながら、長い年月をかけて華南やシンガポール、台湾に流れてきたことからそう呼ばれるようになったのだそうです。
そう聞くと歴史から取り残された民族のように感じますが、あにはからんや、鄧小平を始め中国革命の錚々たる元老たち、中華民国建国の父と慕われる孫文や妻の宋慶齢、元台湾総統の李登輝、シンガポール建国の父 リー・クワンユーなど、歴史に名を刻む人物を輩出してきました。団結心や進取の気性に富み、文化や伝統を守り、教育を重んじ、勤勉で政治への関心が高い、優れた民族性を今なお保つと言われています。
それはさておき、美濃客家菜でのランチは全般的に私たちの口に合うものが多く、ツアーの食事の中でもかなり高評価でした。
この店も台湾ビールですが、「クラシック」という銘柄があったのでそちらを注文。普通の台湾ビールよりもコクが感じらました。
また写真は撮り忘れましたが、最初に出されたメンマがことのほか美味しく、ビールにぴったりの先付けになりました。台湾中部はタケノコの産地で、メンマは名産品の一つなのだそうです。私も自分用に買って帰りました。
立ち上る湯気とともに運ばれてきた中華ちまき。
しっかり味が染みていて美味しいです。
胡麻豆腐とナス。豆腐の上に載っているのはピーナッツ……だったかな?
大きな饅頭の皮のようなものが出されました。
とろとろに煮込まれた豚のバラ肉。
このバラ肉と、一緒に運ばれた高菜漬けに似た「梅菜(メイツァイ)」を饅頭の皮に包んで食べます。「刮包」という代表的な客家料理だそうですが、日本の角煮まんにそっくり。
外はカリッと、中身はねっとりジューシーだった肉団子の揚げもの。見た目より数段美味しかったです。
魚のつみれや野菜のスープ。
ほろほろにやわらかい白身魚が豆腐の上に載った料理。
フルーツの後に出されたデザート。白と茶、どちらも真ん中あたりはカリッと固い食感でした。
台湾二日目の午後は、高雄市にある近代鉄道遺跡「旧鉄橋空中歩道」や蓮の花咲く蓮池譚、高雄市の少し南の古い町 屏東(ぴんどん)を訪ねました。それらについては、また日を改めてアップします。
今日は大阪も穏やかな天候に恵まれそうですね。
今年のGWはハワイと台湾が人気ですか。
まだ、短い日程でスケジュールできる国が行きやすいのかもしれませんね。
次は、できればハワイ……を目指して頑張ります (^-^)ゞ
azmさんも、楽しく充実したGWをお過ごしください。
このゴールデンウィークはハワイ、台湾、が人気のようです。やはりどちらもいいところですよね。お写真を拝見していると行きたくなります^_^
hirorinさんも台中まで足を延ばされたのですね。
そして、宝覚寺に行かれたのですね。
ほんとに大きな布袋様で、お寺の外からも目に入りました。
台湾統治時代に亡くなった日本人を慰霊してくれていると聞いて頭が下がる思いでした。
鄭成功さんのお母さん、田川マツさんとおっしゃる方なのですか。
「国姓爺合戦」も、お母さんのことも知りませんでした (^-^)ゞ
台湾料理は美味しいですよね。
特に、この客家料理は一番好みだったんです。
ずっと中華料理が続いたので、中には早く和食が食べたいという方もおられましたが、私は全然大丈夫でした。
道路事情は国によって様々ですね。
ベトナムのバイクの数といったら、一体どこからこんなに湧いてくるのかと驚くほど凄かったです。
ヨーロッパはまるで雰囲気が違いますが、自転車が優遇されていて、歩行者がその流れを妨げるのは厳しく戒められました。
日本でも近ごろは高齢者の暴走事故が頻発していますし、どこの国でも交通事情には注意しないといけませんね。
同じです~あの大きな布袋さんの像が、すごい。前で写真も撮りました。
日本人を祀ったお堂もあって、ありがたいですよね。
鄭成功、お母さんが長崎出身の田川マツでしたっけ?
解説してくださいました。
「国姓爺合戦」のモデルですよね。
ちまきが、おいしそう~
食べたいです~
あちらの食べ物、どれもおいしいですよね。
バイクが多くて怖かった。
そして、野犬も多くてかまれたら、どうしよう?と心配になりました。