今回のテーマは「建前と本音」。
古沢真琴(三津谷葉子)は、人はみんな建前ばかりだと思っている。
きれいごとばかりだと思っている。
例えば、オヤジ。
立派なことを言っていてもオヤジは結局、金でカラダを求めてくる。
武田真実(伊藤英明)も立派なことを言いながら、自分のAVを見ている。
(真琴はそれを確かめるために武田を誘惑し、AVをプレゼントした)
だから人を信じられない。
信じられないから孤独だ。
孤独だから自分を確かめたくて、ヒリヒリするような過激なことをする。
この真琴に対する九頭(豊川悦司)の言葉が素晴らしい。
今までのドラマの主人公なら、「世の中は建前ばかりの人間ではない。もっと人を信じなさい」と言う。
しかし、九頭先生は違う。
「建前があるのが人間なんだ」
「自分の弱いところを建前で隠している」
「みんなが本音で生きていたら、世の中は大変なことになる」
解説するとこういうことだ。
オヤジは援交したいという本音を持っている。
でも「援交はいけないことだ」という建前を持つことで、かろうじて自分を律している。
みんなが本音で生きていたら、社会の秩序なんかなくなってしまう。
九頭先生の言葉を借りれば
「わさびばかりの寿司は食えない」
わさびとは本音のこと。
寿司ネタ(建前)にほんの少しわさび(本音)があるから味わいがある。
なるほど。
そして、さらに九頭先生は真琴にこう諭す。
「人は必死で建前ぶちたてて、自分のいろんな気持ちに折り合いつけているんだ。他人の弱いところを責める前に自分が強くなれ!」
これはこういうこと。
建前なんかを持たなくても揺るがない自分自身を持て。
他人の建前などを責めていても何も生まれない。
建前はいろいろあっていいが、これだけは譲れない強い信念を持てということ。
また、九頭先生が「子供は嫌いだ」という理由はここにある。
「子供は純情でバカだから嫌いだ」
純情とは「人の心が美しいこと」を信じていること。
人の言っている建前を信じてしまうこと。
伊藤英明演じる武田は子供だ。
真琴は美人局をしているのに、そんなことをしていないという彼女の言葉を信じている。
真琴も実は子供だ。
人はきれいごとの建前ばかりと言っておきながら、実はきれいごとがあると信じている。
あると信じているから、裏切られて傷ついてしまう。
だから、九頭は子供はうっとうしくて嫌いだと言っている。
「弁護士のくず」はオトナの作品だ。
美しい愛を描かない。
現実と妥協半分の愛を描く。
★研究ポイント
テーマ:建前と本音
★名セリフ
「バカを利用して、おまえは賢く生きればいいよ」
※これも九頭が真琴に諭したせりふ。
バカとは真琴が正しいと信じている武田のこと。
真琴のリアクションは?
九頭が真琴に初めて会って一言
「もっと巨乳だったらよかったのに」
★名シーン
須永(小川直也)に拉致された真琴。
このままではヤク漬けにされてウリをさせられてしまう。
そこへ助けに現れる九頭先生。
「刑法224条 拉致監禁は懲役××年……」と法律をまくし立て須永たちをビビらせて、お前は誰だと聞かれると
「法律に詳しい区役所職員だ」と答える。
(九頭先生はキャバクラでは区役所職員ということになっている)
ここで部屋の電気が消え、暗闇のどさくさに紛れて須永にナイフを突きつける。
身の危険を察した須永が真琴から手を引くと言うと
「ついでに俺の行きつけのキャバクラからも手を引け」と言う。
(九頭先生行きつけのキャバクラでは須永が出入りするので客が減っていた。これでは店は倒産。お目当てのサクラちゃんに会えなくなる)
実にちゃっかりしている。
須永はその条件も飲み、九頭先生は外に出る。
そして電気が消えるタイミングが遅かったと言って友人の国光裕次郎(モト冬樹)に文句を言う。
「間が持たないから刑法言っちゃったよ」
※「刑法224条 拉致監禁は懲役××年……」とかっこよく大見得を切ったのは、間が持たなかったからなのだ。
★ディティル
九頭先生の通ってるキャバクラの名前は「ピンクの巨塔」。
「総回診」もある。
弁護士バッジをなくした九頭先生。
かわりは画鋲。
画鋲をスーツにセロテープでくっつけた。
国光とオセロをやっていた九頭先生。
黒白のコマで作っていた形はハートマーク。
★追記1
「人は自分の弱い所を建前で隠している」という考え方は九頭先生の法律の考え方にも繋がっている。
「人間は弱いから法律を持った。法律は弱い方に流されてしまう自分を律するために作られたもの」
例えばお金がないから人の物を盗んでしまえという弱い心を律する理由のひとつは、それをすれば罰せられるという法律があるからだ。
★追記2
ストーリー(公式HPより)
九頭(豊川悦司)と武田(伊藤英明)は、18歳の古沢真琴(三津谷葉子)を担当することに。真琴の男友達が、真琴に援助交際を迫る男性から金を強奪、その場に一緒にいただけで共犯扱いされたと涙を流し、不安な表情を見せる真琴に、武田は保護監察で済むよう全力を尽くすことを真琴に約束するが…。
一方、九頭はいきつけのキャバクラで、強面の須永(小川直也)が店長の真崎(北原雅樹)をおどして金を取っている姿を目撃する。
古沢真琴(三津谷葉子)は、人はみんな建前ばかりだと思っている。
きれいごとばかりだと思っている。
例えば、オヤジ。
立派なことを言っていてもオヤジは結局、金でカラダを求めてくる。
武田真実(伊藤英明)も立派なことを言いながら、自分のAVを見ている。
(真琴はそれを確かめるために武田を誘惑し、AVをプレゼントした)
だから人を信じられない。
信じられないから孤独だ。
孤独だから自分を確かめたくて、ヒリヒリするような過激なことをする。
この真琴に対する九頭(豊川悦司)の言葉が素晴らしい。
今までのドラマの主人公なら、「世の中は建前ばかりの人間ではない。もっと人を信じなさい」と言う。
しかし、九頭先生は違う。
「建前があるのが人間なんだ」
「自分の弱いところを建前で隠している」
「みんなが本音で生きていたら、世の中は大変なことになる」
解説するとこういうことだ。
オヤジは援交したいという本音を持っている。
でも「援交はいけないことだ」という建前を持つことで、かろうじて自分を律している。
みんなが本音で生きていたら、社会の秩序なんかなくなってしまう。
九頭先生の言葉を借りれば
「わさびばかりの寿司は食えない」
わさびとは本音のこと。
寿司ネタ(建前)にほんの少しわさび(本音)があるから味わいがある。
なるほど。
そして、さらに九頭先生は真琴にこう諭す。
「人は必死で建前ぶちたてて、自分のいろんな気持ちに折り合いつけているんだ。他人の弱いところを責める前に自分が強くなれ!」
これはこういうこと。
建前なんかを持たなくても揺るがない自分自身を持て。
他人の建前などを責めていても何も生まれない。
建前はいろいろあっていいが、これだけは譲れない強い信念を持てということ。
また、九頭先生が「子供は嫌いだ」という理由はここにある。
「子供は純情でバカだから嫌いだ」
純情とは「人の心が美しいこと」を信じていること。
人の言っている建前を信じてしまうこと。
伊藤英明演じる武田は子供だ。
真琴は美人局をしているのに、そんなことをしていないという彼女の言葉を信じている。
真琴も実は子供だ。
人はきれいごとの建前ばかりと言っておきながら、実はきれいごとがあると信じている。
あると信じているから、裏切られて傷ついてしまう。
だから、九頭は子供はうっとうしくて嫌いだと言っている。
「弁護士のくず」はオトナの作品だ。
美しい愛を描かない。
現実と妥協半分の愛を描く。
★研究ポイント
テーマ:建前と本音
★名セリフ
「バカを利用して、おまえは賢く生きればいいよ」
※これも九頭が真琴に諭したせりふ。
バカとは真琴が正しいと信じている武田のこと。
真琴のリアクションは?
九頭が真琴に初めて会って一言
「もっと巨乳だったらよかったのに」
★名シーン
須永(小川直也)に拉致された真琴。
このままではヤク漬けにされてウリをさせられてしまう。
そこへ助けに現れる九頭先生。
「刑法224条 拉致監禁は懲役××年……」と法律をまくし立て須永たちをビビらせて、お前は誰だと聞かれると
「法律に詳しい区役所職員だ」と答える。
(九頭先生はキャバクラでは区役所職員ということになっている)
ここで部屋の電気が消え、暗闇のどさくさに紛れて須永にナイフを突きつける。
身の危険を察した須永が真琴から手を引くと言うと
「ついでに俺の行きつけのキャバクラからも手を引け」と言う。
(九頭先生行きつけのキャバクラでは須永が出入りするので客が減っていた。これでは店は倒産。お目当てのサクラちゃんに会えなくなる)
実にちゃっかりしている。
須永はその条件も飲み、九頭先生は外に出る。
そして電気が消えるタイミングが遅かったと言って友人の国光裕次郎(モト冬樹)に文句を言う。
「間が持たないから刑法言っちゃったよ」
※「刑法224条 拉致監禁は懲役××年……」とかっこよく大見得を切ったのは、間が持たなかったからなのだ。
★ディティル
九頭先生の通ってるキャバクラの名前は「ピンクの巨塔」。
「総回診」もある。
弁護士バッジをなくした九頭先生。
かわりは画鋲。
画鋲をスーツにセロテープでくっつけた。
国光とオセロをやっていた九頭先生。
黒白のコマで作っていた形はハートマーク。
★追記1
「人は自分の弱い所を建前で隠している」という考え方は九頭先生の法律の考え方にも繋がっている。
「人間は弱いから法律を持った。法律は弱い方に流されてしまう自分を律するために作られたもの」
例えばお金がないから人の物を盗んでしまえという弱い心を律する理由のひとつは、それをすれば罰せられるという法律があるからだ。
★追記2
ストーリー(公式HPより)
九頭(豊川悦司)と武田(伊藤英明)は、18歳の古沢真琴(三津谷葉子)を担当することに。真琴の男友達が、真琴に援助交際を迫る男性から金を強奪、その場に一緒にいただけで共犯扱いされたと涙を流し、不安な表情を見せる真琴に、武田は保護監察で済むよう全力を尽くすことを真琴に約束するが…。
一方、九頭はいきつけのキャバクラで、強面の須永(小川直也)が店長の真崎(北原雅樹)をおどして金を取っている姿を目撃する。