平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

篤姫 第31回「さらば幾島」

2008年08月04日 | 大河ドラマ・時代劇
★まだ政治家でない天璋院
 今回は村岡を救え。
 だが大御台の力を持ってしてもなかなか難しいミッションらしい。
 まずは大御台が私的な事柄で動くことの困難。それが現在の徳川の方針に反することなら尚更のこと。
 家茂(松田翔太)に頼むことも出来たが、同じく将軍を私的なことで動かすことは出来ない。
 大老をも呼びつける力を持ちながら天璋院(宮崎あおい)は立場やしがらみでそれを行使できないのだ。
 結局、天璋院が婚礼の時に着たうちきを使って何とか救い出すことに成功するが、このエピソードをどう見るか?

 天璋院はまだ政治家でないのだ。
 個別の出来事には知恵を使って解決出来るが、大きな視点で人や物事を動かしていくことが出来ない。
 もし天璋院が政治家であり戦略家であれば、大奥を掌握しオモテにも人脈を作るなどして自分の意見が通る仕組みを作ったであろう。
 それは家定とハリスの閲見の時もそう。
 畳を高く積み上げるという対応は見事であったが、その場しのぎの知恵でしかない。

 思えば天璋院に大きな視点で方針を与えたのは、斉彬であり家定であった。
 斉彬は「慶喜を将軍にせよ」、家定は「国を開国派、攘夷派でふたつにしてはならない」。
 この方針を考えたのは斉彬であり家定である。
 ここに現在の天璋院の限界がある。
 現に今回、彼女は家茂にこうもらしている。
「何が正しくて正しくないかがわからない」
 義母である村岡を助けるという個別の判断は出来ても、幕府や日本をどうすればうまく保っていけるかは判断できない。
 これでは老獪な政治家・井伊(中村梅雀)に丸め込まれるのは当然。

 政治家・天璋院が誕生するのはいつの日か?
 あるいはこのままの感じで行くのかな?
 女性主人公の難しさはここにある。

★リセット!
 もうひとつのエピソードは「さらば幾島」。
 前半に登場した人物との関わりがすべてなくなった。
 かろうして残っている繋がりは家茂、滝山(稲森いずみ)。
 重野(中嶋朋子)も今後活躍しそうだが。
 史実とはいえ珍しい展開だ。
 製作側も視聴者も一から作っていくことになる。

 さてどの様に描かれるか?

コメント
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