平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒10 「贖罪」~「警察官だったのに、俺は……」

2011年10月20日 | 推理・サスペンスドラマ
★テーマは贖罪。
 罪を犯しても償わないヤツらがいる。何も感じないヤツらがいる。
 自殺した城戸充(池内万作)は、彼らのために15年を刑務所の中で過ごし、怒りと憎しみの中で死んでいったのに。

 彼らに比べると、神戸尊(及川光博)は健全だ。
 ラストの大河内(神保悟志)との短いフレーズを積み重ねた会話が泣ける。

神戸「どこまでやったら贖罪になるんですかね?」
大河内「お前が有罪にしたわけではない」
神戸「ですが、嘘をつきました」
大河内「しかし、裁判に影響を与えるような嘘じゃない」
神戸「やつの言い分を信用しようとしなかった」
大河内「誰もしようとしなかった」
神戸「犯人と決めつけていた」
大河内「みんな、そうだ」
神戸「信じてやるチャンスがあったのに」
大河内「今だから言えることだ」
神戸「やつが憎かった」
大河内「友達が殺されたんだ」
神戸「死刑判決を望んでいた」
大河内「当然の感情だ」
神戸「警察官だったのに、俺は。警察官だったのに……」

 人は誰でも間違う。
 しかし神戸のように思えるかどうかで、人間性は大きく違ってくる。
 神戸は今回の思いを刻み込み、より良い警察官になっていくだろう。

★そして今回の右京(水谷豊)。
 法律の専門家との対決で、手荒な手段をとった。
・根拠のない強盗致死罪をでっちあげての半ば脅迫の取引。
・証言の録音。
 敵が、<証言の否定><一時不再理>という法律の隙間をついてきたのだから、応じる方もそうするしかないのだ。
 右京の贖罪しないやつらへの静かな怒りを感じる。

★ドラマは中盤40分ぐらいから一気に加速してくる。
 前半は右京と神戸だけだったのに対し、中盤以降、角田課長(山西惇)、伊丹憲一(川原和久)、米沢守(六角精児)らお馴染みのメンバーが次々と登場する。
 この中盤からの加速がドラマとして心地いい。
 伊丹たちは刑事魂を発揮。
 真犯人と法律家軍団にカモられて、右京の手荒な手段に協力した。
 刑事部長からは何と「えん罪を認め、襟をただす態度が国民ウケする」といった発言!

 最後にもう一度<贖罪>。
 今の時代、あまりにも自分の罪を認めない輩が多すぎる。
 安易な安全設計に拠る原発事故も
 破綻した年金も
 守られないマニュフェストも
 これらに関わった方々は自分の罪を素直に認めてほしい。


コメント (4)
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