平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

夢の扉 20年後の君へ~物語として悪くない。でも、どこかウソっぽい。

2012年07月03日 | ホームドラマ
 佳乃 (原田美枝子)、大地 (田中圭)、麻理子 (忽那汐里)……困難に立ち向かいながらも夢を持って、実現しようとする人たち。
 それを見守り、時に助言や力を貸しながら助けようとする澤田雄一郎 (中井貴一)。

 物語としては悪くない。美しい。
 でも、どこかウソっぽい。
 実在の人物をモデルにしている作品だから、いずれも作りものでない事実なんだろうけど、どこか感情移入できない。
 というのは、世の中には彼らのように<夢を実現している人>など、ごくわずかだからだ。
 ほとんどの人は失敗して、妥協の中で生きている。
 夢をみようにもそれが見つからなかったり、生活に追われていてそれどころではない人がほとんどだ。

 夢が実現する佳乃、大地、麻里子を家族にしたのが失敗だったのかもしれない。
 澤田家の人間全員が何だかんだで成功するなんてウソっぽい。
 大地も麻里子も結構いい家の子で、高度な教育を受けていることも引っ掛かる。
 3人の夢が実現してしまうのが、2時間というドラマ時間の中というのも言葉足らずの原因だ。3人分を描かなくてはならないから、どうしても苦労して葛藤する部分が薄くなる。

 <夢>という言葉が白々しい。
 <夢>を語るドラマが薄っぺらく見える。
 むしろ失敗して挫折した人や日々を平凡に送っている人に共感してしまう。
 現代はそんな時代なのかもしれない。

 それとドラマの中で描かれるCM。
 雄一郎は飛行機の中で<端末タブレット>を使い、平八(平泉 成)は音声でメールの文章を入力する。大地の彼女の携帯は<雨雲が近づいています>と伝える。
 docomoの携帯はこんなにすごいんですよ、とCMしている。
 でも、こんなに便利すぎることが必要なのだろうか?
 逆に便利すぎる日本と、毎日の生活費が60円のバングラディッシュのギャップを感じてしまう。



コメント (2)
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