平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

主に泣いています~<村上春樹>よりは<水木しげる>に郷愁を感じる時代。

2012年07月08日 | 恋愛ドラマ
 世間一般の価値観では<美人はいいこと>だが、実際はそうではないらしい。
 街を歩けば、すぐに惚れられ、ストーカーされる。結果、日常生活ではお面をつけたりコスプレしたり。
 職場でも同様で、女性社員からは妬まれてハブされる。結果、会社をやめることになり職がない。
 では芸能界はどうかと言えば、あの世界は<腹黒でなければ生き残れない世界(笑)>なので、主人公・泉(菜々緒)には務まらない。

 なるほど、面白い設定ですね。
 ここには<美人=いいこと>という価値観の逆転がある。
 世間一般の人たちは、どこかコンプレックスのあるフツーの容姿をしていて、<美人=いいこと>と思っているから、主人公・泉が恵まれない生活を送っているのをみると、少し優越感に浸れる。

 価値観の逆転は、次のような所にも。
 登場人物たちが繰り広げる<辻仁成モード><村上春樹ワールド>。
 世間一般では<辻仁成>や<村上春樹>はお洒落。
 でも、これをパロディにして笑い飛ばしている。
 <辻仁成>や<村上春樹>って、結構恥ずかしいことじゃないかと笑いにしている。

 これらの背景には、作家さんの<美人><辻仁成><村上春樹>みたいなものへの怨念があるのかもしれない。
 これらのお洒落な世界よりは、<ブス>や土着的な<水木しげる><つのだじろう>世界の方が落ちつくみたいな。
 舞台が下町・向島なのもそんな作家さんの心情の表れか?

 作品のタイトルは『主に泣いています』。
 このタイトルに惹かれてしまうのはなぜだろう?
 今の時代は、<笑う華やかな世界>よりは<哀しい土着的な世界>の方がしっくりくるのかもしれない。
 人は今、泣きたいのかもしれない。


コメント
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