なるほど~、池端俊策さんはこれをやりたかったのか。
信長上洛後の権力闘争。
三好・織田・足利幕府の旧勢力(摂津晴門)の確執。
そして本圀寺の変。
面白かった。
何しろ光秀(長谷川博己)と将軍・義昭(滝藤賢一)のまわりには、権力亡者、悪いやつ、おかしなやつしかいないのだから。
三好は都で権力を取り戻すことを狙っている。
幕府の旧勢力・摂津晴門(片岡鶴太郎)は私利私欲に走り、織田を成り上がり者と蔑み、三好と手を結ぼうとしている。
信長(染谷将太)はズレ始めている。
まず、三好×摂津晴門のコラボはまずいな。
結局、元の木阿弥、悪政で混乱と疲弊の都に戻るだけ。
とは言え、信長も。
信長は権力を使うことに酔い始めている。
二条城の築城。
二ヶ月で城をつくるために近畿の大工・石工を総動員。
強大な権力を行使しなければできないことだ。
これを成し遂げれば、「すごい」「ありがとう」「頼りにしている」と言われるから信長は嬉しくてしょうがない。
信長は権力を使うことに快感を覚えている。
その権力のもとになっているのが『将軍の威光』。
「将軍の威光とは凄まじいものだな。わしの力ではここまで人は集まらぬ」
みたいなことを信長は光秀に言っていたが、権力を行使するには将軍の威光が必要であることに気づいた様子。
一方、そんな信長には「心」がない。
「大きな国」を造ることでは光秀と一致しているが、その中身はずいぶん違う様子だ。
光秀や義昭は「平和」「安寧」「慈愛」といった思いで「大きな国」をつくろうとしているが、
信長の場合は「光秀に言われたから」「褒められたいから」「次の目標が見つからないから」「いくさをしたいから」みたいな動機で動いてる。
その象徴が石仏に対する態度。
石仏を蔑ろにする信長は石仏が内包する「慈愛」や「安寧」や「民の祈り」みたいなものを理解していない。
合理的と言えばそれまでだが、信長の心の中心には何があるのだろう?
温かみがなくて、すごく空っぽな感じがする。
「空っぽな信長」「空洞な信長」
これはすごいコンセプトだなあ。
心細い義昭が信長の手を握って傾倒し、それを冷静に見ている光秀の対比も面白い。
義昭に感謝され、頼りにされて、信長はさぞ嬉しかったことだろう。
信長上洛後の権力闘争。
三好・織田・足利幕府の旧勢力(摂津晴門)の確執。
そして本圀寺の変。
面白かった。
何しろ光秀(長谷川博己)と将軍・義昭(滝藤賢一)のまわりには、権力亡者、悪いやつ、おかしなやつしかいないのだから。
三好は都で権力を取り戻すことを狙っている。
幕府の旧勢力・摂津晴門(片岡鶴太郎)は私利私欲に走り、織田を成り上がり者と蔑み、三好と手を結ぼうとしている。
信長(染谷将太)はズレ始めている。
まず、三好×摂津晴門のコラボはまずいな。
結局、元の木阿弥、悪政で混乱と疲弊の都に戻るだけ。
とは言え、信長も。
信長は権力を使うことに酔い始めている。
二条城の築城。
二ヶ月で城をつくるために近畿の大工・石工を総動員。
強大な権力を行使しなければできないことだ。
これを成し遂げれば、「すごい」「ありがとう」「頼りにしている」と言われるから信長は嬉しくてしょうがない。
信長は権力を使うことに快感を覚えている。
その権力のもとになっているのが『将軍の威光』。
「将軍の威光とは凄まじいものだな。わしの力ではここまで人は集まらぬ」
みたいなことを信長は光秀に言っていたが、権力を行使するには将軍の威光が必要であることに気づいた様子。
一方、そんな信長には「心」がない。
「大きな国」を造ることでは光秀と一致しているが、その中身はずいぶん違う様子だ。
光秀や義昭は「平和」「安寧」「慈愛」といった思いで「大きな国」をつくろうとしているが、
信長の場合は「光秀に言われたから」「褒められたいから」「次の目標が見つからないから」「いくさをしたいから」みたいな動機で動いてる。
その象徴が石仏に対する態度。
石仏を蔑ろにする信長は石仏が内包する「慈愛」や「安寧」や「民の祈り」みたいなものを理解していない。
合理的と言えばそれまでだが、信長の心の中心には何があるのだろう?
温かみがなくて、すごく空っぽな感じがする。
「空っぽな信長」「空洞な信長」
これはすごいコンセプトだなあ。
心細い義昭が信長の手を握って傾倒し、それを冷静に見ている光秀の対比も面白い。
義昭に感謝され、頼りにされて、信長はさぞ嬉しかったことだろう。