平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ファクトチェック!~学術会議は2007年から「答申」を出していないは、正しいようでいて間違い

2020年10月10日 | 事件・出来事
 学術会議任命拒否問題。

 フジテレビの上席解説員・平井文夫の件といい、
 これからはファクトチェックが必要な時代になって来た。

 自民党議員の発言として、テレビなどでよく紹介されている
『学術会議は2007年以降、答申を出していない』

 この発言を聞くと「学術会議はムダだ」「腐った利権組織だ」と考えてしまうが、
 実際は違うようだ。

 2007年の答申「地球規模の自然災害の増大に対する安全・安心社会の構築」以降、答申が出ていないのは事実だが、
 それは2007以降、政府から「諮問」が来ていないから。
 質問されていないのに答えを返すなんて出来るわけがない(笑)

 それに学術会議の分科会ではさまざまな「提言」「報告」がなされている。
 先月だけで25件。
 たとえば「社会と学術における男女共同参画の実現を目指して」といった提言。

 つまり前述の自民党議員の発言は、学術会議を悪者にするために、
「提言」「報告」という事実を隠して、「答申」がなされていないという事実だけを大きくクローズアップしている。
 政府から「諮問」がなかったことも省いている。

 テレビもなあ、ファクトチェックもせずに不十分な情報を垂れ流すなよ。
 電波料を上げられるかもしれないから忖度しているんだろうけど、ほんと劣化している。
 スポンサーは経団連関連の企業が多いし、電通案件もあるだろうから、それも影響しているのかな?
 …………………

『日本学術会議に10億円が投入されている』
 もファクトチェックする必要がある。

 まず10億のうちの約5億5000万は職員約50人の人件費や事務費。
 事務局職員は各省庁から派遣される国家公務員で、数年ごとに異動する。

 10億のうちの約1億円は国際的な学術会議の分担金に計上。

 会員の人件費は総額で7200万円。
 7200万円の内訳は210人の会員が総会や分科会に出るための日当で、
 会長は日額2万8800円、会員は日額1万9600円。
 会員210人に固定給はなく、元会員への年金制度もない。

 人件費には運営に協力する約2000人の「連携会員」の人件費が別途あって、
 その総額は約1億3000万円。

 会員、連携会員共に交通・宿泊費は別に実費精算され、その総額は1.4億円。

 さあ、これが高いか? 安いか?
 以前も書いたけど、
 日本のトップクラスの学者さんの日当が1万9600円は安いと思うけどね。
 人件費以外の予算も会計検査院が問題にしていないのだから、問題ないのでは?

 いずれにしても
『日本学術会議に10億円が投入されている』
 は情報として大まか過ぎる。
 その半分が事務官僚の人件費・事務費に使われていることや、学者さんの日当が1万9600円であることもいっしょに報道すべき。

 フェイクニュースやゴマかしが横行する社会。
 人は自分の信じたいものにしか耳を貸さない生き物だと思うけど、自戒したい。
 マスコミも自分の報道がどんな影響を及ぼすかを考えて報道して。
『菅義偉がパンケーキ好き』とかどうでもいいからさ。


※参照記事
 学術会議の実態は?固定給、年金なし…自腹出張も(東京新聞)

コメント (12)
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