平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

シティヒート

2007年09月24日 | 洋画
- goo 映画

 この作品は冒頭のシーンがいい。

 あるカフェに入ってくるスピア警部(クリント・イーストウッド)。
 街の娼婦たちが店を出て行く。
 店主は「長居されてて困ってたんだよ」とスピアに。
 このやりとりだけでスピアが警察官だということがわかる。
 普通なら「やあ警部、いらっしゃい」とでもいうせりふで説明する所だろうが、それをしないで説明している。
 そこへやって来るチンピラ。
 「マイク・マーフィーは来てないか」と店主に問う。
 新たな展開だ。
 マーフィ(バート・レイノルズ)はギャング組織とトラブルを抱えているらしい。
 そしてやって来るマーフィー。
 いきなりチンピラふたりと殴り合いを始める。
 マーフィは苦戦するが、スピアは黙ってコーヒーを飲んでいるだけ。
 止めようとも助けようともしない。
 このリアクションでスピアのキャラクターがわかる。
 苦戦しているマーフィはスピアに言う。
 「知らない仲じゃないんだから、見てないで助けろよ」
 これでマーフィとスピアが知り合いであることがわかる。
 しかし、こう言われても助けないスピア。
 これでふたりの間に何か因縁があることがわかる。
 
 多くを語らないで見る者に想像させる。
 見事な人物関係描写だ。
 結局、スピアはチンピラにコーヒーをこぼされて戦いに参加する。
 スピアが戦ったのは穏やかなコーヒータイムを邪魔されたから。
 見事なキャラクター描写だ。

 こういう緊張感と密度のある1シーンを見せられると、ワクワクしてくるのだが、よかったのはこのシーンのみ。
 物語は裏帳簿をめぐる街の2大ギャングの争奪戦にふたりが絡んでいく展開になるのだが、冗長。
 この作品の製作は1985年。
 今のテンポに比べると遅く映像の迫力も違う。

※追記
 「フェーム」のアイリーン・キャラが歌手役で出ていた。




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