平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

軍師官兵衛 第41回「男たちの覚悟」~無謀! 無謀! 無謀!

2014年10月13日 | 大河ドラマ・時代劇
「また官兵衛か。また小言か」
 耳に痛い話を聞かされるので、官兵衛(岡田准一)を遠ざけたい秀吉(竹中直人)。

 こうなると、逆効果ですよね。
 秀吉は完全に聞く耳を持たなくなってしまう。
 官兵衛の苦言が正論であるだけに言えば言うほどするほど、頑なになる。
 官兵衛はちょっとストレート過ぎる。

 自分に酔いたい秀吉。
 それに水を差す官兵衛。

 小西行長が、朝鮮の使節についてウソの報告をしたのも面白い。
 今や秀吉は恐怖の存在なんですね。
 こうなると組織はもろくなる。
 なぜなら部下は上司に良い報告しかしなくなるから。
 上司はその偽りの報告を聞いて、物事を判断するからさらに間違う。

 安倍さん、あなたの所にあがっている経済報告はかなり盛ってますよ。
 実際の国民の生活は、円安と消費税でかなり苦しいのに、官僚は良い報告しかしない。
 あるいは、安倍首相は良い報告にしか耳を傾けない。

 三成(田中圭)は典型的な官僚タイプ。
 権力者の指示に唯々諾々と従う。
 権力者にへつらうために良いことしか報告しない。
 自分の地位保全のためにライバルを蹴落とす。
 今回のことで言えば、大徳寺の利休像など、利休をおとしめるさまざまな発言。

 この作品は、類型的ではありますが、<権力者>と<官僚>というのを見事に描いていますね。

 さて、利休(伊武雅刀)。
 この利休の立場を現在に例えれば、大学教授とかがなる<有識者>ってやつですかね。

 そして、官兵衛以上にストレートな苦言を言ったのが、利休だった。
 利休は秀吉に最後まで謝罪せずに、死を選ぶ。
 命を賭けた訴えをおこなう。

 この命がけの訴えは、鶴松の死を経た秀吉に歪んだ形で届いたようだ。
「利休を死なせるべきではなかった。天罰じゃ」
 利休の訴えは<天下万民が心安らかに暮らせる政治を行いなさい>というものだったが、秀吉には<天罰>としか響かなかった様子。

 そして、鶴松を失った秀吉の心の穴を埋めるためにおこなったのが、朝鮮と明の征服。
「わしには何もない。望みもすべて消えてしもうた」
「このこと以上に望みはない。明国を我がものとするのじゃ」
 確かに人は何を失った時、別のもので穴埋めしようとするものですが、権力者のそれは甚だ迷惑。

 イエスマンばかりを集めた暴走する権力者。
 もはや官兵衛にも制御不能のようだ。

 

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2 コメント

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背負わされてばかり (TEPO)
2014-10-13 12:53:06
ひたすら「秀吉」を背負わされる官兵衛。そして背負わせる人たちは官兵衛に後を任せて去って行く。

以前からおねに頼られていたのはまだいい-この人はこれからもずっと味方でいてくれるでしょうから。
今回秀長と利休が官兵衛に後事を託して世を去って行きました。
特に利休。
齢70歳ということで充分に生き、やりたいこともやったので、この辺で秀吉に見切りをつけ「あの世」に難を避けることにした、といった雰囲気でした。
喰えない人・家康に至っては、「殿下の手綱を頼む」と背負わせておいて、自分は局外に身を避けて保身を決め込みます。

「軍師」らしくなってからの官兵衛、明るい表情は「中国大返し」の頃くらいで、その後はひたすら仏頂面の連続。
来週は三成の「蹴落とし」をもろに喰らうようですし、辛い場面ばかりですね

そうした中、ただ一人楽しんでいるのは「俳優・竹中直人氏」くらいでしょうね。
時折まともな顔もみせながら、派手に壊れてゆく権力者。
演じていてこれほど楽しい役柄は無いと思います。
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孤軍奮闘! (コウジ)
2014-10-14 08:44:06
TEPOさん

いつもありがとうございます。

秀吉の暴走と豊臣の分裂を憂う官兵衛、利休、秀長。
一方、<自分は局外に身を避けて保身を決め込む>家康。
家康は豊臣家のこの状況をほくそ笑んでいるんでしょうね。
一方、おっしゃるとおり、「秀吉」を背負わされる官兵衛は大変。以前は思いを同じくする仲間もいたのに、ひとり去りふたり去りで、今、残っているのはおねのみ。

竹中直人さんの秀吉の演技はすごいですよね。
これに引っ張られて、官兵衛の岡田准一さんの演技も凄みが出て来た。
役者冥利に尽きるとは、まさにこのことですよね。

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