義経(菅田将暉)はいくさの天才なんですね。
戦場を見ただけで、どう攻めればいいかがすぐわかる。
だから軍議をする板東武者たちが愚鈍に見えてしょうがない。
ただすぐれた戦術家であっても人間としては未熟。あるいは子供。
その象徴的なシーンが兄弟で話をするシーンだ。
頼朝(大泉洋)が語ることに、いちいち「違います」「私ではありません」と否定する。
今は寛容だが、いずれ頼朝は気を悪くして義経を遠ざけるようになるだろう。
政子(小池栄子)に膝枕を求めるのも子供。
政子はこれを可愛いと思っているようだが。
義経は戦略家でもない。
戦略家とは政治・経済・人心・敵の情勢など、あらゆることを大局的を見て判断する人物を言う。
頼朝がそうだ。
一方、戦術家はいくさの現場の優秀な指揮官。
これが義経。
頼朝はまず自分の地盤を固めることに専念して、すぐ京に攻め上ろうとしない。
足場を固めるため、家人の支持を得るため、佐竹攻めに取りかかる。
頼朝は待つことができる。
これが戦略家だ。
それは藤原秀衡(田中泯)にも言える。
平家と頼朝を天秤にかけ、両方にいい顔をして勝てそうな方につこうとする。
待つことができる秀衡もまた戦略家なのだ。
一方、義経ははやく京に攻め上りたくてしょうがない。
戦術家としては上総広常(佐藤浩市)と義経を比べてみるのがいいかもしれない。
上総は「しなくてもいい、いくさ」を知っている。
敵のトップをだまし討ちで斬り、内通者をつくり、内部崩壊させて勝つ。
ずるいが、被害を最小限にする勝ち方だ。
一方、義経はまっすぐで好戦的。
ただ戦術が天才的だから、少ない被害で面白いように勝てる。
上総と義経はいずれ対立していくのだろう。
大庭景親(國村隼)が上総に言った最期の言葉が思い出される。
「あの時、頼朝を殺しておけばよかたと思う時があるかもしれんな、上総」
そんな中、主人公・義時(小栗旬)はすぐれた調整役だ。
「若造は口を挟むな」と言われて口をつぐむ義経に対し、「何かおっしゃりたいことがあるのではありませんか?」と話を振り、義経の披露した戦術に関しては「官服いたしました」と言う。
組織にはこういう調整役が必要なんですね。
義時はその性格もあるが、あくまでナンバー2、補佐役に徹している。
一方、八重(新垣結衣)には何とも思われていない様子。
女心にも疎くて、草もちやきのこを渡しても、あまり喜ばれていないのに有頂天になる。
おまけに草もちが原因で三浦義村(山本耕史)は腹を壊していくさに参陣できなくなってしまう。笑
戦場を見ただけで、どう攻めればいいかがすぐわかる。
だから軍議をする板東武者たちが愚鈍に見えてしょうがない。
ただすぐれた戦術家であっても人間としては未熟。あるいは子供。
その象徴的なシーンが兄弟で話をするシーンだ。
頼朝(大泉洋)が語ることに、いちいち「違います」「私ではありません」と否定する。
今は寛容だが、いずれ頼朝は気を悪くして義経を遠ざけるようになるだろう。
政子(小池栄子)に膝枕を求めるのも子供。
政子はこれを可愛いと思っているようだが。
義経は戦略家でもない。
戦略家とは政治・経済・人心・敵の情勢など、あらゆることを大局的を見て判断する人物を言う。
頼朝がそうだ。
一方、戦術家はいくさの現場の優秀な指揮官。
これが義経。
頼朝はまず自分の地盤を固めることに専念して、すぐ京に攻め上ろうとしない。
足場を固めるため、家人の支持を得るため、佐竹攻めに取りかかる。
頼朝は待つことができる。
これが戦略家だ。
それは藤原秀衡(田中泯)にも言える。
平家と頼朝を天秤にかけ、両方にいい顔をして勝てそうな方につこうとする。
待つことができる秀衡もまた戦略家なのだ。
一方、義経ははやく京に攻め上りたくてしょうがない。
戦術家としては上総広常(佐藤浩市)と義経を比べてみるのがいいかもしれない。
上総は「しなくてもいい、いくさ」を知っている。
敵のトップをだまし討ちで斬り、内通者をつくり、内部崩壊させて勝つ。
ずるいが、被害を最小限にする勝ち方だ。
一方、義経はまっすぐで好戦的。
ただ戦術が天才的だから、少ない被害で面白いように勝てる。
上総と義経はいずれ対立していくのだろう。
大庭景親(國村隼)が上総に言った最期の言葉が思い出される。
「あの時、頼朝を殺しておけばよかたと思う時があるかもしれんな、上総」
そんな中、主人公・義時(小栗旬)はすぐれた調整役だ。
「若造は口を挟むな」と言われて口をつぐむ義経に対し、「何かおっしゃりたいことがあるのではありませんか?」と話を振り、義経の披露した戦術に関しては「官服いたしました」と言う。
組織にはこういう調整役が必要なんですね。
義時はその性格もあるが、あくまでナンバー2、補佐役に徹している。
一方、八重(新垣結衣)には何とも思われていない様子。
女心にも疎くて、草もちやきのこを渡しても、あまり喜ばれていないのに有頂天になる。
おまけに草もちが原因で三浦義村(山本耕史)は腹を壊していくさに参陣できなくなってしまう。笑
いつもありがとうございます。
調整役・義時。
地味ですが、そんな人物が苦悩しながらもトップに上りつめていく。
いいドラマになりそうですね。
同時に源平の栄枯盛衰の目撃者にもなる。
義経はKYという形で振り切りましたね。
決して貴公子のヒーローとしては描かない。
そのKYぶりが悲劇を招く。
義経は愛を求めていただけなのに。
今後、義経がどのように描かれ、義時がどう関わるのか、楽しみです。
おそらくこれが本作のメイン・コンセプトなのでしょうね。
ただし、現時点における義時の立ち位置はまだ「ナンバー2」などではなく、「将軍」(ただし近代的軍隊における)の「副官」といったところでしょう。
彼よりも序列が上の存在はいくらでもいます。
先週までは孤独をかこっていた頼朝は、今や弟たちに囲まれでいます。
義時も「弟」(義弟)には違いありませんが、実弟たちに比べればあくまでも彼らに「準ずる」存在。
また、部将たちの間にあっては、頼朝の実弟義経を「小僧」呼ばわりする上総広常のような実力者もいます。
こうした人々が次々に排除されてゆき、やがて義時は本当の「ナンバー2」、さらには将軍をもしのぐ「てっぺん」に立つようになってゆくわけです。
しかし、おそらく義時は彼ら「ライバル」たちを「蹴落とす」のではなく、義時が「調整しきれなくなって」彼ら自身のせいで自滅してゆく、という描き方になるのではないかと思います。
現に、義経は義時が懸命に調整を試みる中、案の上のKYぶりを発揮しています。