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圧倒的多数予想裏腹日米株価急騰の背景

2016-12-10 08:01:44 | 植草一秀氏の『知られざる真実』




植草一秀の『知られざる真実』

マスコミの伝えない政治・社会・株式の真実・真相・深層を植草一秀が斬る



植草一秀の『知られざる真実』 | 2016年12月 9日 (金)




圧倒的多数予想裏腹日米株価急騰の背景

2017年の経済金融変動を読み解くための

TRIレポート『金利・為替・株価特報』

年次版にあたる新著

『反グローバリズム旋風で世界はこうなる』(ビジネス社)

本体価格1500円、税込1620円

の販売が開始された。

本書表紙カバーには

日経平均2万3000円NYダウ2万ドル時代へ!

と大書きされている。

本書オビには、

トランプ・ショックで「成長・株高」時代到来世界経済金融変動予測実績No.1の「ウエクサTRIレポート」最新版!
2017年、株価再躍動

とある。

米国大統領選では、メディア予測を覆してドナルド・トランプ氏が当選した。

本ブログ、メルマガでは、9月28日付記事

「ヒラリーが大統領に就任できない可能性」

「日本に良いのはトランプそれともクリントン?」

に、トランプ選出の可能性が低くないことを記述している。

メディアは大統領選と金融市場の反応について、

トランプ当選=ドル安=株安

クリントン当選=ドル高=株高

と決めつけてきたが、トランプ氏が当選したあと、NYダウは史上最高値を更新し続けて1万9000ドルを突破。

2万ドルが視界に入ってきた。

日経平均株価も年初来高値を更新し、12月9日には、一時1万9000円台を回復した。

本書は米大統領選後の金融市場変動を予測して執筆したものだが、これまでのところ、想定通りの変動が生じている。

株式市場では4、5年に一度の頻度で「大相場」が示現するが、その端緒が垣間見られている。

日本経済新聞などは、クリントン氏当選を見込み、トランプ氏当選で経済も金融も崩壊との見解を示していたが、選挙直後にドル高、株高が観測されて慌てふためいていた。

その後は、早々に、トランプラリーも終焉との見通しを紙面で展開したが、これと裏腹に株価上昇が続いている。

6月の英国EU離脱国民投票の際も、「この世の終わり」といった論説が展開されたが、裏腹に、英国株価は史上最高値を更新。

英国経済も好調を持続している。

昨年から今年にかけて中国株価が下落した際には、

『中国バブル崩壊』

などの書物まで出版して、

「人民元の切り下げに端を発した世界同時株安

―中国政府の統制がきかず、経済がクラッシュする「悪夢」が現実のものとなったとき、世界は、日本はどうなるのか」

などと不安心理を煽り立てたが、中国経済の崩落は生じていない。

経済金融の洞察は極めて難しく、連戦連勝というわけにはいかないが、2013年から刊行されてきた本シリーズの経済見通しは、過去4年間の変動を相当程度的確に的中させ続けてきた。

だからと言って、2017年の見通しが的中する保証はどこにもなく、政治と同じく、経済金融変動も「一瞬先は闇」の側面がある。

兜の緒を締め直さねばならないのだが、2016年の変動を綿密に検証することによって、経済金融の変動が、いかなるメカニズムで生じているのかを知ることができる。

本書のなかで詳しく解明しているが、各種経済統計データ、経済変動、政策変動と整合的に、金融市場変動が生じていることが手に取るように分かる。

バラバラのジグソーパズルが美しい一枚の絵に仕上がるような爽快感がある。

過去を説明できたからと言って、未来を確実に予測できるわけではない。

しかし、経済金融変動のメカニズムを解明することによって、未知の未来、まだ生じていない未来の予測をある程度の精度をもって行うことができるのだ。

出版界では、どうしても人の目を惹くような大きな話がもてはやされやすいが、経済金融市場で100年に1度の危機が毎年発生することは、人々にとってありがたいことではない。

とはいえ、経済は生きものであるから、必ず変動を示すものである。

穏やかな変動もあれば、荒々しい変動もある。

そして、何より、人々が、この停滞する日本経済のなかで生きてゆくためには、資産防衛も図らねばならない。

政府によるインフレ誘導で虎の子預金を紙くずに変えられてしまうことへも備えなければならない。

経済金融変動分析という知的好奇心を満たすためにも、また、激動の現代を生き抜くための知恵を得るためにも、本書を活用いただければ、著者として最大の喜びである。






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