国政縮図の静岡県知事選と偽装CHANGE勢力
7月5日、大型地方選第4弾となる静岡県知事選が投票日を迎えた。
自公・民社国・第三極・共の四者が闘いを演じている。
焦点は第三極の影響だ。第三極候補は元民主党参議院議員である。私もこの候補の後援会で講演したことがある。
民社国が候補者を一本化していれば、民社国が問題なく当選している。しかし、一本化は成功しなかった。第三極からの立候補は、民社国候補の得票を減らす効果を有する。つまり、第三極の立候補は自公候補の援護射撃の意味合いが極めて強い。
政権交代、日本政治刷新を望む有権者は、民社国候補に投票しなければ、その目的を実現することができないことを熟慮すべきである。
第三極候補の応援に渡辺喜美氏が駆け付けた。本ブログで警告を呼びかけ続けている「第三極」=「偽装CHANGE新党」の効果が、静岡県知事選で測られることになる。
偽装CHANGE勢力は、①小泉竹中一家、②小泉チルドレン、③官僚OBの会、④自民別働隊の地方首長グループ、⑤市場原理主義者、に存立基盤を置く。
その主張は、①霞が関解体、②地方分権、③市場原理主義、に特徴がある。
①霞が関解体、と②地方分権、は民主党の提案の二番煎じである。この主張を掲げるなら、民主党に合流すれば良いはずである。それを、民主党に合流せずに「第三極」とするところがみそである。
「偽装CHANGE勢力」は「天下り根絶」を実行しないと思われる。「偽装CHANGE勢力」の中核に位置すると見られる中川秀直氏は、小泉政権の中枢にいるときに、天下り根絶に前向きの姿勢をまったく示さなかった。小泉竹中政権は、財務省を基盤に置く政権で、財務省の権益拡大に熱心だったのだ。いまさら、「天下り根絶」と言っても私はまったく信用しない。
繰り返すが、「偽装CHANGE勢力」創設の狙いは、国民の投票が民主・社民・国民の野党に集中することを阻止することにある。野党による過半数獲得を阻止できれば、自民を軸にする連立政権を樹立することが可能になる。
「偽装CHANGE新党」は自民党と連立を組んで、これまでの「政官業外電=悪徳ペンタゴン政治」を継続するのだ。
2007年の政治家別政治資金収入金額ランキングは以下の通り。
1中川秀直(自) 4億4955万円
2亀井静香(国) 3億7725万円
3平沼赳夫(無) 2億9512万円
4古賀 誠(自) 2億7879万円
5山田俊男(自) 2億7695万円
6松木謙公(民) 2億7695万円
7森 善朗(自) 2億7021万円
8麻生太郎(自) 2億3383万円
9鳩山邦夫(自) 2億3182万円
10鳩山由紀夫(民) 2億2194万円
鳩山由紀夫氏の政治資金が問題にされているが、政治資金を最も多く集めているのは自民党の中川秀直氏である。
「偽装CHANGE新党」の基本政策は、「市場原理主義」である。セーフティネットを破壊し、弱肉強食を奨励し、弱者を切り捨て、格差社会を形成してきたのが「市場原理主義」である。
民主党内に市場原理主義者が存在することが、民主党の最大の問題であり、政権交代実現後にこれらの反党分子を除去することが求められる。
静岡県の有権者がこの基本構造を見抜くことができるかどうかが問題になる。日本の政治を刷新するには、「偽装CHANGE新党」ではなく、民・社・国の野党勢力が衆議院の過半数を確保し、本格的な政権交代を実現しなければならない。
テレビ朝日は、「偽装CHANGE新党」を全面支援しているように見える。フジサンケイグループ、日経グループも積極支援している。目的は、「悪徳ペンタゴンによる利権政治の死守」である。
テレビ朝日は連続ドラマ「官僚たちの夏」の放映を始める。官僚を美化するドラマだが、官僚OBによる「偽装CHANGE新党」を援護するものであると考えられる。
また、テレビ朝日は、石原裕次郎氏の23回忌法要を放送し、石原プロダクション作品を積極的に放送している。石原慎太郎都政を問う7月12日の東京都議選への支援活動であると解釈することができる。
マスメディアは、自民党の二階俊博氏、与謝野馨氏などの政治資金疑惑をまったく追及せず、鳩山由紀夫氏の政治資金問題だけを追及している。
また、何の意味もない地方知事の何の意味もない行動に公共の電波が占領され続けている。
日本は前近代国家だから、野党が総選挙で勝利するハードルはイランよりも高いと考えられるが、心ある国民が力を結集して、このハードルを越えなければならない。それにしても、総選挙を目前にしたこの時期のマスメディア偏向報道は目を覆うばかりである。私の言論活動を遮断することも卑劣である。
しかし、真実は必ず勝利しなければならない。
大型地方選第4弾の静岡県知事選は本日深夜には結果が明らかになる。静岡県の有権者が賢明な判断を示すことが望まれる。