連休の時間空間を知的充電のために活用する
安倍内閣はすべてのことがらを政治的に利用する。
10連休も国民の受けを狙った施策であろう。
平日が挟まれないために多くの支障が生じることも予想される。
統一地方選の告示と投票日の間に新元号発表を設定した。
主権者が政治についてじっくりと考察することを妨げるための日程設定である。
4月末に日米首脳会談を組み込み、5月末にはトランプ大統領の訪日が設定されている。
6月末には大阪でG20首脳会議が開催され、中国の習近平主席、ロシアのプーチン大統領との首脳会談も予定されている。
これらの日程を背景にマスメディア報道は政権与党の露出を一気に拡大する。
重要な政治課題が横に置かれ、選挙の投票率を引き下げ、政権与党と癒着して利権のおこぼれに頂戴する国民を選挙に総動員して国会議席の多数を占有し続ける戦術が浮かび上がる。
日本政治の刷新を求める主権者は、こうした策謀を踏まえて2019政治決戦に臨む必要がある。
連休は知的な蓄積を図る格好の時間を提供してくれる。
この時間を有効に活用する必要がある。
いくつかの書籍を紹介しておきたい。
手前味噌になって恐縮だが、最初に拙著
『国家はいつも嘘をつく--日本国民を欺く9のペテン』
(祥伝社新書)
https://amzn.to/2KtGR6k
を紹介しておきたい。
本書副題に「日本国民を欺く9のペテン」と記述しているが、「9のペテン」とは、
1「アベノミクス」の嘘
2「民営化」の嘘
3「働き方改革」の嘘
4「2020東京五輪」の嘘
5「日航ジャンボ機123便の嘘」
6「平和安全法制」の嘘
7「刑事司法」の嘘
8「TPPプラス」の嘘
9「消費税で社会保障」の嘘
である。
2019政治決戦の最大の焦点は消費税増税だ。
2019年10月に消費税率10%への増税が計画されている。
安倍内閣は「消費税で社会保障拡充」と説明してきたが嘘である。
「消費税で国民生活破壊」が真実だ。
「消費税増税を進めないと日本は財政破綻する」とも言われてきたが、これも嘘である。
財務省と安倍内閣は9つのペテンどころか「嘘八百」なのだ。
「働き方改革」と表現するから内容が分からなくなるが、労働規制改革の目的は労働コストの圧縮である。
企業が労働者を最小の費用で使い捨てにできるように制度変更が進められている。
「国家の嘘」を正確に把握して、日本政治を変えることに力を注ぐことが大切だ。
そのために知的な武装をすることが求められている。
鳩山友紀夫元首相は日本の政治構造を根底から変革しようとした。
本当の意味での「改革」を目指したのは鳩山内閣であった。
小泉内閣の「改革」は、ハゲタカ資本の利益極大化のための「改変」であって、主権者の利益を増大させるものではなかった。
メディアが小泉改革を持ち上げて鳩山改革をまったく伝えなかったのは、メディアがハゲタカ資本の手先だからである。
このような基本を押さえることが非常に大事になる。
その鳩山元首相が
『脱大日本主義』(鳩山友紀夫著、平凡社新書)
https://amzn.to/2RokgOq
と題する著書を刊行されている。
自分の筆で著書を出版する政治家は稀有である。
鳩山友紀夫元首相、山田正彦元農水相など、本当に数少ない政治家が自分の言葉で、自らの考えを公刊されている。
メディアの誘導に乗せられて鳩山元首相を批判する前に、鳩山元首相の著作を熟読するべきだ。
著書も読まずに、メディアが作る空気に乗せられて人物批判を行う風潮が現代日本政治凋落の原因になっている。