世界を統一し始めた、ナチス勢力
書籍紹介 : ハンス・ティートマイヤー「ユーロへの挑戦」京都大学学術出版会
著者のティートマイヤーは、93年から99年にかけドイツ連邦銀行総裁を務め、通貨ユーロの産みの親となり、現在はヨーロッパ決済銀行の副理事長を務めている、まさに通貨ユーロの運営主とも言える人物である。
長らく通貨ユーロ誕生の渦の中に居た著者だけあり、本書には「ヨーロッパ統一」を巡る各国の利害調整が最大の難事業であった事が詳細に語られている。これは、南北米大陸の統一通貨、アジア統一通貨を作る場合に非常に参考になる。
特に、統一通貨ユーロの誕生の背景には、51年に始まるヨーロッパ石炭鉄鋼共同体ECSC等の、「経済の実体部分」での50年間に及ぶ「一体化」の努力があった事を著者は強調している。実体経済の一体化なくしては、統一通貨は産まれない。通貨と言うものが「仮りの象徴、仮象」である事を、良く示している。
過去には、仮りにドイツが好景気でフランスの景気が悪ければ、ドイツに比べ、フランスが通貨フランの金利を下げ、銀行からの資金借入れを容易にし、ドイツ企業等の工場をフランスに誘致する等して、フランス経済を刺激する事が可能であったが、統一通貨になるとユーロの金利はヨーロッパで統一されるため、こうした金利政策が使えなくなる。従って、金利政策ではなく、景気の悪い地域に対し、統一ヨーロッパ政府による公共事業等の形で景気刺激を行う必要が出てくる。ヨーロッパ各国から取った税金により、仮りに、景気の悪い南部イタリアに対してだけ公共事業を行うなら、他の地域=スペイン等から当然異論が出るが、統一ヨーロッパ政府はそれを「押さえなくてはならない」。
統一通貨の背景には、強力な統一政府が必要になる。
極言すれば、アジア統一通貨にはアジア全域を支配するアジア帝国政府、南北米統一通貨には南北米帝国政府が必要であり、世界統一通貨には、世界を「単一に支配」する世界帝国政府が必要になる。
為替変動が無くなる統一通貨の利点はあっても、人類は本当に強大な世界単一帝国による支配を「望んでいる」のだろうか?
拙稿「ロックフェラー、ロスチャイルドは、単なる下僕」で示したように、この世界帝国を目指しヨーロッパ統一を行って来たのが、イスラエルの金融業界であった。その背後には「イスラエルを中心に世界を統一する」、「劣った有色人種を絶滅させる」と強硬に主張するキリスト教原理主義教会が存在する。
通貨統一を推進しているのが、こうしたナチス勢力であり、現実的に実現可能な「世界統一政府」は、ナチスの世界帝国以外の何物でも無い事実は、ほとんど気付かれていない。
キリスト教原理主義教会の宣教師達は、核兵器ミサイルを販売するヘリテージ財団のメンバーでもあるが、産業的にはヨーロッパ統一通貨ユーロは核兵器産業が推進して来た。ヨーロッパ原子力共同体EURATOMが、通貨ユーロの誕生を強力に推進して来た事は、余り知られていない。
その中核に居るのが、拙稿「ブット女史暗殺に関わる資金の動き?」で示した、フランス=イスラエルの軍事産業である。
世界帝国形成には強力な軍隊、強力な軍事産業が、その中核を「当然、占める」。
この軍事産業を金融面からコントロールしているイスラエル金融業界は、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクにヨーロッパの拠点を持ち、ベルギーのイスラエル系銀行ランベールが統一EUの本部事務所であった事は、既報の通りである。
本書でも、ティートマイヤーは通貨ユーロの誕生を巡り、その要職をベルギー、オランダ、ルクセンブルクの「貴族」達が担当し続けて来た興味深い事実を語っている。
拙稿「オランダ紀行1」で示したように、ネーデルラント貴族の出自と国際的ネットワークが、そのまま世界の金融秩序を形成している。
日本の郵便局の資金を、ブッシュ大統領=ロックフェラーの銀行ゴールドマンサックスに「無料提供」した小泉元首相の祖父が、ブッシュ大統領の祖父プレスコット・ブッシュと共同で貿易商社を経営するビジネス・パートナーであったように、本書に登場する人物達の血縁・人脈が、やがて世界帝国を形成する。
※・・著者のティートマイヤーは実務家であり、統一通貨についての理論的考察は、本書ではほとんど行われていない。それを補うものとしては、ツヴェタン・トドロフ「象徴の理論」法政大学出版局は良書である。
書籍紹介 : ハンス・ティートマイヤー「ユーロへの挑戦」京都大学学術出版会
著者のティートマイヤーは、93年から99年にかけドイツ連邦銀行総裁を務め、通貨ユーロの産みの親となり、現在はヨーロッパ決済銀行の副理事長を務めている、まさに通貨ユーロの運営主とも言える人物である。
長らく通貨ユーロ誕生の渦の中に居た著者だけあり、本書には「ヨーロッパ統一」を巡る各国の利害調整が最大の難事業であった事が詳細に語られている。これは、南北米大陸の統一通貨、アジア統一通貨を作る場合に非常に参考になる。
特に、統一通貨ユーロの誕生の背景には、51年に始まるヨーロッパ石炭鉄鋼共同体ECSC等の、「経済の実体部分」での50年間に及ぶ「一体化」の努力があった事を著者は強調している。実体経済の一体化なくしては、統一通貨は産まれない。通貨と言うものが「仮りの象徴、仮象」である事を、良く示している。
過去には、仮りにドイツが好景気でフランスの景気が悪ければ、ドイツに比べ、フランスが通貨フランの金利を下げ、銀行からの資金借入れを容易にし、ドイツ企業等の工場をフランスに誘致する等して、フランス経済を刺激する事が可能であったが、統一通貨になるとユーロの金利はヨーロッパで統一されるため、こうした金利政策が使えなくなる。従って、金利政策ではなく、景気の悪い地域に対し、統一ヨーロッパ政府による公共事業等の形で景気刺激を行う必要が出てくる。ヨーロッパ各国から取った税金により、仮りに、景気の悪い南部イタリアに対してだけ公共事業を行うなら、他の地域=スペイン等から当然異論が出るが、統一ヨーロッパ政府はそれを「押さえなくてはならない」。
統一通貨の背景には、強力な統一政府が必要になる。
極言すれば、アジア統一通貨にはアジア全域を支配するアジア帝国政府、南北米統一通貨には南北米帝国政府が必要であり、世界統一通貨には、世界を「単一に支配」する世界帝国政府が必要になる。
為替変動が無くなる統一通貨の利点はあっても、人類は本当に強大な世界単一帝国による支配を「望んでいる」のだろうか?
拙稿「ロックフェラー、ロスチャイルドは、単なる下僕」で示したように、この世界帝国を目指しヨーロッパ統一を行って来たのが、イスラエルの金融業界であった。その背後には「イスラエルを中心に世界を統一する」、「劣った有色人種を絶滅させる」と強硬に主張するキリスト教原理主義教会が存在する。
通貨統一を推進しているのが、こうしたナチス勢力であり、現実的に実現可能な「世界統一政府」は、ナチスの世界帝国以外の何物でも無い事実は、ほとんど気付かれていない。
キリスト教原理主義教会の宣教師達は、核兵器ミサイルを販売するヘリテージ財団のメンバーでもあるが、産業的にはヨーロッパ統一通貨ユーロは核兵器産業が推進して来た。ヨーロッパ原子力共同体EURATOMが、通貨ユーロの誕生を強力に推進して来た事は、余り知られていない。
その中核に居るのが、拙稿「ブット女史暗殺に関わる資金の動き?」で示した、フランス=イスラエルの軍事産業である。
世界帝国形成には強力な軍隊、強力な軍事産業が、その中核を「当然、占める」。
この軍事産業を金融面からコントロールしているイスラエル金融業界は、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクにヨーロッパの拠点を持ち、ベルギーのイスラエル系銀行ランベールが統一EUの本部事務所であった事は、既報の通りである。
本書でも、ティートマイヤーは通貨ユーロの誕生を巡り、その要職をベルギー、オランダ、ルクセンブルクの「貴族」達が担当し続けて来た興味深い事実を語っている。
拙稿「オランダ紀行1」で示したように、ネーデルラント貴族の出自と国際的ネットワークが、そのまま世界の金融秩序を形成している。
日本の郵便局の資金を、ブッシュ大統領=ロックフェラーの銀行ゴールドマンサックスに「無料提供」した小泉元首相の祖父が、ブッシュ大統領の祖父プレスコット・ブッシュと共同で貿易商社を経営するビジネス・パートナーであったように、本書に登場する人物達の血縁・人脈が、やがて世界帝国を形成する。
※・・著者のティートマイヤーは実務家であり、統一通貨についての理論的考察は、本書ではほとんど行われていない。それを補うものとしては、ツヴェタン・トドロフ「象徴の理論」法政大学出版局は良書である。