原油価格の下落がOPEC減産見送りによる影響で止まりません。NYダウもエネルギー関連株の急落につられ大幅下落です。ロシアにとっては原油安はルーブル安、金利高、株安に繋がります。翻って日本にとっては原油安はエネルギー価格の下落、円の安定、低金利、好企業業績です。しかし、庶民が原油下落の恩恵を享受出来るかは分かりません。政府が「デフレは悪い、インフレ2%を達成する」と目標を掲げているからです。インフレ率から考えられることは金融緩和は当面続くというよりこのままでは目標を達成できない可能性が出てきました。経済は外部要因に左右されてしまうからです。しかし、原油価格の下落・エネルギー価格の下落は生活コストの値下がりに繋がり暮らしが楽になり庶民にとっては良い話です。ロシアはルーブル安を止めるべくロシア中銀が金利引き上げに動くようですが、ルーブル下落の原因は原油安であり、金利引き上げは経済にとって狂気の沙汰です。バブル時代に一時『平成の鬼平』とマスコミにもてはやされ不必要な公定歩合引き上げを繰り返し日本経済を奈落の底に落とした三重野日銀元総裁が思い出されます。ロシア経済は政策金利引き下げの影響で来年に掛けかなり悪化するでしょう。産油国経済も同じです。来年は世界的に大波乱があるかもしれません。
以下コピー 12月10日(ブルームバーグ):ルーブル相場の安定を図る選択肢が尽きたロシア中央銀行が11日に利上げするとの見方が投資家の間で優勢だが、原油価格を見ると、利上げも役に立たない公算が大きい。
今日のチャートはルーブル(オレンジの線)が過去1年、北海ブレント原油価格(白い線)に追随して動き、そろって39%下落したことを示している。政策金利が引き上げられた時点を赤い丸で示したが、ルーブル相場に目立った反応は見られない。
ロシア中銀は11月に、ルーブル買い支えの介入を裁量的に行えるよう制度を変更するとともに、投機を阻止するため市場へのルーブル供給を絞ったが、ルーブル相場は原油安を追い掛ける動きとなっている。中銀は政策金利を今年既に4ポイント引き上げている。ブルームバーグが集計したエコノミスト27人の調査では中央値で、11日にはさらに0.5ポイントの利上げ10%にするとの予想が示された。