株の話③

2010年09月21日 | Weblog
まだまだ残暑が続いております。

なんだか亜熱帯気候のように思える位ですね・・・・

前回は、株式の投資の方法の1つとして「出来高」を取り上げさせていただきました。

今回は、信用取引のデータの活用方法について、お話してみたいと思います。
くれぐれも信用取引の奨めではないことだけは、最初にご理解をいただければと思います。

日本経済新聞に、毎週水曜日に、信用取引の残高が掲載されているのをご存じでしょうか。
または、インターネットの取引をされていらっしゃる方でしたら、株価のデータに表示があると思います。

信用取引というのは、お客様に一定の担保を入れていただき、その融資枠の範囲内で、株を購入するための融資を行ったり、株の貸付を行ったりする取引です。
簡単にいえば、株式売買を行うためのお金の借入のことです。

以上の内容を頭に入れて、お読みいただけたらと思います。

まず、お金を普通借りたら、期限になったら、または期限までに利息と元金を返済しますよね。ここ最近まで、消費者金融の違法な利息の返還の話題で、よくCMが流れています。

 信用取引もやはり期限が決まっていて、借りたお金や株券を利息をつけて返済するようになっています。
 その返済方法は、株を買うために借りたお金であれば、期限に株の購入代金を全額支払って返済するか、買った株を売却して換金して、借りたお金の差額を支払うかになります。
 株を借りた場合には、期限に株を借りた分だけ買って返すか、手元に同じ株があれば、それを返せばよいことになります。

 この信用取引が、株式市場に大きく影響が出てくる場合があります。
一般に、株価が上がる時には、利益を増やそうと、お金を借りて株を買う人が増えます。
もし、見込みとは逆に下がりますと、買った人はそのまま持つことになります。
そのまま期限になると、上記の返済方法を選択することになります。通常は、資金が潤沢でない人が多いので、買った株を売却して、差額を支払うことが多いです。

もし、そんな人が多い場合は、日経新聞の残高は、買い(融資)が多くなります。よって将来の値下がり要因になる可能性が高いです。よって、投資を控えるシグナルになります。

逆に相場が下がる場合は、どうでしょう・・・・
ちょっとわかりづらいかもしれませんが、他人から株を借りて、100万円で売ったとします。手元には100万の現金が残ります。株価が値下がりして、80万になった時に株の返済の期限がきましたので、手元の100万の中の80万で購入して返済しました。
手元に20万残りますね。
こんな取引が、株を借りる信用取引です。
株価が下がる時には、この取引が増える傾向があります。表示上は「貸株」の数が増えてきます。

もし返済期限や株価がなんらかの良い材料で反転した場合、どうなるでしょうか。
損失を被ったり、利益が減るのを嫌がるため、株を買って返済しようとする動きが増えます。つまり、株価が上がる要因となるケースが多いのです。

一般的に「融資」と「貸株」の残高が同じ数か「貸株」の残高が多い場合、株式市場に好材料が出た場合、上昇する可能性があると思います。逆に「融資」の残高が多い場合には、処分をしたい人が多いので、上昇しづらい傾向にあります。

これを利用して株式投資をしてみてもよいかもしれません。

ただ、「出来高」と同様、あくまでも一つのファクターにすぎません。それ以外の様々なファクターを検討する必要があります。
ただたくさんの銘柄から狙いを絞る一つのツールとして見てみてはいかがでしょうか。

それでは、季節の変わり目となってまいりますが、体調に十分気をつけられて、お過ごしください。

健坊