数字ではみえないもの

2019年06月10日 | 日々のできごと

みなさまこんにちは。

突然ですが、みなさま試算は得意ですか?

 

企業において、設備投資や不動産投資、または人への支出をするときは、試算をすることが多いです。

 

これらの試算は実際にやってみると、計算通りにいかないことも多々ありますが、

ある程度は数値化することが可能です。

 

ただし、「人」に関することについては試算できません。

 

人を雇う際に、給与や福利厚生費、教育費等のコストを見積もることは簡単です。

その人が会社にもたらす収益も、営業マンのように数値が明確にでるような職種であれば

ある程度は数値化することができます。

 

しかし、その人が会社や周りの社員に与える影響や貢献度は数値で測れるものではありません。

 

例えば、釣りバカ日誌の主役「ハマちゃん」について考えてみましょう。

建設大手の営業マンとして働くハマちゃんは、勤務時間中はほとんど居眠りか釣り具のメンテナンスをして、遅刻や早退は当たり前、有給休暇は全部消化、架空の忌引き休暇まで申請し、行く先々でトラブルを起こす、表面だけ見ると典型的なダメ社員です。

 

もしハマちゃんへの投資を数値だけで表すと、大赤字となるでしょう。

(ハマちゃんは釣りの人脈でときどき、とんでもない大口契約をとってくるので、実は黒字かもしれませんが・・・)

 

それでも社長のスーさんがハマちゃんをクビにしないのは、ハマちゃんが数値では測れない何かを持っているからです。

持ち前の明るさで職場の空気を和ませたり、釣りの人脈で取引先との関係性を構築したりと、数値化できない貢献をしています。

 

この逆も然りです。

 

例えば、経費削減をすることで、様々な経費の節減について、数値化することは簡単ですが、経費削減のやりすぎや強要によって低下する社員のモチベーションは数値化できません。

 

また、人員を減らして、人件費を削減できているように見えても、それ以上に周りの社員が疲弊していることもあります。

 

以上のように、「モノ」に関することと比べて、「人」に関することは数値で試算することは難しいです。

 

私たちは仕事柄、数値を使って様々な試算をし、提案をさせていただきますが、それだけで判断してしまうと、後々思いがけない結果を招くことになりかねません。

 

数値だけでなく、お客様ひとりひとりに寄り添って、真剣に考えて一緒に悩みを共有することが大切だと感じています。

                                                 

                                                  監査部 K・N