福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

虚空藏菩薩能滿諸願最勝心陀羅尼求聞持法

2020-09-13 | 諸経
虚空藏菩薩能滿諸願最勝心陀羅尼求聞持法 (出金剛頂經成就一切義品)大唐中印度三藏善無畏奉制譯 

爾時、薄伽梵、諸波羅蜜平等性三摩地に入り、定より起き已りて、即ち此の能滿諸願虚空藏菩薩最勝心陀羅尼を説きて曰く「のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おんありきゃ まりぼり そわか」
薄伽梵言く、此の陀羅尼は是れ過去現在一切諸佛の同じく説きたまふ所なり。若し能く常に此の陀羅尼を誦する者は無始より來の五無間等の一切罪障悉く皆な銷滅す。常に一切諸
佛菩薩の共に護念することを得る。乃至、未だ成佛せざるより來た所生之處、虚空藏菩薩恒に隨って守護し、諸有情をして常に見ることを樂ねがはしむ。諸有およそあらゆる善願滿足せざることなし。一切苦患皆悉く銷除し、常に人天に生まれ惡趣に堕さず。生生之處常に宿命を憶す。設ひ如法ならずとも但し常によく誦せば獲福如是ならん。若し如法に此の陀
羅尼を持し求聞持せんものは、當に絹素白氎(びゃくじょう)或は淨板上において先ず滿月を畫き、中に虚空藏菩薩像を畫け。其量下至一肘には減ぜざれ。或は復た此れに過ぐるも、其の力辦に任せよ。菩薩と滿月との増減は相ひ稱かなはしめよ。身を金色に作せ。寶蓮華上に半跏に坐せ。右を以て左を壓し、容顏殊妙に熙怡喜悦之相を作せ。寶冠上において五佛像あり。結加趺坐す。菩薩の左手は白蓮華を執れ。微紅色に作せ。華臺上に如意寶珠あり。吠琉璃色(青色)にして黄光發焔す。右手は復た與諸願印と作せ。五指を垂下し掌を現はし向外す。是れ與願の印相なり。像を畫き了已らば、當に空閑寂靜之處において、或は淨室・塔廟・山頂・樹下に在りて、隨ひて一處にありて其像を安置す。面は正しく西に向かへ、或は北に向ぐべし。淨物で之を覆へ。別に一の方なる木曼茶羅を作れ、下至一肘にせよ。此れに過ぐるも亦た任せよ。其壇下に四足を安け。或は以って編附けよ。上面は地を去ること恰も四指なるべし。其の板、若しは檀沈を用ひて作らん者は最も殊勝と為す。爾らざれば或は柏等有香之木を以て之を爲すも亦た得。如法に作し已らば像前に置け。次に應に五種供具を嚴辦せよ。所謂る、塗香・諸華・燒香・飮食・燈明なり。塗香は白檀を磨きて之と為せ。華は隨時藥草所生の者を充てよ。若し無き時は華は當に粳米、或は燒蕎麥、或は橘柏等の葉を以てせよ。或は丁香を用いて以って華の用に充てよ。燒香は但し沈檀龍腦隨應を以て之に用る。食は薫穢を除きて毎に須く新淨なれ。燈には牛酥を用ひよ。油も亦た通じて許す。當に具さに此物を弁ぜんとする時、必ず須らく晨朝に手面を盥洗して如法に護淨せよ。具に辦足し已りて壇邊に置在せよ。然る後に出外し、復た淨水を以て重ねて洗手已り、即ち手印を作りて淨水を掌承し、陀羅尼三遍を誦して便即ち之を飮め。其の手印相は、先ず右手五指を仰舒し、其頭指と大母指を屈して相捻じ、状は捻香の如し。此是れ虚空藏菩薩如意寶珠成辦一切事印なり。復た此印を以て如前に承水せよ。陀羅尼を誦すること三遍竟已りて、頂及身に灑げ。即ち内外一切を清淨ならしむなり。次に應に像所に往詣し、至心に禮拜し面を菩薩に向けて半跏坐し、像上所覆之物を擧去せよ。次に即ち須らく護身手印をなせ。其手印相。先ず右手を擧げ然る後に頭指と大母指を以て相ひ捻ぜよ。状は捻香の如し。其頭指の第二節を屈し、其第一節を極令端直し方さに始印相にせよ。如法に此印を作し已らば頂上に置きて陀羅尼一遍を誦せ。次に右肩に置きて復た誦すること一遍。左肩心喉亦た皆如是なり。此護身法を作し已りて、一切諸佛及虚空藏菩薩、此人を攝受し、一切罪障即皆銷滅し、身心清淨福慧増長、一切諸魔及毘那夜迦皆得便せず。復た前の印掌を作して淨水を承け、陀羅尼一遍を誦し、塗香等諸供養物并壇及近壇之地に灑げ。復た如前に護身手印を作し、塗香上に置き陀羅尼一遍を誦せ。余の香華等乃至木壇、各の皆な如是に此法を作し已らば、華香等の物は即便ち清淨なり。復た護身手印を作して右轉三匝し、兼ねて上下を指せ。但し其の印を身に運んで動搖せずして陀羅尼七遍を誦せ。其の自心の遠近の分劑に随って十方を結界せよ。次に
應に目を閉じて思惟せよ。虚空藏菩薩の眞身は即ち此像等と異あることなしと。復た護身印を用いて作意し、虚空藏菩薩を請じ、陀羅尼二十五遍を誦し已らば、即ち大母指を挙げて裏に向かひ招くこと一度。頭指は舊の如し。復た此印を作して陀羅尼三遍を誦せ。㡧(チョウ・絹絵)上の蓮華之を以て座と為す。復た想へ菩薩來りて此の華に坐すと。即便ち開目して菩薩を見已りて希有心を作して眞身の解を作せ。又た誦すること三遍、手印如前に是の念を作して言く、今者菩薩此に來至す。是れ陀羅尼の力にして我所能に非ず。唯だ願くは尊者、暫く此に住したまへ。次に塗香を取りて陀羅尼一遍を誦し用って其壇に塗れ。次に復た
華を取りて亦た誦すること一遍し壇上に布散せよ。燒香飮食燈明次第にこれを取り、皆な誦すること一遍、手持供養し、壇邊に置在し復た念を作して言く、一切諸佛菩薩の福慧熏修の所生の幡蓋清淨香華衆寶之具、悉く皆な嚴好なり。復た手印を作して陀羅尼一遍を誦し如前に想念せよ。諸供養物は悉く成辦するを得る。即ち持して一切如來及諸菩薩に供養すと。如是の運心は供養中の最なり。如もし其の塗香等供養之物を辦ずる能はずんば、但し第二の運心供養を作せ。法亦成就す。即ち手印を以て搯珠し、陀羅尼明記遍數を誦し、誦時に閉目し、菩薩心上に一滿月あるを想ひ、然も誦する所の陀羅尼の字は滿月中に現じ皆な金色となる。
其字は復た滿月より流出し、行人の頂を澍す。復た口より出でて菩薩の足に入る、自ら發言して菩薩の足下に諮啓して、陀羅尼を誦して未だ止息せざるに來かた、所想之字は巡環往來し相續不絶にして輪の如く轉ず。身心若し惓まば即ち須らく止息せよ。至誠に瞻仰して便ち坐し禮拜し、閉目して復た滿月の菩薩を観ずること極て明了に已り、應に更に運心して漸く増長して法界に周遍す。復た漸く略觀し、最後時において量は本の如く已って、方に始て出觀すべし。又た前の手印を作して陀羅尼を誦すること三遍し已りて、大母指を擧て菩薩を發遣す。是の念を作して言く、唯だ願くは慈悲布施歡喜して後會の法事に復た降赴を垂れたまへ、と。如是に陀羅尼を誦して、其の力に随って能く或は一日一上、或は一日兩上、始より終に至るまで毎に初日のごとし。遍數の多少も亦た初上の如くにして、増減するを得ざれ。前後通計滿百萬遍せよ。其數終に乃って亦た時限なし。然るを中間において間闕をゆるさず。後に日蝕或は月蝕時、力に隨ひて飮食財物を捨施し三寶を供養せよ。即ち菩薩及壇を露地淨處に移して安置せよ。復た牛酥一兩を取り、熟銅器中に盛貯し、并びに有乳樹葉七枚及枝一
條を取り壇邊に置在し、華香等の物は常數に加へて倍せよ。供養之法一一前に同じ。供養畢已らば前の樹葉を取り重ねて壇中に布け。復た葉上に酥器を安置せよ。還た手印を作りて陀羅尼三遍を誦して、此酥を護持せよ。又た樹枝を以て攪酥せよ。其手を停る勿れ。目
に日月を観じ兼て亦た酥を看よ。陀羅尼を誦すること無限遍數。初めて蝕する後に退して未だ満たざる已來、其酥に即ち三種相現ずることあり。一者氣。二者煙。三者火。此下中上三品相中。一種を隨得せば法は即ち成就せん。此相得已りて便ち神藥を成ず。若し此藥を食すれば即ち聞持を獲る。一經耳目文義倶に解す。之を心に記して永く遺忘するなし。諸餘の福利は無量無邊なり。今且だ少分の功徳を略説す。如し却退し圓滿に至る已來に、三相若し無くんば法は成就せず。復應た更に初首より作せ。乃至七遍せば縱へ五逆等の極重罪障あれども亦た皆な銷滅し法定んで成就せん。

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