今日は成尋阿闍梨の入宋の日です。成尋は平安時代の天台宗の僧。7歳のときに出家し,洛北大雲寺文慶に師事。延久4 (1072) 年三月十五日入宋。太平興国伝法院に住。神宗の勅により降雨の法を行なったところ霊験があり善慧大師と賜号。帰国できず便船に託して経典 527巻を日本に贈る。開宝寺で死去。著書に『法華経註』『観心論註』『参天台五台山記』などがある。成尋は62歳で母が85歳で入宋しますが、成尋阿闍梨母集に「・・唐に、五台山といふ所に、文殊のおはしましける跡の、ゆかしく拝ままほしく侍るを、年ごろ宿曜に言ひたることの必ずかなふを、『六十一、慎むべし』と言ひたるを、若く侍りしより思ひしことは、のどかに行ひして、人騒がしからざらん所にあらんと思ひしを、今までかくて侍りつるを、年老いて、同じくは死なぬさきに思ふことせまほしきを、唐に、五台山といふ所に、文殊の御跡をだに拝みて、もし生きたらば帰り詣で来む。失せなば、必ず極楽を相見、拝み奉るべきことを思はむ」とのたまふに、「さはまことに思ひ立ち給ふことにこそ」と聞くに、ものも言はれず、あさましう胸ふさがりて、いらへもせられねば、帰り給ひぬ。」とあります。老母をおいて入宋する成尋の気持ちはいかばかりかと思われます。しかも成尋は帰国できませんでした。不惜身命とはこのことでしょうか。
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