「私たちは肉体はこの世の親からもらいましたがその中に心霊のおや様から仏性という仏になる尊い種をいただいております。それは丁度卵のような状態で、親鳥にあたためられなければひよことならないように、また植物の種が土にまかれて太陽の光と適当の湿気を得なければ芽ばえないように仏性の種も一心にお念仏申して親様のお育てをうけなければ生きてまいりませぬ。 太陽の光は天地一ぱいに満ち満ちていても真暗な倉の中に入っていてはちっとも光のある事がわかりませぬ、私たちは煩悩という厚い厚い黒雲に閉されていて親様の光はちっとも見えませぬ、一心に念仏しておすがりしていると段々に光がさして来て黄雲に包まれているようになり。なおお念仏すれば白雲に包まれているように明るくなって来ます、ついには白雲も晴れて仕舞って、はっきりと仏様を拝する事が出来るようになります。
プラトーの言葉に、「凡人の昼とするところは聖人の夜、聖人の昼とする所は凡人の夜」というのがあるが、聖人はこの眼で視、耳で聴く五感を通じてみるうつりかわりの世界の外に、永遠にかわらぬ常楽我浄の本当の世界をみているのである。(弁栄上人)」
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