秘密曼荼羅十住心論に説く十悪の果報、1((殺生の果報))
地持論(実は華厳経)云。「殺生の罪は能く衆生をして三惡道に堕せしむ。若し人中に生ずれば二種の果報を得る。一は短命。二は多病」。如是に十惡は一一に皆な五種の果報を備ふ。一には殺生は何が故に地獄の苦を受くるや。其の殺生は衆生を苦しむるを以ての故に。所
以に身壞し命終すれば地獄の衆苦皆な來りて己を切(せ)む。
二者には殺生は何が故に出でて畜生と為るや。殺生は慈惻あることなく、行ひ人倫に乖く故に、地獄の罪畢りて畜生身を受く。
三には殺生は何が故に復た餓鬼と為るや。其の殺生は必ず慳心に縁りて滋味に貪著するをもってのゆえに復た餓鬼と為る。
四には殺生は何が故に人に生じて而も短壽を得るや。其の殺生は物の命を残害するが故に短壽を得る。
五には殺生は何が故に兼ねて多病を得るや。殺生は違適して衆患競ひ集る故に多病を得るなり。當に知るべし殺生は是れ大苦也。
地持論(実は華厳経)云。「殺生の罪は能く衆生をして三惡道に堕せしむ。若し人中に生ずれば二種の果報を得る。一は短命。二は多病」。如是に十惡は一一に皆な五種の果報を備ふ。一には殺生は何が故に地獄の苦を受くるや。其の殺生は衆生を苦しむるを以ての故に。所
以に身壞し命終すれば地獄の衆苦皆な來りて己を切(せ)む。
二者には殺生は何が故に出でて畜生と為るや。殺生は慈惻あることなく、行ひ人倫に乖く故に、地獄の罪畢りて畜生身を受く。
三には殺生は何が故に復た餓鬼と為るや。其の殺生は必ず慳心に縁りて滋味に貪著するをもってのゆえに復た餓鬼と為る。
四には殺生は何が故に人に生じて而も短壽を得るや。其の殺生は物の命を残害するが故に短壽を得る。
五には殺生は何が故に兼ねて多病を得るや。殺生は違適して衆患競ひ集る故に多病を得るなり。當に知るべし殺生は是れ大苦也。