福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日は俳人加賀千代女の命日です

2023-09-08 | 法話

今日は俳人加賀千代女の命日です。千代女は、安永4年9月8日(1775年10月2日)73歳で逝去しています。辞世の句は、「月も見て我はこの世をかしく哉」。

千代女は52歳で剃髪、素園と号しますが、此の時の句とされるのが「髪を結ふ手の隙あけてこたつかな」です。髪がなくなったのでそれだけ時間の余裕ができたとの句でしょう。

尼僧となってからは釈教歌ともいえる歌を多く詠んでいます。

『 ふみわけた 情(なさけ)の道や 山さくら 』の句など、この世は無数の庶民が素朴な情けをかけあってできている、ともとれる句です。

『 百生(ひゃくなり)や つるひとすじの 心より 』は、百生瓢箪は一本の蔓に多くの実を付けるように、人の様々な人生もその人の心から生まれるのだという「三界唯心」を説いたものとされます。

しかし何と言っても心に残るのは『 とんぼつり 今日はどこまで 行ったやら 』の句です。この句は夭折した子のことを思い詠んだ句とされています。秋の夕方、表で村の子供たちが可愛い声で騒いでいるのを聞き、自分の子も今頃生きていればこうして皆とトンボつりにいっているどろうに・・と得も言われぬやるせなさを感じている句でしょう。

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