福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

仏説兎王経佛説兎王經

2016-09-15 | 諸経
中秋の名月は旧暦で8月15日のことを言います。
2016年の十五夜(旧暦8月15日)は今日9月15日(木)です。

仏説兎王経佛説兎王經

聞如是。一時佛舍衞祇樹給孤獨園に遊ぶ。
大比丘衆千二百五十人と倶なり。佛諸比丘につげたまふ。「昔兎王あり。山中に遊ぶ。群輩と倶なり。『果蓏を食するに飢え、泉水を飮するに渇しても四等心を行じ、慈悲喜護せよ』諸眷屬に教え、悉く仁和ならしめ、衆惡をなすことなし。畢に此身を脱し人形となることを得る。可受道教。時に諸眷屬、歡喜して教に従い敢て違命するなし。
一仙人あり。林樹に處在す。噉て果蓏を食し山水を飲み、獨り處して修道す。未だ曾って遊逸せず。四梵行を建じ慈悲喜護し誦經念道す。音聲通利。其音和雅。聞いて欣ならずということなし。時に兎王。往いて之に近ずく。其お誦經するところを聞いて、意中欣踊。不以爲厭。諸眷屬と共に果蓏を齎して道人を供養す。是のごとくして日を積み月を経、年を歴す。時に冬寒至る。仙人、人間に還到せんと欲す。兎王見之。著衣し鉢及び鹿皮嚢ならびに諸衣服を取る。愁憂不樂。心に戀恨を抱く。捨來しむを欲せず。これに對して涙を出す。
問う、「何の所にか趣くや。此にあって日日相い見るを以て娯樂となし、飢
渇しても食を忘る。父母に依る如し。願はくは一に留意し、假止めて發することなかれ」。
仙人報曰。「吾四大あり。當に愼しんで將護す。今冬寒至り、果蓏已に盡き、山水氷凍す。又た巖窟以って居止するべきなし。適に捨去して人間に依處し、衞を分け求食せんと欲す。精舍に頓止し、冬寒過ぎ已れば、當に復た相就ん。以って悒悒たるなかれ」。兎王答曰。「
吾等眷屬。當に行って果を求む。遠近を募索して當に相い給足すべし。
願はくは一に屈意せよ。愍傷見濟せよ。假使捨去。憂慼之戀。或不自全。設使今日、供具あることなしとしても便ち我身を以て道人に供上すと」道人之を見、感惟哀念。恕之至心。
當奈之何。仙人事火。前有生炭。兎王心に念ふ。「道人可我。是を以って默然たり。」便ち自ら身を挙げて火中に投ず。火大熾盛。適に火中に堕つ。道人救と欲す。尋已に命過ぐ。
命過之後。兜術天に生じ菩薩身となる。功徳特尊。威神巍巍なり。仙人見之。道徳の為の故に不惜身命。愍傷し之を憐れむ。亦た自ら剋責し穀を絶ち食せず。尋時遷神。兜率天に処す。佛に比丘告げたまはく。「爾時の兎王は則ち我身是なり。諸眷屬とは今の諸比丘是なり。其仙人とは定光佛是なり。吾菩薩となって、勤苦すること如是。精進不懈なり。經道をもっての故に不惜躯命積功累徳無央數劫、乃ち佛道を得る。汝等精勤して放逸を得ることなかれ。懈怠を得ることなかれ。六情を斷除すること頭燃を救う如くせよ。心所著なく、
當に飛鳥の虚空の遊ぶごとくせよ。佛是のごとく説き、歡喜せざるなし。

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