福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四国八十八所の霊験その100

2014-08-08 | 四国八十八所の霊験
遍路道の両側には数十mおきに石仏や遍路墓があります。遍路はもともと行乞して行き倒れたら、杖を墓標代わりに立ててもらうことになっていたのですから、昔は遍路路には相当の行き倒れ遍路がいたと思われます。
私は日本列島は各地に無数の霊場があり、まさに霊場列島であるとおもっていますが、その前に墓地列島であるのかもしれないと思ったほど遍路墓も多くあります。それらの一つ一つに合掌して通りすぎます。
出典はいまでてきませんが小乗仏典にお釈迦様が「地上の土地で有情の骨が埋まってない地は無い。それほど有情は生死流転をくりかえしているのだ」という趣旨のことをおっしゃるところがありました。

 高群逸枝は「娘巡禮記」のなかで「其処此処で遍路の墓というものを見たがいずれも遍路道に面して立てられている。
・・・ああ遍路墓なんといふ懐かしい美しいこの墓の姿であろふ、永久に黙然として爾来数知れずその前を通り過ぎていく遍路を眺めてゐるのだ」と書いています。

しかし愛媛県の遍路道は明るい道です。
 金木犀が咲き乱れるとともに、みかん、柿が両側からたわわに垂れ下がってトンネルのようです。
「山里はひたむきに柿の赤くして」(山頭火)の句がぴったりです。
最近まで「お遍路さんは自由に取って下さい」という札が遍路路両側の柿木から下がっていました。
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