福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

福聚講 今日の言葉 

2013-05-10 | 法話
・「不可思議の えにしの海に うかびぬる ともに命の ともずなを解く」(玉城庚四郎東大名誉教授の書です。行の指導をしていただいている田原亮演師の奈良観音寺の床の間に架かっていました。
20.3.18産経新聞「正論」に村上和雄筑波大名誉教授の「全ての命は繋がっている」との論文が掲載されています。「細菌をふくむ微生物、昆虫、植物、動物、人間などすべての生き物は「A・T・C・G」と呼ばれる同じ遺伝子暗号をつかっていることが発見された。これは地球上のあらゆる生きとし生けるものは「A・T・C・G」を含むDNAで繋がっていることを意味している。私は生命科学の研究に50年以上従事してきたがつくずく感心していることがある。それは細胞核中の極微の空間に万巻の書物に匹敵する遺伝子情報を書き込み一刻の休みも無く働かせている大自然の素晴らしさである。この大自然の働きをサムシンググレートと表現してきた。地球上のすべての生き物は命の元であるサムシンググレートに繋がっていてお互いに協力しあって地球生命体を構成しているのである。」

生命の世界とは生きとし生けるものが群がり生きる群生海であり群生海あって自分が存在でき自分の中にも群生海が生きているのでしょう。自分の体の中にはあらゆる動植物、自然が渾然として包含されているのです。不可思議の縁の世界です。結局すべてのものが過去現在未来と巨大な縁で繋がった「不可思議のえにしの海」になっているのです。
ここから「情けはひとのためならず」と言うこともでてきます。「善因楽果、悪因苦果」や『因果応報』ということも分かります。全ての他者と繋がっているのですから自分の身口意のすべての業が回りまわって自分に返ってくることがこれで理論的に分かるのです。
ひいては密教で行う観想「心、仏、衆生、是三無差別」ということもうなずけるのです。

「大日経義釈」にも
「若し行者、一切従縁起の法は、みなこれ毘盧遮那法界身なりと見れば、其の時に十方通同して一佛国となる。これを究竟浄菩提心となずく。
(もしも行者が修行して、すべてのものは無尽の縁により生まれているものであるから皆大日如来であると分かれば十方のすべてが通じあって一つの佛の国となる。これを悟りとなずける。)」とありました。 
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