それから学問としての仏教でありますが、倶舎(説一切有部の見解.すべての存在の元(法)は刹那において生・住・異・滅と生滅変化しているけれども、過去・未来・現在にわたって実在する、とする)唯識(あらゆる存在は主観的な存在であり客観的な存在ではない。即ち、それら諸存在は「空」であり、実体のないものであるとする説)というような類、そういう類の註釈というものが仏教研究には大事なものでありますが、これは多くは . . . 本文を読む
それから三階教という仏教の一派がシナにあった。これは仏教の異端であります。仏教を三階に分けて仏教の第一期は唯一乗教の時代、第二期は唯三乗教の時代で、一乗三乗峻別して通学通行せざる時代にて、機根の勝れたる時代に相応する教えである。第三階は大小の区別なく一般に遍く行われる教義である。早くいえば第一階は機根上等の人のみに行われる教義、第二階は機根中等の人に相応する教義である。両方とも別真別正の仏法である . . . 本文を読む
これも序にお話したいと思いますが、中央アジアの発掘ということは世界に動搖を与えた学術上の大事件であります。日本は東方に偏在しているのでそんなことには関係ないであろうというように考えられるかも知れぬが、シナで無くなったもの、シナ四百余州に見つからぬものが日本にあり、中央アジアで発掘された出土品と日本にある保存物とを比較すると同一物である。それでシナ本国になくて日本に残っている古書は、西洋人は或いは偽 . . . 本文を読む
先ほどNHKの「知恵泉・忍者”に学ぶ生きる知恵」でモーグルの上村愛子選手が「試合の前には山に登るとき太陽に向かって『全選手が安全でありますように』と祈ることにしていた。」と話していました。やはり超一流選手は只者ではありませんでした。この伝でいくとサラリーマンは「全社員の仕事がうまくいきますように」と祈るべきだし、自営業の人は「全ての人の商売がうまくいきますように」と祈るべきだし、受験生は「全受験 . . . 本文を読む
今日は秋分の日、八王日で善根を修する日です。
「八王日とは立春・春分・立夏・夏至・立秋・立冬・秋分・冬至である。天地の諸神はこの日に当番をかえることになってり、この日は特に善根を修すべき日とされる。出家は本より誰も悪いことをしなければ鬼も力を得ることはできない。法華懺法にも「六斎・八王・行病鬼王」とある。(塵添壒嚢鈔)」
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今日はお彼岸の中日です。各寺では彼岸会法要が行われます。
「彼岸」とは サンスクリット語pāramitāパーラミターの訳で、正しくは「到彼岸」即ち生死輪廻の此岸を離れて涅槃常楽の彼岸に到達するという意味です。原語「パーラミター」は「(到)彼岸」と同時に「波羅蜜(多)」とも音訳されます。
「波羅蜜」とは何なのか? この「パーラミター」は布施・持戒 ・忍辱・精進・禅定・智慧 の6種の徳に分類されま . . . 本文を読む
イギリスはインドの南方仏教小乗の一切経を出版しております。ロシアでは大乗一切経の梵語の原本を出版しております。これは帝政時代から出版しておりましたが赤化ロシアになっても今も続いて出版しております。赤化ロシアの方が他の国よりもよほど理解があるといって梵語学者の仲間では賞讃しております。シャムの皇帝は曽て小乗の一切経を出版され世界の学界に提供した。後にまた註釈全部を出版して世に弘めた。ビルマでは有志 . . . 本文を読む
法句経にみる長寿の考え方。酔生夢死を戒めています。
「一一〇 若し人壽百歳なるも惡戒散動なれば、一日生きて具戒靜慮するに若かず。
一一一 若し人壽百歳なるも惡慧散動なれば、一日生きて具慧靜慮するに若かず。
一一二 若し人壽百歳なるも懈怠怯弱なれば、一日生きて勇猛努力堅固なるに若かず。
一一三 若し人壽百歳なるも生と滅とを見ざれば、一日生きて生滅を見るに若かず。
一一四 若し人壽百歳なる . . . 本文を読む
佛説七倶胝佛母心大准提陀羅尼經・大唐天竺三藏地婆訶羅譯
「爾時、佛、舍衞國祇樹給孤獨園にいましき、是時、世尊は思惟觀察し未來の諸衆生を愍むが故に、是の七倶胝佛母心准提陀羅尼法をときたまふ。即ち呪を説いて曰く
南謨颯哆南 三藐三勃陀倶胝南 怛姪他唵 折戻 主戻 准締 娑婆訶(のうまくさったなん さんみゃくさんぼだくちなん たにゃたおん しゃれい しゅれい そんでいそわか)
若し比丘比丘尼優婆塞優 . . . 本文を読む
そうして日露戦後私は帰って見たところ満洲経として下げられたのは満洲の一切経でなくて蒙古の一切経であった。蒙古蔵ならばまだ幾つもある、満洲蔵は三つしかないその一つを得るのだから大切と思っていたのだから。その時内藤湖南君が朝日新聞から満洲に行くということであったので実地について調べて貰った。行って見るとその侭にある。ところが黄寺の方では無論分取られると思っておったのにお金を戴いたものでありますから、満 . . . 本文を読む
「あなたが世界のためにできるたったひとつのこと」(ピーター・シンガー・NHK出版)
佛弟子として「利他行」の心構えと実践のあり方を考える中で手に取った。著者はオーストラリア出身の哲学者・倫理学者。
本書では「畜産動物の苦しみ」のパートで「動物と人間、どちらの苦痛を取り除くべきか」「動物に意識はあるのか」などを考察しているように、「利他行」を哲学・倫理学の問題として解き明かす。世の中には臓器まで . . . 本文を読む
昨日の芭蕉の句として紹介した「今日彼岸、菩提の種をまく日かな 」は、正確には「馬場存義」の「けふ彼岸菩提の種も蒔日かな(題「義仲寺、翁の塚にて」の5句目)」である
と「つらつら日暮らし」様よりご教示いただきました。大変感謝して訂正させていただきます。
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また西蔵の一切経もあり蒙古のもあり満州のもある。満州の一切経はシナにもう一部あるかないかというくらいかと思いますが、元三部あって一部はロシアとフランスに分けられております。一部は奉天の黄寺にあるということでありましたから、ちょうど日露戦争の時に私は末松男爵に随ってロンドンに三年戦争中に渡って滞在した時があり、まだ戦争が始まらぬ前に、日本を出る時どうせ奉天も日本の兵が占領するに違いないから、黄寺 . . . 本文を読む
吾妻鑑
「(宝治二年1248)九月十九日癸亥 未申両時之間黄蝶群飛、三浦三崎方より名越辺に出で来たる、其の群集之幅 三許段云々」
宝治元年(1247)六月には宝治合戦が起こり北条氏らによって三浦一族が滅ぼされているので黄蝶群はその亡霊とみて記録したのでしょうか。
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