2021年の総集編もいよいよ大詰め。今日は、峰の原高原の山野草編です。ガーデンストーリーの近くにある草原で、私は山野草の保護活動をしています。ちょっと長くなりますが、その草原のあらましや活動について、最初にご紹介します。
かつて峰の原高原一帯は、ふもとに暮らす人々が、採草地として利用していました。家畜に与える飼料や、田畑に入れる堆肥の原料になる草を育てていたのです。そして、そこには、たくさんの野の花が咲き誇っていました。しかし、昭和中期以降、家畜の減少や販売肥料の普及などによって採草地としての利用が減り、峰の原高原は、別荘地や観光地へと、その姿を変えることになりました。その過程において、奇跡的にスキー場には以前の草原が引き継がれ、そこに自生していた山野草も、かろうじて命を繋ぐことができたのです。
余談になりますが、日本では長い間、国土の20%ほどが、放牧・採草など、人による手入れや、洪水・山火事などの自然かく乱によって、草原として維持されてきました。しかし、時代の変化や開発の中で現在は1%まで減少してしまい、その結果、草原性の動植物の多くが生息場所を失って絶滅の危機に瀕しています。
峰の原高原では2008年に、地主さんやスキー場の理解を得て、山野草を守る活動を始めました。庭に植える園芸種には必ず原種があります。保護活動のさ中、草原に自生している山野草を知ることが、ペンションの庭に植える園芸種を選ぶ際に、とても役立つことに気づきました。そして、保護活動の甲斐あって、草原では年々花の数が増え、かつて広がっていた花畑の風景が戻りつつあります。
↑春先に咲く白花エンレイソウ。
↑峰の原にあるベニバナイチヤクソウの群生地は、国内最大級を誇ります。
↑とても貴重なヤマシャクヤク。
↑最近、園芸種として出回り始めたヤグルマソウも、あちこちに群生しています。
↑本州では、この辺りでしか、生息が確認されていないカラフトイバラ。
↑アスチルベの仲間、チダケサシ。
↑ベロニカの原種、クガイソウ。
↑ゲラニウムの原種のひとつ、ハクサンフウロ。工事現場から掘り上げて、草原に移植しました。
↑ギボウシをバックに咲く、絶滅危惧種のキキョウ。
↑シシウドはアンジェリカ、カワラナデシコはシレネの原種です。
↑一日花のユウスゲと、ドライフラワーとして人気が高いヤマハハコ。
↑保護活動をしている草原。オミナエシやワレモコウが咲いています。
↑アザミによく似たタムラソウ。
↑2年草のマツムシソウ。スカビオサやクナウティアの仲間です。
↑長野県の花に指定されているリンドウは数種が自生しています。晩秋まで咲き続けます。
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