日々の恐怖 9月23日 やりかけの物件(2)
クソ田舎だけあって、辺りはありえないくらいに静まり返ってるし、正直少し怖くなったってのもある。
建物の老朽化具合からみて、3年はほったらかしになってる感じだったので、そりゃ子供の遊び場にもなるわなと思い直し、今日は遊んでも良し!と勝手に判断してあげた。ひとんちだけど。
んで、しばらくは何事もなく仕事を続けてたんだけど、前任者のメモの隅の方に、『・台所がおかしい』って書いてあった。
調査資料は、その書き込みのほとんどが数字(部屋の寸法等)なので、そういう文章が書いてあることにかなり違和感を感じた。
で、気になって台所の方へ行ってみると、床が湿ってる以外は特におかしそうなところはなかった。
でも、向こうの部屋の奥にある姿見っていうの?全身映る大きな鏡に、子供の体が少しだけ映ってた。暗くて良くわかんなかったけど間違いない、さっきの子供だ。
そうか、入ってきちゃったんだな。とぼんやり考えてたけど、ほんと気味悪いんだよねそいつ。物音1つ立てないし、辺りは静かすぎるし、おまけに古い家の独特の匂いとかにやられちゃって、なんか気持ち悪くなってきた。座敷童子とか思い出したりしちゃって。
もうその子を見に行く勇気とかもなくて、とりあえず隣にある風呂場の調査をしよう、というかそこへ逃げ込んだというか、まぁ逃げたんだけど。風呂場は風呂場でまたひどかった。
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