大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 9月8日 靴

2015-09-08 18:06:28 | B,日々の恐怖


  日々の恐怖 9月8日 靴


 小学校の頃、近所にお化け屋敷って言われてる家があった。
まぁ実際は屋敷って程でもない、少し大きめかな?ってくらいの日本家屋なんだが、小学生の感覚だしな。
 その日は両親共に帰宅が遅くなるのがわかってたから、一人で冒険に行ったんだ。
いくつか噂もあったが、明らかに同級生が作ったような話もあったんで、実際は何もないだろうとタカをくくってた。
 俺は日が沈んでから、懐中電灯と棒を持って、その家に侵入したんだ。
靴は履いたまま家に上がるのに、習慣上躊躇いがあったんで脱いで上がった。
 それで、中はフスマは外れてて、障子も破れて、家財道具も見当たらない。
本当に放置されてただけの家で、ガッカリしつつも安心して帰ろうとしたんだ。
 そのとき、俺、気付いたんだ。

“ あれっ、靴・・・・?”

靴がな、バカな小学生男子だから脱ぎ散らかしてたはずなんだが、綺麗に揃えられてたんだ。
その靴を履いて家に飛んで帰った。
 8時半頃、TVを見てたら母親が帰ってきて、

「 あ、今日はちゃんと靴揃えてるね~。」

って・・・。
もちろん、そんなことはしていない。
 それ以来、1度も靴を散らかさずに揃えてたんだ。
最初は怖さからだったけど、1年もせずに習慣になった。


 最近まで特に変わったことは何も起こらなかったんだが、先週、男友達が遊びに来た。
帰るときに、

「 あれ、お前、俺の靴にさわった?」

って聞いたんだ。
 もちろんそんな事はしていないから、

「 お前のくさい靴なんかさわらね~よ。」

って答えた。
 昨日、帰ったときに靴を散らかしたままにしておいたが、朝になっても散らかったままだった。









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