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日々の恐怖 9月14日 大学病院

2015-09-14 19:34:09 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 9月14日 大学病院



 数年前、私と姉の2人で、身内の見舞いで某大学病院に行ったときのことです。
4階からエレベーターに乗ったら、中に小さな女の子が乗ってて、

「 なんかいを、ごりようですか?」

と私にたずねるので、

“ エレベーターガールごっこでも、やってるのかな?”

と思い、

「 1階をお願いします。」

と言うと、

「 はい、したへまいります。」

と可愛く答えて、なんとも微笑ましい感じでした。
 1階へ下りる途中、3階でエレベーターが止まって、パジャマ姿の痩せている男の人が乗ってきました。
すると女の子はまた、

「 なんかいを、ごりようですか?」

と男の人に尋ねると、男の人はボソッと照れくさそうに、

「 地下2階をお願いします。」

とつぶやいて、エレベーターの奥の壁に寄りかかりました。
 エレベーターが1階に着くと、女の子は、

「 いっかい、がいらいでございます。
ごりよう、ありがとうございました。」

と可愛くガイドして、私と姉はエレベーターを降りました。
 帰り道、姉が、

「 エレベーターの女の子、かわいかったね。」

と言うので、私は、

「 そうだね、3階で乗ってきた人とか、ちゃんと女の子の遊びに付きあってあげてたけど、なんか照れくさそうにしてたのが、ほほえましかったよ。」

と笑って言ったら、姉に、

「 へ?途中で誰か乗ってきた?」

と真顔で返されました。
 それで、不審に思って、姉に言いました。

「 3階で、パジャマの男の人だよ。」
「 いや、3階には止まったけど、誰も乗って来なかった。」
「 女の子が、何階を、ご利用ですか?って聞いてたよ。」
「 いや、誰もいなかったから、扉を閉めただけ。」
「 男の人、地下2階をお願いします、って言ってたけど・・・。」
「 あそこ、地下2階、無いよ。」










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