大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 9月9日 公衆電話

2015-09-09 18:08:39 | B,日々の恐怖


  日々の恐怖 9月9日 公衆電話


 小学生の頃、小さい団地の集会所でやってたそろばん塾に通ってた。
家から少し離れた場所だったんで、当時は携帯も無く、塾が終わったら電話ボックスまで行って迎えを呼んでた。
 その日も、いつもみたいに団地内に住んでる友達と別れた後、母ちゃんを呼ぼうと10円握り締めて一人で電話ボックスへ行った。
 だけど、行ってみるとおかしな事があった。
電話ボックスの電話が鳴ってたんだ。
 驚いたけど、テレビで見た外国映画に公衆電話が鳴るシーンがあったのを思い出して、そういう事もあるかと鳴り止むのを待った。
 でも、しばらく待っても鳴り止まない。
これでは迎えを呼べないので、仕方なくオレは電話をとる事にしてボックスの中へ入った。
 おそるおそる受話器をとる。

「 …はい?」

そのとたん、

「 ○○ちゃん!?○○ちゃんなの!?」

知らないオバサンのデカイ声がした。

「 え?」

びっくりして訳が分からず聞き返したが、ただ、○○ちゃんを繰り返すオバサン。

「 ちがいますけど・・・。」

何とかそれだけ言うと、電話は切れた。
 何だったんだと受話器をおいたら、またすぐに電話が鳴る。
受話器を取ると、やっぱりオバサンの声が、○○ちゃんを連呼。
 そのせっぱ詰まった様な感じが怖くなって切るとソッコーで10円入れて家に電話した。
今度は受話器を置いても、かかってこなかった。
 それでも、ちょうど日が沈みかけ暗くなりだす頃で寒くなってくるし、その日は何故か人通りがなくて母ちゃんが車でやってくるまで凄い心細かった。
そんな事は二度となく、今は電話ボックスも撤去されたが、思い出すと何か少し怖くなる。









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