新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

階段紀行・日本 東京編㉗ 階段に新たな価値を加える二子玉イルミネーション階段、歴史を保存する旧万世橋駅階段

2023-05-06 | 階段紀行・日本

 東急田園都市線二子玉川駅に直結して、二子玉川ライズショッピングセンターがある。広大な敷地にレストラン、ショップはもちろん、映画館や大規模書店まである。

 その一部の通路部分がイルミネーション階段になっていて、夜にはちょっとしたおしゃれゾーンと化している。

 このようにカップルで階段を上がれば、その二人の姿がシルエットとなって浮かび上がり、一見ドラマのワンシーンかと見間違うようなイメージが出来上がる。

 階段の段数は多いのだが、足元から光を感じながら上がれば気分は浮き浮きで、疲れも感じずに上り切れそうだ。

 こうしたイルミネーション階段は新しくできた商業施設には次々と設置され出しているようだ。

 一方、歴史を保存する目的で現存する階段もある。場所は神田にあるマチエキュート神田万世橋。

 個性的なショップや飲食店の入る商業施設だが、かつては中央本線の通る万世橋駅があった所だ。

 旧万世橋駅は、東京駅を設計した辰野金吾の設計だった。その旧駅のレンガアーチ鉄道高架橋を有効利用して2013年にリニューアルした施設だが、その一角に鉄道階段の一部が保存されている。

 1つは1912年の駅開業時に造られた「1912階段」。地上の改札口と高架上のホームとを結んでいた階段だ。

 花崗岩や稲田石を削り出した重厚なものだ。

 もう1つは1935年に駅の階段として新たに設置された「1935階段」。これは、駅が廃止となり鉄道博物館として再生されることに伴って、導線確保のために増設された。だが、駅が廃止となったため7年間しか使われなかった。

 旧ホーム部分は「2013プラットホーム」として整備され、すぐそばを中央線が行き交う展望カフェとして活用されている。

 すぐ横にはこのように線路。マニアにはたまらないスポットだ。

 夕刻、マチエキュートを訪れると、川に面して施された隅石の装飾がライトアップされて、親水スペースとして格別な風景を見せてくれる。

 

 


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