極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

#IHearYou それはそうだけれどⅡ

2018年11月06日 | デジタル革命渦論

  


                                  

第68「不争の徳」
立派な武士は、強がらない。戦上手は、誘いに乗らない。勝つことの名人は、やたらと喧嘩腰にならな
い。人使いの巧者は、相手の下手に出る。これが不争の摺である。不争の徳は、人の力を最大限に利用
する。これが天道の極意である。

第69章 兵法の極意
戦は、仕掛けてはならぬ。相手の仕掛けを待て。進んで戦うより、退いて守れ」
このことばを守るなら、進んでも、進んだとは見えず、腕をふるっても、ふるったとは見えず、敵を草
っても、草ったとは見えず、武器を取っても、取ったとは見えない。これぞ、兵法の極意である。
敵を侮ること、これほど大きな過誤はない。敵を侮り、進んで戦を仕掛ける者は、すでに「道」を失っ
ている。
したがって、双方の戦力が伯仲するときは、牧草されてやむを得ず応戦する側が、つねに勝つ。

   Jun. 5, 2017

 
Anytime, anywhere ¥1/kWh  Era” 
【エネルギー通貨制時代 14】
  

   Mar. 3, 2017 

  View Inc.

 ソフトバンク 「スマート・ウィンドウ」に11億ドル投資

11月2日、金融市場などの調査会社のブルームバーグによるとブルソフトバンクは、大規模な投資を
公表した。インターネット接続された窓ガラスを製造販売するシリコンバレーメーカーView Inc.社に、
11億ドルを投資する。View社の技術――IoT 適用の遠隔御できるのスマート・ウインドウ「ダイナミ
ックガラス」は、ブラインドやその他のアクセサリをなくし冷却コストを削減(デジタル革命基本第5
則 イレイジング)。10年を費やし開発したガラスは、空港、病院、オフィスビルを対象販売からと
入る。投資はView社の
ミシシッピ州にある製造工場規模を2倍にし、アプリケーション開発系継続に向
けられる。 View社の担当責任者(CEO、Rao Mulpuri)は、初めて窓をデジタル化するものだと語る。
ソフトバンク・グループのビジョン・ファンド社、Uber Technologies Inc.および  WeWork Cosが有望な
テクノロジーに約1千億ドルの資本調達を行うが、その資金に450億ドルを拠出したサウジアラビアと
の関係でここ数週間で厳しい監視を受けている。
ソフトバンクの孫正義CEOが、将来的にはより多くの
資金を調達できるか不明であるが、サウジアラビアの危機以来、ビジョン・ファンドが明らかにした最
大の案件。

 Nov. 2, 2018 

この投資の前には、コーニング、マドレーン・キャピタル・パートナーズ、TIAAインベストメンツ、ニ
ュージーランドのソブリン・ウェルス・ファンドなどの投資家から約8億ドルを調達。ソフトバンクは
新たに11億ドルを投じた唯一の投資となる。 両社は、この取引でView社評価開示否定している。前
出の担当責任者(Mulpuri) によればこの契約は数週間継続、サウジの事件は不安材料だが、今や長期
間に渡る
ソフトバンクとの信頼関係を築いており楽観していると語る。

半導体製造適用技術により、View社はガラス板上に金属酸化膜の堆積方法開発。これは薄膜に非常に小
さな電流を流し、様々な程度でガラスを遮光できる。ガラス周辺のフレームには、色合いを調整し、イ
ンターネットと接続する電子デバイスと、該当する建造物建物に配置した気象監視レーダや通信アンテ
ナが含まれる。ユーザーは、モバイルアプリケーションで、建物に当たる太陽光量に基づき着色プロセ
スを自動化、これを単一色調するか多色のタイプの色合いにあるか選択制御できる。
 

View製品価格は、通常のラスの約4倍だが、省エネ効果で約20%削減し、シャッター、シェード、ブ
ラインド購入価格はゼロとなるので問題ないとする。 同社はさらに、工場や病院などの施設のスマー
トグラス一体建造物の居住・就労空間の健康促進改善効果を検証する。
 Wikipedia

同社のユーザーの1つであるはダラス・フォートワース国際空港で、この窓がターミナルをより快適な
室温を維持していることを実証  また、Facebook Inc.、FedEx Corp.、JPMorgan Chase&Co.、USAA、
Texas A&M University
をユーザーに抱え、現在までに450件のプロジェクトを完了、250件のプロジェクト
が計画/実行中。  SageGlassとKinestral Technologies Inc.もこのタイプのダイナミックガラスを製造して
おり、主要なガラスメーカーの支援を受けている。
 
今後、同社はスマートグラスにさまざまな機能を追加する。 また、各色調は、ソフトバンク社のスマートフォンなど
の保有知財/企業技術を生かした電子チップと、ARM Holdings Plcの設計を基調とする。 直近に、View社は、
特定ガラス板にセキュリティ防犯機能を追加する。 また、長期的には、窓をホワイトボードやビデオディスプレイ
可能な機能を追加する予定。

   July 17, 2018

 

【関連特許:95件】 

US20120062975A Controlling transitions in optically switchable devices :
  光学的に切り替え可能なデバイスにおける遷移の制御


【要約】
コントローラまたは制御方法は、デバイスおよび/またはデバイスの環境の現在の温度に関する情報なし
で動作するように設計または構成されてもよい。 さらに、いくつかの場合において、コントローラまた
は制御方法は、2つの終了状態の間の中間状態への光学デバイスの移行を制御するように設計または構成
されている。 例えば、コントローラは、透過率の2つの終了状態の中間である透過率の状態への移行を
制御するように構成されてもよい。 このような場合には、3つ以上の安定した透過状態を有する。


 


【特許請求の範囲】

1.エレクトロクロミック素子の光学的遷移を開始光学状態から終了光学状態に制御する方法であって、
(a)前記エレクトロクロミック素子を駆動するための駆動電圧を、
前記駆動電圧は、前記エレクトロク
ロミック素子のバスバーに印加され、
(b)移行が完了する前に、バスバーに印加される電圧の大きさ
を駆動電圧未満の大きさに減少させるステップと、
(c)バスバーに印加される電圧の大きさを減少さ
せた後、エレクトロクロミック装置内の電流または開回路電圧を検出するステップと、
(d)(c)で検
出された電流または開放回路電圧が光学遷移がほぼ完了したことを示す特性を有するかどうかを決定す
るステップと、
(e)(d)において、光学遷移がまだほぼ完了していないと判定された場合、バスバー
に印加される電圧の大きさを駆動電圧に増加させ、駆動電圧を追加の持続時間にわたって印加する。

2.(d)において、光学遷移がほぼ完了していると判定された場合、終了光学状態を保持するための保
持電圧を印加するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
3.前記電圧は、(b)において、前記駆動電圧から前記保持電圧まで低減される、請求項1に記載の方法。
4.(c)で検出された電流または開放回路電圧が、光学遷移がほぼ完了したことを示す特性を有するか
どうかを判断することは、特定の方向の電流が閾値レベルを下回るかどうかを決定することを含む。
5.
前記閾値レベルが0アンペアである、請求項4に記載の方法。
6.b)~(d)が約5秒〜5分の頻度で繰り返される、請求項1に記載の方法。
7.(b)において、(a)において駆動電圧を印加した後の所定の時間に電圧が低下し、前記規定され
た時間は最大約30分である、請求項1に記載の方法。
8.エレクトロクロミック装置の光学遷移を開始光学状態から終了光学状態に制御する方法であって、
(a)前記エレクトロクロミック装置を駆動するための駆動電圧または駆動電流を前記開始光学状態駆
動電圧または駆動電流がエレクトロクロミック装置のバスバーに印加される終端光学状態に至り、
 (b)前記エレクトロクロミックデバイス内の電流または開回路電圧を検出するステップと、 (c)
(b)で検出された電流または開放回路電圧が目標遷移時間内に光学遷移が完了することを示す特性を有
するかどうかを判定するステップと、 (d)(c)において、光学遷移が目標時間枠内で完了しないと判
定された場合、修正駆動電圧または修正駆動電流を印加するステップとを含み、変更駆動電圧または修
正駆動電流の
大きさは、 (a)で印加された駆動電圧または駆動電流の大きさ。
9.(c)において、光学遷移が目標時間内に完了すると判定された場合に、駆動電圧または駆動電流を
印加するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
10.b)が、バスバーに印加される電圧または電流の大きさを、駆動電圧または駆動電流よりも小さい大
きさに低減することを含む、請求項8に記載の方法。
11.前記バスバーに印加される電圧または電流の大きさを減少させることは、(a)において前記駆動電
圧または駆動電流を印加した後の所定の時間に実行され、前記定義された時間は、約30分
12.(b)で検出された電流または開放回路電圧が、光学遷移が目標時間内に完了することを示す特性を
有するかどうかを判断することは、電流または開放回路電圧が所定の範囲内にあるかどうかを決定する
ことを含む。
13.(
b)~(c)を繰り返すことをさらに含む、請求項8に記載の方法。
14.エレクトロクロミック装置の光学的遷移を開始光学状態から終了光学状態に制御する方法であって、
(a)前記エレクトロクロミック装置を駆動するための駆動電圧を、前記開始光学状態から前記終了前記
駆動電圧は、前記エレクトロクロミック素子のバスバーに印加され、 (b)遷移が完了する前に、バス
バーに印加される電圧の大きさを保持電圧まで減少させるステップと、 (c)バスバーに印加される電
圧の大きさを減少させた後、エレクトロクロミック装置内の電流または開回路電圧を検出するステップ
と、 (d)(c)で検出された電流または開放回路電圧が光学遷移がほぼ完了したことを示す特性を有す
るかどうかを決定するステップと、 (e)(d)において、光学遷移がほぼ完了していると判定された場
合、終了光学状態を保持するための保持電圧を印加する。保持電圧の大きさは、駆動電圧の大きさより
も小さい。
15.
(c)で検出された電流または開回路電圧が、光学遷移がほぼ完了したことを示す特性を有するかど
うかを判断することは、特定の方向の電流が閾値レベルを下回るか否かを判定する段階を含む。
16.前
記閾値レベルが0アンペアである、請求項15に記載の方法。
17.
(b)~(d)
が約5秒~5分の頻度で繰り返される、請求項14に記載の方法。
18.(b)において、(a)において駆動電圧を印加した後の所定の時間に電圧が低下し、前記規定され
た時間は最大約30分である、請求項14に記載の方法。

19.前記ステップ(d)の前に、前記検出された電流が前記(d)で決定された結果、前記バスバーに印
加される電圧の大きさを前記駆動電圧まで増加させるステップをさらに含む、 光学遷移がほぼ完了して
いることを示す特性を持たない。 (ii)(b)〜(d)を繰り返すことを含む。

※尚、上記特許の【請求範囲】は、同タイトルの再表示のものを翻訳(US10120258,Nov.6,2018)

1.10,120,258  Controlling transitions in optically switchable devices 
2 10,114,265  Thin-film devices and fabrication 
3 10,112,258  Coaxial distance measurement via folding of triangulation sensor optics path 
4 10,088,731  Multi-pane electrochromic windows 
5 10,088,729  Electrochromic devices 
6 10,054,833  Fabrication of low defectivity electrochromic devices 
7 10,048,561  Control method for tintable windows 
8 10,001,691  Onboard controller for multistate windows 
9 9,995,985   Electrochromic window fabrication methods 
10 9,962,170 Method and devices for treating spinal stenosis 
11 9,958,750  Electrochromic window fabrication methods 
12 9,952,481  Obscuring bus bars in electrochromic glass structures 
13 9,946,138  Onboard controller for multistate windows 
14 9,921,450  Driving thin film switchable optical devices 
15 9,927,674  Multipurpose controller for multistate windows 
16 9,921,450 Driving thin film switchable optical devices 
17 9,910,336  Spacers and connectors for insulated glass units 
18 9,904,138 Fabrication of low defectivity electrochromic devices 
19 9,897,888 Spacers for insulated glass units 
20 9,885,935 Controlling transitions in optically switchable devices 
21 9,885,934  Portable defect mitigators for electrochromic windows 
22 9,831,072  Sputter target and sputtering methods 
23 9,829,763  Multi-pane electrochromic windows 
24 9,778,532  Controlling transitions in optically switchable devices 
25 9,759,975  Electrochromic devices 
26 9,728,920  Connectors for smart windows 
27 9,723,723  Temperable electrochromic devices 
28 9,720,298  Electrochromic devices 
29 9,703,167  Electrochromic window fabrication methods 
30 9,690,162  Connectors for smart windows 
31 9,671,665 Connectors for smart windows 
32 9,671,664  Electrochromic devices 
33 9,664,976  Wireless powered electrochromic windows 
34 9,664,974  Fabrication of low defectivity electrochromic devices 
35 9,645,465  Controlling transitions in optically switchable devices 
36 9,638,978  Control method for tintable windows 
37 9,638,977  Pinhole mitigation for optical devices 
38 9,618,819  Multi-pane dynamic window and method for making same 
39 9,523,902 Mitigating thermal shock in tintable windows 
40 9,513,525 Electrochromic window fabrication methods 
41 9,507,232 Portable defect mitigator for electrochromic windows 
42 9,482,922  Multipurpose controller for multistate windows 
43 9,477,131  Driving thin film switchable optical devices 
44 9,477,129 Fabrication of low defectivity electrochromic devices 
45 9,454,056  Driving thin film switchable optical devices 
46 9,454,055  Multipurpose controller for multistate windows 
47 9,454,053  Thin-film devices and fabrication 
48 9,442,341  Onboard controller for multistate windows 
49 9,442,339  Spacers and connectors for insulated glass units 
50 9,436,055  Onboard controller for multistate windows 
51 9,436,054 Connectors for smart windows 
52 9,429,809 Fabrication of low defectivity electrochromic devices 
53 9,423,664 Controlling transitions in optically switchable devices 
54 9,412,290 Controlling transitions in optically switchable devices 
55 9,348,192 Controlling transitions in optically switchable devices 
56 9,341,912 Multi-zone EC windows 
57 9,341,909 Multi-pane dynamic window and method for making same 
58 9,320,535 Tissue removal system with retention mechanism 
59 9,261,751 Electrochromic devices 
60 9,229,291 Defect-mitigation layers in electrochromic devices 
61 9,164,346 Electrochromic devices 
62 9,158,173 Spacers for insulated glass units 
63 9,140,951 Electrochromic devices 
64 9,128,346 Onboard controller for multistate windows 
65 9,116,410 Multi-pane electrochromic windows 
66 9,110,345 Multi-pane dynamic window and method for making same 
67 9,102,124 Electrochromic window fabrication methods 
68 9,081,247 Driving thin film switchable optical devices 
69 9,081,246 Wireless powered electrochromic windows 
70 9,030,725 Driving thin film switchable optical devices 
71 9,019,588 Connectors for smart windows 
72~95は紙面の都合で割愛

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#IHearYou それはそうだけれどⅠ

2018年11月06日 | 省エネ実践記

  


                                  

第66章 統治者はへヽりくだらねばならぬ
百川の流れを集める大河と海洋、それは川の王者である。川より低く位置するから、川を集めて王者と
なる。
同様に、人民を統治しようとすれば、まず辞を卑くしてへりくだらねばならや。人民を指導しようとす
れば、まず退いて後に従わねばならぬ,聖人は、この道理をわきまえている。したがって、聖人の統冶
のもとでは、人民はいささかの抑圧をも感じないレ、聖人の指導のもとでは、人民はいささかの束縛を
も感じない。
その結果、万民ことごとく聖人を推戴して、だれひとり争いをしかけようとはしない。それというのも、
聖人の方で、ひとと争う心を捨てているからだ。

江海は百谷の王 韓非の同門李斯は、他国賓の故をもって追放されようとしたとき、始皇帝に上書した。
いわく、「泰山は土壌を譲らず、河海は細流を択ばず(泰山は土壌をえりごのみぜぬねために大となり、
利侮はすべての細流を合するために深くなる)」。上書の効能あらたかに、李斯は追放を免れ、後に宰
相にまで出世する。そして「利府は細流を択ばず」は、王者たる者の度量の広さを表わす名文句として、
後世に伝えられることになった。
老子も、王者の徳を河海にたとえる。だが、着眼点が李斯と異なる。どちらに軍配をあげるかは、各自
で考えていただきたい。

第67章 「われに三宝あり」 
 大きいことは大きいが、どことなくぬけているようだ」。わたしの説く「道」を、世間はこのように批評している。
「道」はたしかに大きい。大きいからこそまがぬけて見える。まがぬけて見えないくらいなら、大きいなどといえは
しない。
この「道」から、三つの宝が引き出せる。第一は、「人をいつくしひ」心である。第二は、「物事を控え目にする」態
度である。第三は、行動において「人の先に立だない」ことである。
人をいつくしむからこそ、勇気が生まれる。控え目だからこそ、窮まることがない。人の先に立たぬからこそ、人を
指導することができる。
もし、いつくしみの心も持たずに、ただ勇のみをこころがし、控え目な態度も知らずに、ただ無窮のみを願い、退く
ことも忘れて、ただ人に先立つことのみを考えるなら、結果は破滅あるのみだ。
いつくしみの心をもつ者は、戦えばかならず勝ち、守れば難攻不落である。いつくしみの心、それはまさしく、天が
万物を保護する心なのだ。
 
● 23年開園 北海道ボールパーク

 

 No.20

ヒトを含めたすべての動物の体は、無数の分化した細胞で構成されている。分化した細胞は通常、分化
前の未分化な状態に戻ることはないが、分化した細胞核を未受精卵子内に移植し、細胞核が初期化され、
未分化な状態に戻りる。この初期化技術を用いて、クローン動物が多くの動物種でつくられてきま。細
胞を初期化しつくる人工多能性細胞(iPS細胞)の発見により、再生医療は大幅な進展を遂げる。しかし、
卵子内で分化細胞核がどのように初期化されるかはわかっておらずその全容解明が望まれている・・・・・・



「遺伝子発現の初期化」に重要な要素を発見

7月11日、近畿大学らの研究グループは、分化※1 した細胞が卵子の中で初期化され、新たに遺伝子
の転写※2 を開始する際、遺伝子ごとに効率が大きく異なる原因を明らかにしたことを公表している。
それによると、初期化の本質解明にむけ重要な発見であり(7月11日(水)日本時間 AM1:00)に、米国
の学術雑誌「Cell Reports
オンライン版に掲載)、分化した成体の細胞を卵子の中に移植し分化前の状態
に戻せる
。この現象を「初期化」といい、初期化技術を用いてクローン動物がつくられ、再生医療が大
きな進展を遂げてきまたが、分化した細胞が卵子の中でどのように初期化されるのか解明されていなか
った。初期には、分化細胞で発現する遺伝子を抑制し、未分化細胞のみ発現する遺伝子を活性化する必
要があえう。この遺伝子発現――細胞内で遺伝子のスイッチが入りRNAやタンパク質が合成される過程
――の初期化は効率が悪く、多くの遺伝子で失敗してきった。


同研究グループは、各遺伝子は場所による構造がことなり、閉じた状態と開いた状態の遺伝子があり、
その開き
具合によりDNA結合因子――DNAに結合するタンパク質などの因子を示す。この研究における
DNAへのアクセスの違いの検討には、Tn5 transposomeを利用――のアクセスが変わることを発見。また、
このアクセスのしやすさ
の度合いが初期化に大きな影響を与え、悪いと遺伝子発現の初期化が始まらな
いことも明らかなった。




この研究成果によって、分化した細胞が未分化細胞で発現する遺伝子を活性化には、遺伝子構造が開き
アクセス
しやすい状態にすることが重要であることを明らかにする。初期化しやすい状態へと遺伝子構
造を人工的に変化できれば、初期化効率をあげられ、転写初期化の解明に向けて重要な知見を示した。

このように、細胞核内には遺伝情報を有するDNAが存在し、DNAはクロマチン構造を形成する。クロマ
チン構造による、DNAへの核内タンパク質のアクセスが制限され、これにより各遺伝子からの転写は大
きな影響を受ける。遺伝子発現の初期化前後で細胞核内のクロマチン状態を、ATAC-seq(Assay for Trans-
posase-
AccessibleChromatinSequencing)と呼ばれる手法で調べ、クロマチン構造を形成せず、容易にアクセ
ス可能なDNA領域を同定。遺伝子の転写状態との関係を調べると、分化細はアクセス可能なDNA領域が優
先的に遺伝子発現の初期化を受けることを明らかなる。


逆に、分化細胞ではてアクセス不可能となっている領域からも遺伝子発現の初期化は起こるが、その効
率は高くない。例えば、卵に細胞核を移植後も継続的にアクセス不可能な状態を維持している遺伝子も
多く見られ、遺伝子発現の初期化を成功させるには、アクセス不可能の状態からアクセス可能へとクロ
マチン状態を変化させる必要があります。研究グループは、転写因子※6 と呼ばれるDNAに直接結合する
タンパク質によりクロマチン状態の制御が行われることを示した。
以上の研究成果は、多くが謎とされ
てきた卵子内での分化細胞核の遺伝子発現初期化機構に迫るもので、初期化の解明に向けて重要な知見
となる。

この研究により、卵内での遺伝子発現の初期化には、クロマチン構造をアクセス可能な状態へと人工的に変化さ
せることが重要であることを明らかになったことで、アクセス状態を促進する因子を用いることで初期化効率の向
上が見込まれ、初期化技術の効率化により再生医療やクローン技術の更なる発展が期待されている。

 ● 読書日誌:カズオ・イシグロ著『忘れられた巨人』 No.17   

   

第4章
「あのマントはどうなったんだろう、おまえが人切にしていたマントけ」
「所詮はマントですよ、アクセル。どんなマントも、着ていれぼすり切れてきます」

うわI、と思った。こんなに遠くから、そしてこんなに高くから、自分の村を見だのは生まれて初めて
だ。小さくて、なんだかこの手でつまみ上げられそうに思える。ためしに、午後のかすみの中に浮か
ぶ村に手を重ね、ぐいと指で包み込んでみた。登るのを心配そうに見上げていた老婦人がまだ木の根元
にいて、それ以上登ってはだめよ、と呼びかけている。だが、エドウィンは無視した。だって
、ぼくほど木を知っている人はいないから………戦士から見張りを命じられたとき、エドウィンは慎重
に考えて楡の木を選んだ。外見は弱々しくても内にさりげない強さを秘めていて、ぼくを歓迎してくれ
る。それに、あの橋も、橋までつづく山道も、ここからなら一番よく見える。ほら、馬に乗った男に三
人の兵隊が話しかけている。あ、騎手がいま馬から下りた。落ち着かない様子の馬を手綱で押さえなが
ら、兵隊と激しく言い争っていエドウィンは木をよく知っている。たとえば、この楡の木はステッフア
みたいだと思う。年長の少年たちはステッフアのことを「あんなやつ、森に棄てられて腐ってしまえば
いいんだ」と言う。

「両脚ともきかなくて働けない年寄りなんて、そうなって当然だろう?」と。だが、エドウィンはステ
ッフアの何たるかを知っている。ステッフアは古強者だ。誰も知らないが強い。物事の理解では長老た
ちをも超える。村でただ一人、戦場を経験している人間でもある

両脚の働きを失ったのは、その戦場でのことだ。そういうステッフアだからこそ、エドウィンの何たる
かを見抜くことができた。腕力が強い少年なら何人もいる。おもしろがってエドウィンを地面に転がし、
馬乗りになって殴ったりもする。だが、その連中には戦士の魂がない。あるのはエドウィンだけだ。

「君を見ていたぞ、少年」と一度老ステッフアに言われたことがある。
「降ってくる拳骨の雨のなか、君の目は冷静だった。一撃一撃を頭に刻み込んでいたのか?あれこそ最
高の戦士の目、荒れ狂う戦いの嵐の中でも沈着に動ける戦士の目だ。連からず、君は誰もが恐れる男に
なる」

そして、いま始まった。ステッフアの予言どおり、それが現実になりつつある。
強い風で木が揺れた。エドウィンは支えにしている枝を持ち替えて、今朝の出来事をもう一度思い出そ
うとした。歪んだ叔母の顔が見える。誰なのかわからないほどに歪んだ顔が金切り声で毒づいている。
だが、アイバー長老が最後まで言わせず、叔母を納屋の戸口から押しした。長老の背中にさえぎられ、
押し出される叔母の姿が見えなくなった。いつもエドウィンに親切にしてくれていた叔母が、いまはエ
ドウィンを呪う。だが、そのこと自体はたいして気にならなかった。しばらくまえ、「母さん」と呼ん
でくれないかと言われていたが、エドウィンは決してそう呼ぼうとしなかった。だって、ほんとうの母
さんは旅に出ているもの。ほんとうの母さんは、あんなふうに金切り声で怒鳴って、アイバー長老に引
きずり出されたりしないもの………それに、今朝、納屋の中で、エドウィンはほんとうの母の声を聞い
た。

アイバー長老はエドウィンを納屋の暗闇に押し戻し、叔母の醜く歪んだ顔を――その他のすべての顔と
一緒に――連れ出して、ドアを閉めた。暗い納屋の真ん中に古い荷車があった。最初はおぼろな黒い影
でしかなかったが、やがて徐々に輪郭が見えてきた。手を仲ばすと、腐った木の湿っぽい感触があった。
外ではいくつもの声がまた叫んでいる。何かがぶつかるような音も始まった。ぱらぱらと散発的に始ま
り、やがていくつかがまとまって当たる音になり、ものが裂けるような音が加わった。その音がするた
び、納屋の中がわずかずつ明るくなるような気がした。

ぼろ壁に石が投げつけられる音であるのはわかっていたが、エドウィンはそれを無視し、目の前にある
荷車をじっと見つめた。どれほど昔に使われていたものだろう。なぜこんなによじれた形になっている
のだろう。もう使えないのに、なぜ納屋にしまい込まれているのだろうか。
母の声が聞こえたのはそのときだ。外の騒ぎや石のぶつかる音で最初は聞き取りにくかったが、だんだ
んとはっきりしてきた。

「こんなことは何でもないのよ、エドウィン」と母は言った。
「全然何でもない。簡単に堪えられる」 
「でも、長老たちだって、いつまでも抑えているのは無理じやないかな」とエドウィンは暗闇に向かっ
て小声で言った。言いながら、手で荷車の側面をなでた。
「何でもないのよ、エドウィン。何でもない」
「壁は薄いから、石を投げつづけたら壊れるよ」
「心配ないのよ、エドウィン。知らなかった?石はおまえの力でどうにでもなる。ご覧、目の前にある
のは何」
「壊れた古い荷車」
「そう。その荷車の周りを回りなさい、エドウィン。ぐるぐる、ぐるぐる。おまえは大きな輸につなが
れた駿馬よ。だから、ぐるぐる回りなさい、エドウィン。おまえが回らないと、大きな輪は回らない。
おまえが回らないと、石は飛んでこない。ぐるぐる、ぐるぐる、回りなさい、エドウィン。荷車の周り
をぐるぐる、ぐるぐる」
「なんで輪を回さないといけないの、母さん」とエドウィンは言った。言いながら、足はもう歩きはじ
めていた。

「お主えが駿馬だからだよ、エドウィン。ぐるぐる、ぐるぐる。石が壁を打つ音は、おまえが輪を回し
ていないとつづかない。輸を回して、エドウィン。ぐるぐる、ぐるぐる。荷車の周りを、ぐるぐる、ぐ
るぐる」

だから、エドウィンは母の言うとおり回った。荷台の板の縁に手を置き、回る勢いを削がないよう右手
と左手を置き替えながら回った。もう何度そうやって回ったろう。百回か。二百回か。回るたびに納屋
の隅に見えるものがあった。一つの隅には土饅頭か何かのように盛った上があり、別の隅――日光が緬
く射し込んで、納屋の床を照らしている隅――には、羽根も何もそのままで転がる烏の死骸があった。
薄暗がりの中を回るたび、その二つがエドウィンの目に飛び込んできた。一度「叔母さんはほんとうに
ぼくを呪ったのかな」と声に出してみた。返事はなく、母さんはもう行ってしまったのかと思った。だ
が、やがて声が戻ってきた。

「やるべきことをなさい、エドウィン」と言った。
「おまえは駿馬よ。まだ止まってはだめ。すべてはおまえしだいだからね。おまえが止まれば、あの騒
ぎも止まってしまう。だから、恐れてはだめ」

ときには、一度も石の当たる音を聞かないまま、荷車を三回も四回もめぐることがあったが、直後、今
度はその少なさを埋め合わせるように一度にいくつもの音がして、外の叫び声が一段と大きくなった。

「母さんはいまどこにいるの」とエドウィンは尋ねてみた。「まだ旅をしているの?」

答えはなかったが、さらに何回りかしたあとで母の声がした。

「弟や昧を生んであげられたのにね、エドウィン。それも、たくさん。でも、おまえ一人きりだ。だか
ら、わたしのために強くなっておくれ。十二歳なら、ほとんど大人だよ。一人で、四、五人ぶんの息子
になっておくれ。強くなって助けにきて」

また風が吹いて、楡の木が揺れた。あの納屋だろうか、とエドウィンは思った。狼が村に来た日、みん
なが隠れたというのはあの納屋だったのだろうか。そのときの話は、老ステッフアから何度も聞いてい
る。
 
君はまだ幼かった。だから覚えていないかもしれないな。昼日中に狼が三匹、のそのそと村に入り込ん
できたことがあった」

そしてステッフアの声には軽蔑がこもる。

「村中が震え上がって隠れた。畑に出ていたのも何人かいたが、それでも村には大勢残っていたんだ。
それがみんな脱穀小屋に隠れた。女子供だけじゃない。男たちもだ。狼の目つきがおかしい、と言った。
だから、へたにちょっかいをかけないほうがいい、とな。狼にとっちゃ楽なもんだ。やりたい放題さ。
雌鶏を皆殺しにし、山羊も食らった。それでも、村人はみんな隠れたままだ。自分の家に隠れたのもい
たが、ほとんどは脱穀小屋の中だ。おれはこの脚だから、いた場所にそのまま放っておかれた。つまり、
ミンドレッドさんの家の外、溝のわきで、動かないこの脚を突き出したまま手押し車の中よ。狼がおれ
のほうにとことこと歩いてきた。来て食らえ、と言ってやった。たかが簑ごときで、おれは納屋に隠れ
たりせんぞ・・・・・・。だが、狼はおれに目もくれず、目の前を通り過ぎていった。やつらの毛皮がこの役
立たずの足をこするかと思うほど近かった。簑はすっかり満足して出ていった。この村の勇敢な男たち
が、おっかなびっくり隠れ場所から這い出してきたのは、それからずいぶん経ってからだ。昼日中に狼
が三匹。立ち向かう男はI人もなしさ」

エドウィンはステッフアの話を思い出しながら、荷車をめぐりつづけた。

「母さんはまだ旅をしているの?」と、もう一度尋ねた。今度も返事はなかった。脚がだんだんくたび
れてきていた。土の山と烏の死骸を昆るのが、心底いやになってきていた。そのとき、ようやく母が言
った。

「もういいよ、エドウィン。よくがんばったね。さあ、もう戦士を呼んでもいいよ。終わりにしましょ
う」

エドウィンはこれを間いてほっとしたが、そのまま荷車の周りを回りつづけた。ウィスタンを呼ぶには
多少の努力では足りないとわかっていた。前の晩と同様、ウィスタンが来てくれることを、心の奥底か
ら強く願わなければならないと思った。
そして、そのために必要な強さをなんとか絞り出し、回りつづけた。戦士がこちらへ向かっているとい
う確信を得てから、ようやく足取りを緩めた。そう、いくら騏馬でも、一日の終わりが近くなれば多少
は鞭の手加減が必要になる。足取りを緩めたとたん、石の当たる音が間遠になり、それに気づいてエド
ウィンはにこりとした。だが、完全に足を止めたのは、投石がやみ、静けさが長くつづいたあとのこと
だ。荷車にもたれて息を整えていると、突然、納屋のドアが開き、目もくらむほどの光の中に戦士が立
っていた。

ウィスタンは、背後のドアを大きく開け放したまま入ってきた。それは、ついさっきまで外に集まって
いた悪意ある人々への、軽蔑の表明のように思えた。納屋の中に日の光の大きな四角形ができ、エドウ
ィンは周囲を見回した。暗闇の中ではあれほど存在感のあった荷車が、いまは見るも無残なぽんこつと
化していた。あのあとすぐ、ウィスタンはぼくを「若き同志」と呼んだんだっけ……?・よく思い出せ
なかったが、戦士に光の四角形の中へ導かれたことは覚えている。そこでシャツを引き上げられ、傷の
様子を調べられた。そのあと、ウィスタンはまっすぐに背を仲ばし、注意深く肩越しに後ろを振り返っ
てから、低く言った。

                            カズオ・イシグロ著『忘れられた巨人』
 
                                       この項つづく 



● TVドラマ『ドロ刑』に嵌る
「生涯ながら族」のわたしに、楽しみにするテレビ番組は年々少なくなり。釘づけにする「ドラマ性」
がない、というのがその理由。おとなのアニメだと思っている『フィニアスとファーブ』と最近までは
『ドクターX』がそれであった。情報過剰?で勝手気ままな現代社会では「視聴率主義は無意味」だ。
かといって重苦しいシリアスな番組でなく、軽薄で陳腐化しやすい企画もの(NHK的な偏執的な番組」?
は別にして、手などの身体をとめてまでして観るものは希少だ。

日本の刑法犯の7割以上を捜査し、検挙率第1位を誇る!それは、刑事部・捜査第三課。 窃盗、ひった
くりを捜査する彼らは、通称「ドロ刑」と呼ばれる。 「捜査の全てはドロ刑に始まり、ドロ刑に終わ
る――。」 憧れと希望に満ち溢れ、 警視庁"捜査三課"に配属された新米刑事・斑目勉(まだらめつと
む)が出逢ったのは、 稀代の大泥棒・煙鴉(けむりがらす)だった。 磨き抜かれた練達の職業泥棒た
ち、 煙のように捉えどころのない煙鴉、果たして彼らを捕まえることはできるのか……!!? 盗られた
モノは捕り戻す!YJ期待の新鋭が描く"泥棒×刑事盗物帖"明日から試せる防犯テクニックも充実!!
"ドロ刑"こそが、刑事の華だっ!!!――『ドロ刑』は、福田秀による漫画。『週刊ヤングジャンプ』
(集英社)2018年5・6合併号から連載中。話数カウントはEpisode;○○。2018年10月13日に『ドロ刑-
警視庁捜査三課-』のタイトルで日本テレビ系でテレビドラマ化。


  

  ● 今夜の一曲

『サボテンの花』 唄 財津和夫 
Music Writer 財津和夫

 

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