第81章 「俗言は美ならず、美言は信ならず」
真実を語ることぱは、飾り気がない。飾ったことばは、真実を語らない。行ないが正しい者の口は、
雄弁ではない。雄弁なものは、行ないが正しくない。真の知者は、もの知りではない。もの知りは、
真の知者ではない。
聖人は、自己のために徳を積むわけではない。ひとのためにすべてを捧げつくすが、そのことによ
ってかえって限りなく豊かな境地を得るのだ。天の道は、万物を利するばかりで、これをそこなう
ことがない。これと同じく、聖人の道は、ひとにつくすだけで、自己を主張することがないのであ
る。
〈聖人は、自己のために徳を積むわけではない〉 原文は「聖人は積まず」。通説は、聖人はなに
ものをも蓄積しない、と解釈するが、従わなかった。
【滋賀のパワースポット:百済寺】
百済寺(ひゃくさじ)は1400年以上前の推古14年、聖徳太子によって創建された近江国最古級の
寺院。名だたる人物の歴史舞台として、また天台別院と称され、近江の人々の信仰を集めてきまた。
紅葉は暖かい秋の気配でこれから深まると言った案配。仁王門に飾られた大草鞋が、8年ぶりに新
調され、参拝者は足をとめて、威厳の漂う風格に見入っている。大草鞋は仁王像が履くとされ、寺
のシンボル。17世紀半ばごろから飾られるようになり、触れると無病長寿のご利益があるとされ、
10年前後で地元住民が作り直しているとか。そこでデジカメでワン・ショット。門前の屋台で蓬
餅(よもぎもち)を買い、車の中で蓬が口いっぱいに匂い立ち美味しく頂きました。帰宅後に早速、
彼女からメールが届き掲載した次第。
No.22
❦ iPSから対がん免疫細胞を作製
11月16日、京都大の研究グループは、人のiPS細胞から、がんへの攻撃力を高めた免疫細胞「キラ
ーT細胞」を作製したことを公表(iPSから対がん免疫細胞を作製 京大などが発表(朝日新聞
デジタル 2108.11.16)。免疫の力でがんを治療する「がん免疫療法」の新たな手法につながる可能性があ
る。京大iPS細胞研究所が保管するiPS細胞を使うことで、短期間で多くのキラーT細胞をつくることができ
る。今後、実際の患者に使う臨床試験の準備を進める。
人の体内では、絶えずがんが生まれているが、キラーT細胞を含む免疫細胞が攻撃することで、健
康を保っている。だが、がんが免疫のしくみを回避したり、免疫細胞の攻撃力が弱まったりすると
がんが増殖し、発症すると考えられている。チームは、第三者の血液由来のiPS細胞にがんを認
識する遺伝子を組み込んだ。その後、キラーT細胞のもととなる細胞の状態に変化させて増殖。ス
テロイドホルモンなどを加えて培養し、がんを攻撃する高品質のキラーT細胞をつくった。人のが
んを再現したマウスに注射したところ、何もしない場合に比べ、がんの増殖を3~4割に抑えられ
た。がん治療薬「オプジーボ」は、がんが免疫のしくみを回避するのを防ぐ。一方、今回の方法は
免疫の攻撃力を上げることで、がんの治療をめざす。チームの金子新・京大iPS細胞研究所准教
授は、従来の免疫療法が効かない患者への治療法や、併用して使う選択肢にしたいと話す。尚、科
学誌「セル・ステムセル」に掲載。
【バイオテクノロジーの標準化技術篇:核酸分子“絶対濃度”の精密定量】
Titol: Absolute Quantification of RNA Molecules Using Fluorescence Correlation Spectroscopy with Certified
Reference Materials
11月15日、産業技術総合研究所は、分子数をカウントすることでRNA濃度を絶対定量する方法
の開発ことを公表。この技術は、1分子イメージング法の一つである蛍光相関分光法(FCS)で蛍
光染色したRNAの分子数を直接数えてRNAの濃度を定量化できる技術で、認証標準物質(SRMとCR
M)を利用し、この定量分析法の妥当性評価を行った。この技術は、今まで重量ベースで行われて
いたRNA濃度の定量を、分子の配列や長さによらず直接定量できる画期的な分析技術であり、RNA
の定量分析法を高精度化させる。
遺伝子診断やオーダーメード医療が注目されてきている。遺伝子関連検査は急速に進歩しているが、
検査システムの品質保証やデータの標準化が未整備なままで、これらの標準化は遺伝子関連検査の
普及や信頼性保証の上で重要な課題となっている。標準化の課題の一つに、品質の保証された標準
試料が未整備という問題がある。現在用いられている遺伝子の定量法は、濃度既知の標準試料で検
量線を作成して、試料濃度を相対的に算出するものがほとんどである。
しかし、診断対象は多様化しており、全ての検査対象の標準試料を用意することは現実的ではない。
このような状況のため、検査機関や検査日によって定量値がばらばらになり、比較できないことが
遺伝子診断の信頼性確保の問題となっている。そのため、配列も長さも異なるターゲット核酸の数
を簡便に直接絶対定量する技術と、その技術を適用した核酸標準物質の開発が望まれていた。
上図:PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は核酸を増幅し、その増幅曲線から核酸の量を定量する方法。
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)はカラムに液体を加圧して通過させて分離し検出する方法。
【概要】
FCSは、微小な測定領域にレーザーを照射し、その領域に蛍光分子が出入りすることで生じる『蛍
光強度のゆらぎ』を解析して分子の数や、分子の拡散速度を測定できる手法である。原理的には生
体分子の分子数を数えることが可能である。しかし、分子数を普遍的な単位である「濃度」に変換
するには、測定領域の正確な体積が必要である。これまで、レーザー照射領域の形状を仮定し、拡
散速度が既知の蛍光色素のFCS測定結果から測定領域の体積を推定していた。しかし、レーザー照射
領域の形状の仮定は装置の種類によってしばしば実際と異なることが報告されており、校正方法と
して十分ではなかった。今回、濃度の認証値をもつ認証標準物質(SRM、CRM)を利用して、正確
な測定領域を求めた(下図1)。
※特開2016-217887
今回の技術では、認証標準物質(蛍光色素)で厳密に校正されたFCS測定装置を用い、蛍光染色した
RNA分子を水溶液内で直接カウントして分子数を絶対定量する。さらに、産総研で開発された核酸認
証標準物質を用いて、認証値とFCSによる実測値を比較したところ、絶対定量分析法が妥当であるこ
とが確認できた(下図2)。
【エネルギー通貨制時代 20】
”Anytime, anywhere ¥1/kWh Era”
Mar. 3, 2017
【環境・社会・ガバナンス事業戦略篇:NYK スーパーエコシップ2050】
11月14日、日本郵船グループは、船舶の脱炭素化に向けた新コンセプトシップ「NYKスーパー
エコシップ2050」を考案したと発表した。太陽光パネルを搭載し、燃料には再生可能エネルギー由
来の水素を使用することで「CO2排出量ゼロ」を実現する。自動車専用船をモデルにした2050年のコ
ンセプトシップ。再エネ由来の水素を燃料とし、排熱も利用する高効率な燃料電池システムを用い
て推進。太陽光パネルの設置により長距離の航海にも対応する。空気を船底に送り込み泡を発生さ
せて海水の摩擦抵抗を減らす空気潤滑システムや、従来のプロペラの代わりに複数のフラップ状の
フィンをイルカの尾のように動かす高効率な推進装置などにより、現在運航される一般的な艦船と
比べて70%のエネルギー削減が可能。
船体構造には数学的・力学的に最適化された形状を採用し、軽量化のために素材には複合材などを
使用する。軽量になると、船体が不安定になるため、コンピューター制御のジャイロスタビライザ
ーなど、揺動を軽減する装置を導入し、安定性を維持。このほかにも、船体の状況をデジタル上に
再現するデジタルツイン技術により、陸上専門家によるリアルタイムな分析、事故や不具合を未然
に防ぐ最適な整備計画を立案する。船体の大きさは、全長199.9m、全幅49.0m、計画喫水9.0m、エア
ードラフト31.0m。 同社グループが2018年度からスタートした中期経営計画「Staying Ahead 2022
with Digitalization and Green」の取り組みの一環。日本郵船の100%子会社であるMTIとフィンランド
の船舶技術コンサルタント会社Elomaticが2009年に共同発表した「NYKスーパーエコシップ2030」
の要素技術を見直している。
【省エネ送電事業:三菱電機「直流送電」本格展開】
11月15日、密菱電機は、直流送電システムの製品開発・検証を行うための検証施設「HVDC検証
棟」を建設し、26日から稼働開始する。直流送電は、交流送電より送電効率が高く、太陽光発電
や風力発電などとの連系が容易なため、再生可能エネルギーの利用拡大によるCO2削減に貢献する。
直流送電のなかでも、「自励式」を開発・検証する。直流送電システムには、交流・直流間の変換
に交流系統内に変換器容量に見合った発電機が必要になる「他励式」と、これらが不要な「自励式」
があり、接続する系統条件に制約の少ない自励式の需要が今後増加すると予想される。自励式は、
直流・交流間の電力変換を行う複数の変換所と、これらを接続するケーブルまたは送電線から構成
される。
HVDC検証棟では、交流送電線事故・直流事故発生時の動作検証を行う。主要設備として、設備容量
50MWのBTB(送電線を持たない直流送電設備)構成で、変換装置、制御・保護装置、受電設備などを
備える。なお、太陽光や風力などの再エネ発電設備は設置していない。鉄骨造で一部地上2階建て、
延床面積は1767.8m2。同社は、自励式直流送電システム事業に参入し、トータルブランド「HVDC-Dia-
mond」をグローバルに展開する。HVDC-Diamondは、個々のシステム要件に最適な制御機能およびハ
ードウエア構成を採用し、運用時の安定運転と落雷など交流送電系統事故発生時の運転継続を実現。
高速応答の保護機能により、直流事故発生時の過電流による設備機器の損傷を防ぐ。また、高耐圧・
大電流パワー半導体モジュール(HVIGBT)の採用で変換装置のモジュール数を削減して電力変換所を
小型化・低コスト化。HVIGBTを2列・並列構成にして幅広い送電容量帯に対応する。2020年度まで累
計受注高500億円以上を目指す。
【出力制限事業篇:デジタル&エネルギー貯蔵革命で対応】
11月16日、NHKの「おはよう日本」で九州電力の出力制限を受け、再エネ先進国のアイルラン
ドで電力の需給バランス実態を現地調査報告がされていった。それによると、❶まずアイルランド
は、風力発電を主体としてタービンのウイング角度を自動制御することで周波数変換し出力制御で
対応できるていること、❷また、余剰の電力は真空中で回転するフライホイールに蓄電し対応して
いる。❸次に、これらの発電発電ポイント情報をネットワークで接続しリアルタイムで制御するこ
とで制御(デジタル)されている。これに対し九州電力では、情報のやりとりを電話とファックス
で交換(アナログ)していることから比べ、生産性・安全性・堅牢性において格段の差があること
など、出力問題は技術的には解決している。後は本腰を入れて投資すれば終わる問題であることが
了解できる、念のため、下記の1年前のNHKの映像を参考に掲載する。また、フライホール技術に
ついては残件扱いとする。
Power storage wiをth Flywheels
【水素直燃事業篇:トヨタが「水素バーナー」を新開発、工場二酸化炭素ゼロへ】
11月15日、トヨタが水素を燃料として利用できるバーナーを開発。自動車生産工場に導入し、
二酸化炭素排出量の削減に活用する。工業利用を目的とした汎用水素バーナーの実用化は、世界初。
これまで、水素バーナーは、水素が酸素と急速に反応し、激しく燃焼することで火炎温度が高温に
なり、環境負荷物質である窒素酸化物(NOx)が多く生成されるために、実用化は困難とされていた。
一方、今回開発した水素バーナーは、水素を緩やかに燃焼させる「水素と酸素が混ざらないように
する機構」と「酸素濃度を下げる機構」の2つの新機構を導入し、二酸化炭素排出ゼロに加えて、
同規模の都市ガスバーナーレベル以下まで窒素酸化物(NOx)排出を大幅に低減させるなど、高い環
境性能を両立したという。
1つ目の水素と酸素が混ざらないようにする機構は、水素と酸素をバーナー内で並行に流し、完全
に混合していない状態で緩慢に燃焼させることで、火炎温度を下げる。もう1つの酸素濃度を下げ
る機構は、水素をバーナー内に供給するパイプの中腹に小さな穴を空け、少量の水素と酸素をあら
かじめ燃焼させ、酸素濃度を適正値に下げた状態で主燃焼が始まるようにして火炎温度を下げると
いう仕組み。この技術によって、現在国内工場で1000台以上導入され、工場設備の中でも二酸化炭
素排出量が多い大型都市ガスバーナーを水素バーナーに置き換えることが可能となる。トヨタでは
中長期の環境目標の中で掲げる「工場CO2ゼロチャレンジ」実現に向けて、水素バーナーを他工場へ
順次展開していく予定で、同グループ会社内への導入も検討する方針。
● 今夜の一曲
" Beauty and the Beast" (Movie of 2017)
Song Writer:Howard Ashman /Alan Merken
Singer: John Legend/Ariana Grande