8.泰 伯 たいはく
ことば------------------------------------------------------
「人のまさに死せんとするや、その言うこと善し」(5)
「士はもって弘毅ならざるべからず。任重くして道遠し」(8)
「民はこれによらしむべし。これを知らしむべからず」(10)
「その位に在らざれば、その政を謀らず」(15)
「学は及ばざるがごとくするも、なおこれを失わんことを恐る」(18)
------------------------------------------------------------
14.まじめに勉強し、道の実現をはかる。
将来性のない国には足を踏み入れないこと、無秩序な国にはとどま
らないこと。道が行なわれている時代には積極的に仕官すべきであ
る。にもかかわらず貧賎に甘んじている、これは君子としての義務
に反する。道が行なわれない時代には一歩後退すべきである。にも
かかわらず富貴を得る、これもまた君子としての義務に反する。
(孔子)
子曰、篤信好學、守死善道、危邦不入、亂邦不居、天下有道則見、
無道則隠、邦有道、貧且賤焉、恥也、邦無道、富且貴焉、恥也。
Confucius said, "Believe in the Way and study hard. Keep the
faith until your death and improve your Way. Don't enter a
dangerous country. Don't stay a decadent country. You should
be active when the world is in order. But you should live in
retirement when the world is in disorder. It is shame being
poor and low when the country is in order. It is shame being
rich and noble when the country is in disorder."
【佐竹本三十六歌仙トレッキング; 柿本人麿① 】
#TheThirtySixImmortalPoets#KakinomotoHitomaro
佐竹本三十六歌仙絵巻は、三十六歌仙を描いた絵巻物で、鎌倉時代
(13世紀)に制作された。久保田藩(秋田藩)主・佐竹家に伝来し
た、三十六歌仙絵の草分け的存在にして、代表的な作品である。書
は後京極良経、画は藤原信実によると伝わる。元は上下2巻の巻物
で、各巻に18名ずつ、計36名の歌人の肖像と住吉大明神が描か
れていたが、1919年(大正8年)12月20日に各歌人ごとに
切り離され、掛軸装に改められた。原型とは異なっているが、一部
を除き重要文化財に指定されている。
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ、斉明天皇6年(660年)頃 -
神亀元年(724年)3月18日)は、飛鳥時代の歌人。名は「人麿」
とも表記される。後世、山部赤人と共に歌聖と呼ばれ、称えられて
いる。また三十六歌仙の一人で、平安時代からは「人丸」と表記さ
れてもいる。天武朝のころから文武朝にかけて活躍した宮廷歌人。
軽皇子に随行し宇陀の阿騎野を訪れた際、「ひむがしの野にかぎろ
いのたつ見えてかへりみすれば月かたぶきぬ」と詠った。これは万
葉集の中でも秀歌のひとつに数えられ、天武・持統天皇にとって宇
陀は壬申の乱の際に通った思い入れがある地である。持統天皇の皇
太子である軽皇子は父(草壁皇子)を偲んでこの阿騎野へ猟に訪れ
たと考えられている。『万葉集』第一の歌人といわれ、長歌19首・
短歌75首が掲載されている。その歌風は枕詞、序詞、押韻などを駆
使して格調高い歌風である。また、「敷島の 大和の国は 言霊の助
くる国ぞ まさきくありこそ」という言霊信仰に関する歌も詠んで
いる。長歌では複雑で多様な対句を用い、長歌の完成者とまで呼ば
れるほどであった。また短歌では140種あまりの枕詞を使ったが、
そのうち半数は人麻呂以前には見られない独創性が特徴。
次の歌は枕詞、序詞を巧みに駆使しており、百人一首にも載せられ
ている。ただし、これに類似する歌は『万葉集』巻11・2802の異伝
歌であり、人麻呂作との明証はない。『拾遺和歌集』にも採られて
いるので、平安以降の人麻呂の多くの歌は、人麻呂に擬せられた歌
とされる。(出展:Wikipedia)
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む
足日木乃 山鳥之尾乃 四垂尾之 長永夜乎 一鴨將宿
夜になると谷を隔てて独り寂しく寝るという山鳥の長く垂れた尾の
ように、長い長いこの夜を、私は独り寂しく寝るのだろう。
このような企画はたっぷりとした時間(こだわり)がなければ成
立しないと再感心しながら長い夜を楽しんでいる。
【ポストエネルギー革命序論84】
高知県の平均気温は100年で約1.5℃上昇
適応策の必要性を訴求
11月1日、環境ビジネスの情報によると、高知県は10月30日、
気候変動の影響を伝えるとともに、その影響に適切に備える「適応
策」の必要性や県の取り組みを紹介するコンテンツをウェブサイト
で公開してとのこと。高知地方気象台の観測によると、高知県の年
平均気温は長期的に有意に上昇を示しており、100年あたり1.5℃(
統計期間:1886~2018年)の割合で上昇している。気温の変動は地
球温暖化の影響や観測所が都市部にあることによるヒートアイラン
ドの影響があり、さらに数年~数十年程度の時間規模で繰り返され
る自然変動が重なっていると考えられている。一方、年降水量は、
はっきりとした長期的な変化傾向はみられていない。
また、高知県の気候変化予測では、21世紀末、地球温暖化が最も進
行する場合、20世紀末に比べて年平均で4℃上昇し、季節によって
3.6℃~4.6℃程度の上昇が予測されている。季節別では、冬の上昇
が最も大きいと予測されている。また、高知市の年平均気温は、現
在の種子島(鹿児島県)より高くなると予測されている(現在の年
平均気温の平年値高知市:17.0℃、種子島:19.6℃)。
高知県が取り組む適応策
高知県では、2010年度に「高知県地球温暖化対策実行計画」に基づ
き、地球温暖化対策を総合的・計画的に実施してきたが、すでに温
暖化がある程度進行し、その影響と考えられる現象が同県でも表れ
ている。そこで、県計画を改定し、地球温暖化をできるだけさせな
い取り組み(緩和)に加えて、地球の温暖化に適切に対応する取り
組み(適応)も併せて実施する。高知県は、すでに現れている・予
測される温暖化の影響や、2018年度末までの適応策の取り組み状況
など一覧表にまとめ掲載している。たとえば、温暖化の影響として
挙げた「夏季の外気温の上昇に伴う家庭での空調機器の使用の増加
による人工排熱の増加」には、施策として「空調機器の使用抑制に
つながる高断熱の外皮性能を備えた長期優良住宅の普及促進」を実
施し、2018年度の認定実績は認定件数467件、長期優良住宅率24.9%
(467/1,875)となっている。このほか、農業・林業・水産業など
での施策を掲載。
指でも動かせる空中映像
自動車からの引き合い
空中映像システムの開発を手掛けるパリティ・イノベーションズは
「CEATEC 2019」(2019年10月15~18日、幕張メッセ)で、空中に
映像を表示するシステムのデモを展示。同社は、多数の直交ミラー
で構成される結像光学素子「パリティミラー」を開発している。パ
リティミラーは、まずはプリズムのような直交ミラーが並んだ金型
を作り、それを樹脂の上に熱転写で製造していく。パリティミラー
の下に発光体(光源)を置くと、パリティミラーの内部で2回反射
し、光源と対称の位置に空中映像が結像される仕組み。光源は、液
晶ディスプレイをはじめ、写真にLEDの光を当てたものでも、何で
もよいとのこと。
パリティミラーの製造はかなり難しく、ノウハウが要るという。現
在は、15cm角のパリティミラーを販売していて、サンプル価格は
2万5千円。デモ機も提供している。20年のサンプル出荷を目指
して30cm角を開発中で、それを市場に投入できれば低価格化も実
現できると考えている。パリティ・イノベーションズによれば、パ
リティミラーは自動車メーカーからの引き合いが多いという。「車
内のスイッチなどに使いたいという声を聞く」と同氏は説明する。
その他、レストラン(メニューを立体的に表示する)、教育、トイ
レのスイッチ、工場に設置する工作機械のスイッチといった用途が
考えられるという。「幅広い用途で使用できる可能性がある」。
ウナギやワカサギの減少の一因として殺虫剤が浮上
宍道湖でネオニコチノイド使用開始と同時にウナギ漁獲量が激減
11月2日、産業技術総合研究所らの研究グループは、島根県の宍
道湖を対象とした調査により、水田などで利用されるネオニコチ
ノイド系殺虫剤が、ウナギやワカサギの餌となる生物を殺傷するこ
とで、間接的にウナギやワカサギを激減させていた可能性を公表。
それによると、ネオニコチノイド系殺虫剤はミツバチの大量失踪を
招いた可能性が報告されており、欧米では規制を強化する傾向にあ
るが、漁業に与える影響については世界的に未解明であった。農地
の大部分を占める主食は、欧米では小麦であるが、日本では米であ
る。ネオニコチノイド系殺虫剤は水溶性なので、水田で使用される
と流出して、河川や湖沼の環境に影響を与える可能性がある。
日本の湖沼での漁獲量は長らく減少傾向にある。その原因として湖
沼の貧栄養化と、オオクチバスやブルーギルなど、魚を主食とす
る外来魚の増加が指摘されてきた。しかしながら、日本の主な湖沼
では、有機物の量はほぼ横ばいで、明確に貧栄養化している湖沼は
ない。また、日本の湖沼でも特に漁獲量が多いのは淡水と海水が混
合した汽水湖であるが、汽水湖には淡水性のオオクチバスやブル
ーギルなどは生息できず、実態に即した漁獲量減少の原因解明は行
われていなかった。
研究成果
日本の主な湖沼において、水質調査の段階では貧栄養化が起きてい
るという証拠は得られなかった。一方、魚の多くが湖底に生息する
底生動物を餌としていることから、水質そのものではなく、湖底堆
積物が貧栄養化している可能性を検証することとした。底生動物の
餌と密接に関わる、湖底堆積物の有機物濃度の経年変化を解析した
ところ、宍道湖では1980 年代から1990 年代では有機物濃度が減少
したものの、以後は増加しており、水質のみならず湖底堆積物でも
貧栄養化は起きていなかったことが分かった(上図1、2)。
餌となる有機物が減少していないにも関わらず、1980 年代と比較
して、この調査で検討対象にしていないシジミを除く宍道湖の大型
底生動物の生息密度は、顕著に減少していた。特に節足動物の減少
が著しく、例えばオオユスリカ幼虫は、1982 年には1 m2当たり100
個体以上生息していたが、2016 年には全く採集されなかった(下
表1)。
オオユスリカは、かつて霞ヶ浦や諏訪湖など多くの富栄養化湖沼で
大量に羽化し、迷惑害虫とみなされていた。このため1990 年代ま
での宍道湖では、出雲河川事務所による宍道湖湖心での底生動物定
期調査に加え、1990~1992 年にはユスリカに特化した調査を行っ
ていた。また1993 年以降は湖心を含む5 地点で底生動物調査を行
っていた。これらの調査結果から、今回の調査で全く採取されなか
ったオオユスリカが、いつから生息が見られなくなったのか検討し
た。その結果、宍道湖では1992 年までは住民から苦情が出るほど
オオユスリカが生息していたが、1993 年以降、突然生息しなくな
ったことが分かった。また、宍道湖の動物プランクトンの大部分を
しめるキスイヒゲナガミジンコについても生息数の推移を検討した
結果、1993年5月に激減していたことが分かった(図3)。
宍道湖でオオユスリカ幼虫や動物プランクトンのキスイヒゲナガミ
ジンコの激減が生じた1993 年の前年、1992 年に、日本で「イミダ
クロプリド」がネオニコチノイド系殺虫剤として初めて登録されて
いた。従って、このネオニコチノイド系殺虫剤が日本で初めて使用
されたのは、田植えが一斉に行われる1993年5月頃だったと考えられ
る(下表2)。
ネオニコチノイド系殺虫剤
ネオニコチノイド系殺虫剤は水溶性で、昆虫に対して選択的に毒性
を発揮するため、有機リン系殺虫剤と比べ、人を含む哺乳類や、鳥
類・爬虫類への安全性は高いとされる。また、植物体への浸透移
行性を持ち、効果の持続性にも長けていることから、害虫予防や殺
虫剤の散布回数削減が期待されているが、効果の持続性に長けてい
るということは、環境に流出してから分解・消滅するまでに時間が
かかるということで、この特性からネオニコチノイド系殺虫剤の使
用が、宍道湖で顕著に見られた魚類の餌となる動物の減少と、それ
による漁獲対象であるウナギやワカサギの漁獲量の激減を間接的に
もたらしたものと推察。また、ワカサギやウナギは動物だけを餌に
する一方、シラウオは生活史の初期には植物プランクトンを餌に
するため、シラウオの漁獲量は激減しなかったと結論する。
人口減少時代のまちづくり⑰
25 奨学金の返済困難問題の背景は
【要点】
①大学などの学費が異常に高騰。
②卒業後、奨学金を返済できる環境が雇用の不安定・低賃金労働の
拡大などで大きく崩壊。
③欧米諸国の奨学金はほとんど「給付型」。
1 奨学金制度の仕組み
「奨学金制度」とは、経済的な理由や家庭の事情で「進学が 難しい
人」に対して、学費の付与や貸与を行う制度です。奨学金制度には、
国情を財源とする日本学生支援機構や地方自治体、民間団体のほか、
学校単位でも独白の奨学金制度を設けている。各奨学金の中し込み
基準や審査をクリアすれば、誰でも「進学に必要な金銭的サポート
」が受けられます。このほかにも、学生の能力に合わせた奨学金制
度、交通災 害遺児のための奨学金、海外留学のために給付される、
特別な奨学金制度がある。今や大学生の釣40%が奨学金を利用し
ている。奨学金の大半が貸与型であるため、奨学金を借りた人は、
卒業後に就職をして、毎月返していく仕組みとなっている。
2 奨学金の返済困難の背景と問題
家庭の経済状況によって、「学び」の機会が制限されないように、
「学び」の機会を金銭面で支えるのが、奨学金の本来の目的です。
しかし、その奨学金が、人生の大きな負担となって利用者を苦しめ
結婚や出産などの大切な人生の選択肢までを苦しめる問題が生じて
いる。この問題の背景には、①近年、大学などの学費が異常に高騰
したこと。②非正規雇用などの不安定・低賃金労働の拡大により、
卒業しても奨学金を返済できる環境が大きく崩れたこと。③厳しい
利用条件により、返済困難に陥った人に対する救済手段が厳しく活
用に困難性があることが挙げられる。奨学金の返済が困難になり、
滞納してしまい、自己破綻する 人も年々増加傾向にある。 欧米諸
国では、奨学金は通常「給付」を意味するが、我が国ではほとんど
の奨学金が「貸与」、つまり借金です。貸与型の奨学金が他の借金
と異なるのは、「将来の仕事や収入が予測できない状況で利用する
こと」で、滞納のリスクは最初から内在している。本来、制度上滞
納に陥った場合にそれを救済する仕組みは、奨学金制度の根幹に位
置付ける必要がある。日本学生支援機構などには、「返還金猶予」
などの制度があります。例えば、①返済期限の猶予(中し出により
少奨学金の返済か二定期間猶予する制度)。②延滞金減免(延滞金
の全額又は一部を免除する制度で、借主が死亡した場合など)。③
返還免除(奨学金返済の全部又は一部を免除する制度で、病気によ
り複雑な看護を要する場合す。これらの救済手法は十分に周知され
ていないため、利用できることを知らないまま延滞金が発生し、結
局、制度を利用できなくなるケースも少なくない。
3 奨学金の返済困難対策
奨学金の負担に苦しむ人の多くが、自分の力ではどうしようもない
理由で、制度の仕組みによって生み出された問題でもある。「誰で
も平等に教育を受ける権利を保障する」という憲法の理念に立てば、
例えば、①高騰した学費の大幅な引き下げ。②給付型奨学金の導入
と拡充。③貸与型奨学金の無利子化。④返済能力に応じた柔軟な返
済制度などを実現する制度改革が必要となります。このように社会
問題となっている「奨学金問題」について、内開府が設置した「行
政刷新会議」や文科省内の「日本学生支援機構の在り方に問する有
識者会議」などから、奨学金制度の見直しを求める要請がでていま
す。行政刷新会議などの要請を受けて、国は2017年に、低所得
者層の家庭で、意欲と能力のある若者を対象に、返済不要の「給付
型奨学金制度」を新設しています。
キーワード 誰でもが教育を受ける権利/奨学金が返せない
米国----新自由主義(弱肉強食)やティ-パーティ、リバタリアン
(反納税・反政府主義)、白人至上主義が存在する----ですら経済
情勢が悪ければ奨額金返金が出来ない学生たちで溢れる先進諸国の
ように理念と社会の乖離が著しい国と新興・発展途上国と単純比較
できないほど「教育政策」は難しい。わたし(たち)が言えること
は、精々「早期所得格差是正を!」(どの程度まで?)と言える程度
で後は、「是々非々」でやっていくしかないと考える。
この項つづく