9.子 罕 しかん
ことば------------------------------------------------------
「子、川上に在りて曰く、逝く者はかくのごときか。昼夜を舎かず」
(16)
「われいまだ徳を好むこと色を好むがごとくなる者を見ず」(17)
「譬えば山をつくるがごとし。いまだ一簣を成さざるも、止むはわ
が止ひなり」(18)
「後生畏るべし。いずくんぞ来賓の今にしかざるを知らんや」(22)
「三軍も帥を奪うべきなり。匹夫も志を奪うべからず」(25)
------------------------------------------------------------
4 孔子には次の四つの欠点がなかった。
主観だけで臆測すること。
自分の考えを無理に押し通すこと。
一つの判断に固執すること。
自分の都合しか考えぬこと。
子絶四、毋意、毋必、毋固、毋我。
Confucius renounced four things. No arbitrary decision, no
enforcement, no attachment and no egoism.
【佐竹本三十六歌仙下句トレッキング;⑬】
#TheThirtySixImmortalPoets#FujiwaranoKiyotada
天つ風ふけひの浦にゐる鶴のなどか雲居にかへらざるべき
新古1723
天つ風が吹くという名の吹飯の浦にいる鶴が、どうして雲の上に帰
らないことなどあろうか。----そのように、私もいつかは再び昇殿
を許されるであろう。
藤原清正(ふじわらのきよただ:?-958)は、平安時代中期の官吏
歌人。 藤原兼輔(かねすけ)の次男。左近衛(さこんえの)少将をへ
て従五位上,紀伊守(きいのかみ)となる。三十六歌仙のひとりで,壬
生忠見(みぶの-ただみ),藤原敦忠(あつただ)らと親交があった。天
暦(てんりゃく)期の歌合わせで活躍し,「後撰和歌集」以下の勅撰集
に28首がはいる。天徳2年7月死去。家集に「清正集」。
佐竹本三十六歌仙絵巻は、三十六歌仙を描いた絵巻物で、鎌倉時代
(13世紀)に制作された。久保田藩(秋田藩)主・佐竹家に伝来
した、三十六歌仙絵の草分け的存在にして、代表的な作品である。
書は後京極良経、画は藤原信実によると伝わる。元は上下2巻の巻
物で、各巻に18名ずつ、計36名の歌人の肖像と住吉大明神が描
かれていたが、1919年(大正8年)12月20日に各歌人ごと
に切り離され、掛軸装に改められた。原型とは異なっているが、一
部を除き重要文化財に指定されている。
人口減少時代のまちづくり㉒
30 「老老介護」の現状は
【要点】
①「65~69歳」の要介護者に対して「65~69歳」の同居の
介護者が62%。
②「70~79護」の要介護者に対して「70~79護」の同居の
介護者が48・4%。
③高齢の夫婦や親子間で介護者や被介護者となるケースは増加して
いる。
1 老老介護とその現状~同世代介護率が年々上昇
老老介護とは、高齢者が高齢者の介護を行うことで、主に65歳以
上の加齢の夫婦や親子間で介護者や被介護者となることをさす。
厚生労働省の平成28年国民生活基礎調査に(熊本県を除く)によ
ると、介護保除法の要支援または要介護と認定された者(以下、「
要介護者等」という)のうち、主な介護者が要介護等と同居とが5
8・7%と多くなっている。この同居の年齢階層別組み合わせをみ
ると「65~69歳」の要介護者に対して「65~69歳の介護者
が62%、「70~79歳」では「70~79歳」の介護者が48・
4%とそれぞれ最も多くなっており、「80~89説」では「50
~59歳」の介護者が32.9%だが「80歳以上」にの介護者も
23・4%となっている。さらに、「90歳以上」では「60~6
9歳」が63・2%と最もも高くなっている。また、介護者の性別
では、男性が34・0‰、女性が66・0‰で、女性が多く、老老
介護の厳しい実感を知ることができる。そして、こうした勤きは、
介護晋の精神的・肉体的・金銭的負担や、さらには虐待問題などを
引き起こしている。
2 老老介護の背景~高齢化の進展、世帯構造の変化、平均
寿命と康寿命との差
先ずは、高能化の進展が挙げられます。日本の総人口は、1億2,
646万6千人(総務省推計)平成成30年5月1日確定値)で、
その内28・0%の3541万6千人が65歳以上の高齢者で、人
口減少する中でこの層だけが増加。推計(平成29年推計国立社会
保障・人口問題研究所)では、今後とも高齢化率は上昇し、因みに、
2036年には33・3%で3人に1人が65歳以上になるといわ
れ、併せて、要介護リスクの高い75歳以上の層の増加も見込まれ
ている。次いで、世帯構造の変化。15年で、65歳以上の高齢者
のいる世帯が2372万4千世帯で、全世帯の47・1%を占め、
その内、「夫婦のみの世帯」が一番多く約3割を占め、また、子供
と同居する65歳以上の高齢者も大幅に減少し39・0%となって
いる。 (「平成29年版高齢社会白書」内閣府)さらに、平均寿命
と健康寿命との差も問題になっています。 平均寿命は医療の進歩と
ともに延伸しているが、健康寿命(日常生活に制限のない期間)と
の間には、男性で8・84年、女性で12・35(平成28年)の
差があり、それぞれが高い介護リスクにつながっている。
3 今後の取組み~老老介護の孤立化を防ぐことから
こうした中で、国では、数次にわたる「ゴールドプラン」 を策定
し、「いつでもどこでも介護サービス」「支え合うあたたかな地域
づくり」「保健福祉を支える基礎づくり」等々に向けて、在宅福祉・
地域福祉を基本に老人福祉施設や保健施設、訪問介護ステーション、
ホームヘルパーの確保などの介護サービスの基盤整備と生活支援対
策を連めてきましたが、急激な高齢化に伴い老老介護に加え、認知
症による老老介護の問題も取り上げられるようになる。老老介護の
社会的な背景等への総合的な対応はもとより、先ずは、多義にわた
る高齢者福祉に問する制度や支援策の情報収集、理解、あるいは相
談、そして支援という流れを基本に、個人・家庭・地域そして行政
男が、連携・協力して検討・解訣していく必要がある、そして何よ
り、老老介護の孤立化を防ぐことが大切である。
キーワード 同世代介護/健康寿命/孤立化
31 介護職員は本当に不足しているのか
【要点】
①2016年に183万人の介護要員は25年には約245万人必要。
②要介護者がこの10年で約1・4倍増加。
③大都市圈では、介護人材は足リていない。
1 介護職員の現状は~要介護者との乖離
介護職員の動向は、介護保険制度が創設された2000年の職員数は
55万人、その後、同制度の定着や要介護又は要支援の認定を受けた
人(以下「要介護者等」という。)の増加を受けて、12年には16
3万人、16年には183万人と増加。しかし一方で、要介護者等は、
18年3月末(暫定)で641・3万人(男一200・6万人、女一
440・7万人)となっている。この10年間(08年3月(暫定)
452・7万人)で約1・4倍、実数で 188・6万人増加。相当
規模の都市に匹敵するほどの大きな数値。厚労省では、20年度には、
全国で約216万人の介護人材が必要となり、団塊の世代がすべて後
期高齢者となる25年度には、約245万人の介護人材が必要になる
と予測している。15年度時点の介護人材とくらべて約62万人の乖
離があり、単純計算で年間7万人前後の介護人材を確保する必要があ
る。また、特に、東京や大阪、千葉など大都市とその近隣県では、今
後、高齢化が「実数」として膨大になるため、それに伴い「数万人」
単位での介護人材の確保が必要と言われている。
2 介護人材不足の背景と対応~よリキメの細かい取組みを
介護業務は、人材確保が難しい職種です。その裏には、他職種と比べ
て3K(きつい、汚い、危険)でありながら、給料が低いなどと言わ
れてきた背景があり、就業形態は、非正規職員に大きく依存し、女性
の比率が高く、常勤者の離職率が高めの値となっています。そのため、
国を中心に、介護職員の処遇改善(給与等)、多様な人材の確保と育
成(介護福祉士をめざす学生への就学資金貸与他)、離職防止・定着
促進(保育施設の設置・運営支援、キャリアアップの研修受講負担軽
減他)、介護職の魅力の向上(学生や保護者、進路指導担当者等への
理解促進)、さらには、在留資格「介護」の創設に伴う外国人留学生
の支援等が、多面的に行われてきた。今後とも、継続的な取組みを行
う必要がある。また、高齢者数の違いや、地域別の高齢化速度の違い
を踏まえながら、地域に一番近い自治体でのきめの細かいい政策・施
策の提案と展開が求められている。
3 今後の取組み~介護業務の社会的位置づけを
今、「費用と負担」の視点から消費税アップについて取り沙汰されて
いる。介護職員の不足に限らず、高齢者福祉政策上の視点から財源を
どこに求めるかということであり、避けて通れない議論。どう確実に
財源を確保するかは、広く国民的議論の中で決められるもの。その中
で、益々、必要性が高まる介護業務は、成熟社会、高齢・福祉社会で
のしっかりとした位置づけや、介護業務のステイタスを高め、理解す
る取組みを、地域、社会、あるいは、行政・民間の多分野にわたり繰
り広げていくことが大切。問題対応ではなく、これからの社会のあり
方として、矢かせない機能・業務であることを、まず自覚する必要が
ある。
キーワード 3K/費用と負担/社会的位置づけ
32 「介護難民」の発生が予測される理由は
【要点】
①団塊世代が25年には75歳を超え、介護 サービスを必要とする
可能性が高まる。
②従業員の不足を感じている介護施設が全体の過半数を超えている。
③特別養護老人ホームヘの入所待機者は年々増加。
1 介護難民~その取り巻く状況
介護難民とは、介護が必要な状態であるにもかかわらず、介護を受け
られない人のことをいい、受け入れ先の介護保険 施設や病院がない
という状況のみではなく、在宅でも適切な介護が受けられないという
状況を含める。15年4月に「日本創生会議」(座長一増田寛也・元
総務相)は、人口の高齢化が進む中にあって、介護難民についての予
測(「東京圈高齢化危機回避戦略」)を発表。25年には、全国で約
43万人、東京圈で13万人の介護難民が発生すると話題になる。
実際、高齢化は増加の傾向にあり、17年で28・0%(3515万
人)、団塊の世代が65歳以上になった15年(3347万人)より
168万人の増加で、今後も増えるとされている。当然、65歳以上
の者1人に対して15~64歳の割合も(15年;2・3人) 減少
し、社会的に高齢者・介護を支える構造が崩れようとしている。
2 介護難民の背景~2025年問題と介護問題への取組み
なぜ介護難民が出てきてしまうのか。それは、1947年 から49
年に生まれた団塊の世代、約800万人が、25年には75歳を超え、
介護サービスを必要とする可能性が高まってきているからです。まさ
に25年問題。さらに、介護ニーズが高まる一方で、介護事業所、介
護職員の不足が深刻で、25年には介護職員が約245万人必要とさ
れ、現在との乖離が約62万人と推計されている。そして、介護施設
では従業員が不足していると感じている施設が全休の56・5パーセ
ントと過半数を超えています。また、特別養護老人ホームヘの入所待
機者数は年々増え続けています。今後、単身高齢者、もしくは高齢夫
婦世帯の増加も予想されていることから、介護難民を生み出すことに
もなると推測されている。国等においても、介護施設の増設や介護土
の待遇改善等により人材の確保に努めている。さらに、外国人介護士
の導入や介護ロボットの利用への取組みなどを進め、介護難民問題の
解決につなけようとしている。また、「日本版の(CCRC(Continuing
Care Retirement Community)構想」である継続的なケア付きリタイ
アメントコミュニティーづくりとして、高齢者が自立して生活できる
うちに移住して社会活動に参加し、介護が必要になってもそのまま医
療等を受けながら暮らし続ける仕組みをめどした取組みが各地で構想・
計画等されている。
3 今後の取組み
実際、介護難民になると在宅せざるを得なくなり、介護者が離職し経
済的に困窮するというケースもある。また、「自宅に留まりたい」と
いう高齢者の本音を伺うこともあります。高齢社会を受けて、介護サ
ービス事業を志す人や企業は少なくないものの、まだまだ、需給をづ
フンスするほどにはなっていない。デイサービスから入所型老人ホー
ムなど、さまざまな介護サービスが整備されつつある中でも、先ずは、
自らが、日常生活の中で自身の生活機能や健康寿命の向上に努めたり、
老後を見据えた貯蓄や資産運用、そして、介護必要時に在宅で暮らす
ことができる家族内での環境を整えておくことなど、一人ひとりが自
分白身の老後をしっかりと考え取組んでいくことが大切となる。
キーワード 高齢化/2025年問題/施設・人材不足
次回は「第9章 教育でなにが起こっているか」
この項つづく
南天 Nandin
【絵画トレッキング④:ゴトウヒロシ】
● 今夜の一枚
ゴトウヒロシ 『Nandin』
彦根市野田沼緑地公園
近江八幡帰り道荒神山の野田沼の風景を写メール。近年の秋は温暖
化により短く紅葉が色褪せるてきている感あり。写真は水平展開さ
せた風景だが趣がそぐわないため思い切って垂直に構図を切り取り
とるとイメージが美しく変化。こういう手法もありと気付く。
● 今夜の一曲
THE ROLLING STONES "NEW SONGS" 2001-2019 VOL. 01
THE ROLLING STONES "NEW SONGS" 2001-2019 VOL. 01 FULL ABUM